ポトマック自然観察日記

アメリカ東部の自然紹介をきかっけに、日本や世界の自然観察を共有。

Audubon Naturalist Society 本部

2014年01月19日 | 日記
アメリカには日本とは比べ物にならないぐらいの数と規模の自然保護団体がありますが、その内の「優良有力企業」であるオーデュボン・ソサエティがべセスダの近所・Chevy Chaseの住宅街の中に本部を構えています。住宅街と言ってもそこは森の中で、本部がある建物は貸切りの結婚式・ガーデンパーティが出来ちゃうような大きなお洒落な館です。

ここでは、数々の勉強会・催し物に加えて、お薦めは無料の野鳥観察会。毎週日曜日の朝8時(だった?)から敷地内の森や原っぱを歩きながらのウォッチング。そして次のお薦めは「ショップ」。ここはバードウォッチャーを唸らせる数々のグッズ、そしてこれまた充実度ではピカイチの本の販売コーナーがあります。ショップの少し奥まったところで、私は余裕で3時間は過ごせちゃいます。

ここは車で敷地内を一周できます。もちろん、お薦めのショップにだって車で。さあ、一緒に入ってみましょう。

入口。いい雰囲気です。


センス良い看板。


綺麗に整備されていて、直ぐにでも車を降りて歩きたくなりそう。


魅力的な木々がたくさん。シカ(White-tailed deer)だって一杯います。


本部の建物が見えてきました。


お薦めのショップの入口。ボランティアのおば(あ)様方が陳列やレジを担当。セールの掘り出しものもあります。


森だけでなくMeadow(草原)も鳥や昆虫の見所・観察所。わざわざ刈り残しているのです。


森の中にはトレイルがあります。この奥に行くと小さな池があって、鳥だけでなく、カエルがいたり。


この日の戦利品。右は窓に直接貼るタイプのバードフィーダー。左は日本の鳥についてのフィールドガイド。もちろん英語版。良かったところは、日本列島のみならずその周囲の東アジア地域との関係も紹介している所、それから日本の鳥の英名が分かるところ。写真もなかなかのもの。600種以上をカバー。


このオーデュボン本部は余り知られていませんが、べセスダ・ポトマック地区から本当に近いですし、環境の素晴らしいところ。入場は無料。お弁当を持っていけば、広大な芝生の上でピクニックも楽しめます。鳥に関心ある人も無い人も是非訪問してみて下さい。こんな自然保護団体本部、日本には絶対ありませんよ。

アメリカから本帰国して早や5カ月が経過しましたが、このブログのアメリカ・コンテンツはこれで終了。今後は、現在住む千葉市周辺でのウォッチングを始めとする日本での観察記録をしたためていきたいと思っています。それから相変わらず仕事で海外出張が多いので、出張先でのウォッチングを少しは織り交ぜていきたいですね。

アメリカ生活は10年に及びましたが、本当に色々な観察の機会に恵まれました。アメリカの自然は凄いですよ、本当に。それからどう楽しむのか、大変勉強になりました。立派な国立公園から近所の小さなサンクチュアリーまで、生態系を保護する取組みも実に多様。これからもアメリカの自然とその保護の取組みには引き続き接点を持ちたいものです。
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Cape May, New Jersey

2014年01月03日 | 日記
ここはアメリカのバードウォッチャーにとって聖地の一つと言えるでしょう。ニュージャージー州の南端、大西洋に突き出すような地形の先端にケープ・メイという町があります。アメリカ最古のリゾートタウンとも呼ばれ、かわいいビクトリアン調の建物が並びます。有名チェーンホテルやマクドナルドの無い街。ここは大西洋沿いの鳥の渡りのルート上にあり、特に対岸のデラウェア州との間で海を渡る鳥たちにとって重要な通過点です。





町中やビーチ沿いを観光した翌日、地元のAudubon Societyの主催するバードウォーク(観察会)に加わりました。時は8月中旬、場所はCape May State Park、名前を忘れてしまいましたが、リーダーはイギリス人のベテラン・バードウォッチャーでした。立派な観察デッキの前で集合し、ツアーが始まる前からその場でウォッチング開始です。それにしてもとっても印象的な灯台があります。後で灯台に登って分かったのですが、先の大戦でドイツの潜水艦の東海岸地域侵入を恐れて作られたものの一つでした。なかなか歴史的。ドイツの潜水艦が東海岸沖そして南はパナマに至るまでの広大な地域で戦闘していたとは全く知りませんでした。





砂浜の海岸に出ると、うわあーっと言う感じで鳥がたくさんいます。これでもこの時期渡りのピークでは無いので、数・種類ともに少ない方だとか。最初の写真にある黒い帽子を被った鳥はアジサシ。この日は4種類のアジサシが確認されました。



沢山のアジサシやカモメに混じって、何だか顔というか嘴の長い鳥がいます。嘴の色が黒とオレンジのツートン。右の二羽です。これはBlack Skimmerといって、以前フロリダで観察したことがありますが、下の嘴の方が上よりも長く、それを水面下に差し込んで水面すれすれを飛ぶ。そしてその下嘴に当たった魚を瞬時に捕まえる、というユニークな鳥です。



一通り海岸沿いを観察した後は、そのすぐ背後に控える湿地帯へ。淡水の池やクリーク、ちょっとした茂みが広がります。ここはもう、正に鳥の楽園。目の前の海峡をデラウェア側に亘る前、必ずと言って良いほど、鳥たちはこの辺りで休息したり、捕食したりするのでしょう。











因みに最後のMute Swanは人間が導入したもので、湿地の環境を荒らすから嫌われ者だ、でも、一般の観光客には受けるとか、そんな会話もバードウォークの参加者から聞こえてきました。この日は、実に34種を確認!バードウォークのリーダーや多くの参加者の目に救われての立派な数字ですが、やはり2-3時間で34種も確認できるとは、とっても凄いフィールドです。

ケープメイの可愛い街並みでも観に行ってみようかと考えられる方々には、是非、この鳥見の方もご検討あれ。鳥の渡り、ということを考え合わせると、4-5月および9-10月がお勧めです。帰りは、この町から出ているフェリーに乗ってデラウェア側に移動し、メリーランド・ポトマックに帰宅しました。フェリーのデッキから周りの風景を見渡せば、ここを飛んで渡っていく鳥たちの気分が少しは分かるような気がしました。



コメント (3)
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