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◆2011夏の特集記事◆【人間の聴覚】「解明余地のある人間工学」
人間は音を意識して聞き分けることが出来ると思います。聞きたい音だけを聞くことが出来る訳です。フィルター機能を持っています。しかし、このフィルター機能は意識して使いこなせるでしょうか◆困ったことがありました。2010年3月20日AO-7のBeaconが何かの拍子に送出され、しばらくの間受信可能でした。435.106MHzCW±Dopplerです。このAO-7のCWBeaconはToneがパラレル(並列)で聞こえて来ました。これには困りました。片方のToneのCWを聞いていると、耳が違う方のToneを聞きに行ってしまうのです。初回の私の経験では不思議なことに、無意識にそうなってしまったのです。CWをただ聞くだけならそれでも良いのですが、書きとらなければならないので、違う方のToneを聞きに行った瞬間、今聞いていたToneの文字を続けて書きとることが出来なくなってしまいました。人間の耳は全ての音域を平均に聞き取るのが標準なのでしょうか。つまり無意識の状態では、全ての音域を聞くように出来ているのかどうかと言うことです。でも、慣れたらそれほどでもなくなりましたが、物理的に両方のToneが聞こえている状況の中で、片方を捨て、片方だけの音をずっと追って聞きとるというのは、かなり至難の業と感じました。それとも私が音痴なのであり、音楽的才能のあるプロの音楽家などはそんなことはなく、聞き分けを楽々とこなしてしまうのでしょうか。 【幻聴か能力か】古い話になりますが、2006年のALLJAコンテスト電信部門シングルオペ7MHzバンドM(100W)で全国3位になったとき、24時間で400局余りとの交信でした。睡眠は採りましたが、それでも18時間くらいはCWを聞いていたでしょう。700HzくらいのToneを18時間聞いていたわけです。終わった後「幻聴」が現れました。妻が洗面台で使っていたヘアードライヤーからCWが聞こえて来たのです。しかし、私はこれは幻聴ではないと思いました。幻聴ではなく、ヘアードライヤーの幅広い音域の中の700Hzくらいの所をはっきり聞き分けているのだと思いました。モーターの回転音、風切り音がCWとして聞こえてもおかしくありません。私の耳の中にフィルターが出来ていたのです。Audio電子回路で音声帯域のフィルターを作りますが、生身の人間の耳にもそれに匹敵する能力があるのではないかと思いました。と言うことは訓練次第では人間は「どんな音でも聞き分けることが可能」と言うことです。プロの音楽家は「先天的にこのような能力を持っている」か、また「極限まで訓練した人」と言うことでありましょう。解明の余地のある「人間工学」だと思いました。
※JA1CPAさんコメントありがとうございます。