ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

霧のトゥール

2005-10-21 22:31:26 | フランス物語
いよいよトゥール滞在最後の日になった。
この日は城には行かず、のんびりトゥールの街をさまよう。
晴男の魔力もここまで。この日は11月らしい霧の日だった。
まあそれはそれで風情があってよかった。

まず旧市街に行く。
木組みの家に囲まれた広場に行く。
日曜の朝だけあってがらんとしている。広場にしつらえたオープンカフェには誰も座っていない。
ただしっかり防寒服を着込んだ親子がたたずんでいる。
父親は黒、母と小さな娘は赤い服だった。

次にジェマイユ美術館に行く。
これは色ガラスによる芸術作品で、有名な絵画をこの手法でコピーしていた。
「ガラスと光の芸術」と称していた。
中庭のようなところにある入り口から入ると、猫を抱いたマダムが出迎えてくれた。
彼女が美輪明宏だったとしても不思議ではないような雰囲気だ。
作品だけでなく、ビデオでジェマイユについての解説もしてくれていた。

ここには地下室もある。12世紀のチャペルの跡らしい。
一旦外に出て、鍵を開けて中に入り、階段を下りていく。
白いレンガ造りの部屋だ。
暗い中、ルオーの作品をアレンジしたものなどを鑑賞する。

フランス ワールドカップ出場決定

2005-10-15 23:48:23 | ヨーロッパあれこれ
ワールドカップヨーロッパ予選、フランスVSキプロス戦を見る。
といっても、NHK衛星放送で、すでに結果がわかった後の視聴だったので、気楽には見られた。

フランスチームといえば、自分にとっては、EURO2000の優勝が最大の思い出だ。
決勝で、イタリアに対し、終了直前で追いつき、延長で見事に逆転した。
ハゲた男たちが、イタリアの色男のカテナッキオを打ち破ったのである。
このときは、パリの下宿のテレビで見ていたのだが、試合終了後嬉しくなり、下宿を出て、夜の街をうろちょろした。アパートのテラスで嬉しそうにしている男に、手を振ったりして喜びを分かち合ったものだった。

今回、ワールドカップ出場のためには、5点以上で勝たなければならなかった。
キプロスと相手といえども、なかなか点をとれなかった。
アンリ・トレゼゲがいないのが痛い。
シセだけでは無理だった。顔は怖いが、やはり大切な試合、緊張していたのだろう。
しかし、やはりジダンが突破口を開いた。
今のフランスチームは、やはり彼なしには成り立たない。
まあ、それが懸念材料でもあるわけだが。

試合は結局4対0。
スイスがアイルランドとドローだったおかげでプレーオフに回らずにすんだ。
個人的にはアイルランド落選は残念だ。

みんなスイスの結果が気になってしょうがなかっただろう。
試合途中、コーチが両手の指でゼロ二つのシグナルをつくり、選手に見せようとしていた。監督がそれを神経質に制止していた。

とにかくフランスにはワールドカップ本選での活躍を願うのみである。
まあ、少なくとも前回の、慣れない風土での無様な結果にはならないと思うが。

一つ余談だが、キプロスの選手は、ギリシャ系だけなのだろうか。それとのトルコ系も入っているのだろうか?
メンバーの名前をチラッと見た限り、ギリシャ系だけのような気がしたが・・・。確かに合同チームは困難だと思うが。
民族・政治問題がからんでいるのだが、こちらも少しでも良い方向に向かって欲しいものである。


夕闇にしずむブロワ城

2005-10-14 23:26:06 | フランス物語
シャンボール城を見学し終わり、一路トゥールへ戻る。
バス会社のガイドブックには、あとブロワ城のview/vueとあるのだが、もうかなり暗くなってきている。
やはりバスは止まる事もなかった。
ロワール河沿いの、ブロワ城の前を通った時、運転手さんがその方面を教えてくれたが、自分にはよくわからなかった。

実は、ロワールの城廻に行く前、ブロワとトゥールはパリから日帰りで行った事があった。
ブロワ着の電車の本数も結構あり、城自体駅からも近く、パリからは一番行きやすいところである。
さて、このブロワ城だが、妙な特徴に気がついた。
普通城は、その全体の代表的な姿があるはずである。
というのも、大体山の上にあるか、庭園の中にあるかで、全体の姿が見やすいからである。
しかし、このブロワ城はそうではない。
一応少し小高いところにあるが、全景が見えるわけではない。
また、周りが広い庭園でもない。
「地球の歩き方」などのガイドブックでの写真も、城の一部だけである。
ただここはすぐ前が道になっていたので、写真を撮るのも苦労した思い出がある。
今回のツールドフランスでは、その道を自転車で疾走していたが。

もちろん、それが悪いということではない。
この城は、ゴシック・フラムボワヤント・ルネッサンス・クラッシックなど多様な様式を一度に見ることができる。
また、内部の装飾もバラエティに富んでおり、きれいである。
歴史的いわれのある事件の舞台にもなっている。

夕闇にしずむロワール河畔を、バスは疾走していく。
トゥールに戻る。
日本人三人で、駅前のブラッセリーで食事をとる。
バスでさんざん喋っていたにもかかわらず、ここで初めてお互いの名前を名のった。
このうち一人は、明日ボルドーに行くとのこと。
誘ってくれたが、なんとなく面倒になって断ってしまった。
ボルドー自体、そんなに見るものもないと思ったからだ。
ただ、その後、「Bon Voyage」というフランス映画を見たとき、行っておくべきだったなあ、と後悔してしまった。

雄大な城と森(シャンボール)

2005-10-12 23:03:17 | フランス物語
バスはシュヴェルニー城を離れ、シャンボールに向かう。
森の中に自動車道を進んでいく。城も近づいてきたようだ。
車を駐車場に止め、城の裏から入っていく。夕日が城にあたっている。
正面に回り、城の中に入っていく。
ダヴィンチが設計したといわれる二重螺旋の階段を登っていく。
中にがらんとした大広間がある。冬は暖炉があってもかなり寒かったそうだ。

城のテラスに上る。鐘楼の細かい装飾がよく見える。
建物の裏側に堀で区切られた草地がある。その向こうは森だが、さらに一直線に切り開かれており、素晴らしいパースペクティヴである。
地平線というか、森平線?がきれいだ。
フランスの庭園、ヴェルサイユやフォンテーヌブローなどもそうだが、遙彼方まで庭園が続くような光景を楽しめる。
庭園ではないが、パリのルーブルからチュイリー公園、さらに凱旋門から新凱旋門まで続くパースペクティヴも素晴らしい。

城内部をさんざんうろちょろしたあと、正面の庭園に降りる。
緑の芝生の上に、シャンボール城の威容がある。
前から見ると、どっしりとした土台、円錐形の建物、そして賑やかな上部という感じだ。
U字型の並木に沿って歩きながら、夕陽をバックにするシャンボール城を愛でた。


シュヴェルニーの101匹わんちゃん

2005-10-09 22:53:50 | フランス物語
我々を乗せたバスはシュヴェルニー城に着く。
小さな小屋のそばの入り口を通り、中に入る。
白いお屋敷が、広大な敷地の中にあった。
これがシュヴェルニー城なのだ。
中の豪華な寝室や、書斎を見学する。
また、持ち主の家族らしい写真もあり、身近に感じる。
ガイドブックには実際にここに住んでいるとのことだが、本当だろうか?昼間は観光客でうるさいと思うのだが。

屋敷の裏手に出て、敷地内の順路に従いUターンする。
庭園内を散策していると、猟犬小屋があった。たくさんの猟犬が飼われているのだ。
まさに、101匹わんちゃんの世界だった。
実際にいるのは70匹らしいが、とにかくこんなにたくさんの犬を同時に見たのは初めてだった。
別の建物に入ると、鹿の角を展示していた。
ここには2000本以上あるらしい。
本当に狩が好きな領主なのだ。
時間が来たので、みんなバスに乗り込み、次の目的地、シャンボール城に向かう。