平家物語巻第十二 付 六代切られの事
付 六代きられの事 去程に六代御前、やう/\おひしち給ふ程に、十四五にも 成給へば、いとゞみめかたちうつくしく、あたりもてりかゞや く...
平家物語巻第十二 七 泊瀬六代の事2
なる所に、もんがくばうのしゆく所の有けるに、まづそれにお ちついて、わか君しばらくやすめ奉り、夜はんばかりに大 かくじへ入奉り、もんをたゝけ共、人なければおともせず、若 ...
平家物語巻第十二 七 泊瀬六代の事1
七 はせ六代の事 去程に、文覚ばうも出きたり。わか君こひうけ奉りたり とて、きしよく誠にゆゝしげなり。此わ...
平家物語巻第十二 六 六代の事9
ぐそくし奉て候へ共山のあなたまでは、かまくら殿の御心 中も、はかりがたう候へば、あふみの国にて、うしなひ參らせ たるよし、ひろう仕り候はん。一ごうしよかんの...
平家物語巻第十二 六 六代の事8
れ共心すこしおとなしやかなる君也。こはしもあらば、北 でうとかやにいとまこふて歸り參らんといはひつれ共けふ すでに廿日にあまるに、あれへもゆかず、是へも見えず。又 いづれ...
平家物語巻第十二 六 六代の事7
はからひなればいかゞ有んずらんと思はれけれ共、廿日の命の のひ給ふにぞ。母うへめのとの女ばう、すこし心をとりのべて、ひとへ にはせのくはんをんの、御たすけなればにやと、たの...
平家物語巻第十二 六 六代の事6
く共しり參らせずして、すでにむなしく、下らんと仕る 所に、思はざる外に、おとゝひ夢でし參らせて、きのふ是ま で、むかへ奉て候へ共、あまりにうつくしうまし/\候程に、いまだ ...
平家物語巻第十二 六 六代の事5
のなかよりいたきあげ奉りおほしたて參らせて、今年は わか 十二になり給ひつる。若君を、きのふぶしにとられてさぶら ふ也。御命をこひうけて...
平家物語巻第十二 六 六代の事4
をさり共とこそ頼み奉りしに、つゐにとられぬる事のかな しさよ。只今もやうしなひつらんと、かきくどき袖をかほに をしあてゝ、さめ/"\とぞなかれける。よるにな...
平家物語巻第十二 六 六代の事3
母上は若君に、なく/\御物きせ參らせ御ぐしかきなでゝ すでに出し參らせんとし給ひけるが、くろきのじゆずの、ち いさううつくしきを取出して、あひかまへて是にて、い...