「協同労働で広がる"はたらく豊かさ"の可能性とは」をテーマに、これまで40年以上にわたり"協同労働"を実践・推進してきたワーカーズコープ連合会で、事務局長を務める高成田 健氏にお話を伺いました。
2022年10月1日より労働者協同組合法が施行となるこの機会に、ワーカーズコープ連合会の歩みや、法制定の背景を伺いました。
ワーカーズコープ連合会は、福祉事業を原点として、地域の課題を解決することと、自分たちの「やりたい」を実現すること、その両者を掛け合わせ、それぞれの事業として展開してきました。
ワーカーズコープ連合会では、"仕事おこし"という言葉を用いて、自分たちがやりたい仕事を自分たちの手でつくりだしていきます。
労働者協同組合とは、組合員が出資し、一人一票の意思決定権をもちながら、組合員自らが事業に従事する組織。一人ひとりの主体的な働きを取り戻す、そんな可能性を秘めているのです。
しかしながら、協同労働という働き方ゆえに、それぞれが異なる価値観や考え方を持っている中で、どのように合意形成していくのかという課題もあります。
そこには「こうすれば上手くいく」というマニュアルがあるわけではなく、多くの失敗や苦労を重ねてきたと、高成田さんは言います。
そんなこれまでの積み重ねを含めて、現場での実践をありのままに伝えていく、実践交流の場を大事にしているそうです。
ワーカーズコープ連合会に準加盟組織として所属させていただいている、弊社母体の903シティファーム推進協議会では、年齢や環境、背景が異なる本当に多様で個性的なメンバーが集まっていますが、そんなメンバーと共に、私たちも日々"協同労働的な"働き方を実践しています。
ボランタリーで運営する田心カフェでは、自ら出資し、料理を作り提供する。
売上を共有し、使い道を決める。
月に一度は会議を開催し、カフェや、その他の企画や試みについて皆で話し合い、決めていく。
このように、903としてのあり方を探りながら、歩みを進めています。
2020年12月に労働者協同組合法が成立して以降、「協同労働」は、新たな働き方の選択肢として注目を集めています。
全国各地から、協同労働の働き方を取り入れてみたいという声が寄せられていると言いますが、主体的に働きたい、地域のためにできることをしたいというように、それだけ人々の働くことに対する価値観、仕事観が変化しているのだと思います。
他との交流を深め、これまでの実践を学び得ながら、現場で対話を行い、振り返り、そしてまた対話を重ねながら自分たちの方向性を定めていく、そのプロセスを重視していくことが何よりも大切であると伺いました。
道のりが決して簡単ではないからこそ、納得感を持ちながら働き続けること、組織としての力がより強くなることに繋がっていくのではないかと思います。
いきなり法人を立ち上げるのではなく、まずは自分たちの会社や組織に一つでも協同労働的な働き方を取り入れていく。そのようなトライの仕方もあると思います。
協同労働という、暮らしに根付いた、そして暮らしと仕事を融合させる、新しい働くカタチ。
一人ひとりの働きがいが生まれ、地域の、そして社会の健全性へと繋がっていく、これからの可能性を感じた対談でした。
↓こちらから放送をご覧いただけます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます