中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第899話 テレワークで実現する「情報共有のリアル」

2020年04月05日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「テレワークを導入すると情報共有が後退する」とお考えの経営者、管理職の方は多いと思います。もともとコミュニケーションとは言葉のやり取りだけではなく、表情や態度、その場の雰囲気(あるいは”空気”)にも影響されるからです。

ずいぶんと昔のことなのですが、ある日私の職場にクレームの連絡が入りました。それはお得意先からで「今日が搬入日のはずなのに、いつまで経っても製品が届かない!」というお叱りの電話でした。

いつもは営業担当者か業務担当者が電話を受けるのですが、その時は2人とも不在で、たまたま電話を取ったのが部長だったのです。

翌朝、部長は部員全員を集めて「情報共有ができていない!」と雷を落としました。

では、テレワークに移行するとこうした「情報共有の失敗」はますます増えるのでしょうか?

答えはNoです。

社員が物理的に集まる職場では、忙しいとつい「うっかり」伝えるのを忘れてしまうことがあります。他にも「多分○○君がやってくれているだろう」とか「いつもと同じ内容だから課長に伝えなくて良いだろう」といったいわゆる「だろう現象」も起こりがちです。

一方、テレワークになるとコミュニケーションはほぼ文章に限られます。

ZoomやMicrosoft Teams といった、簡単にオンライン・ミーティングを実現できるソフトがあります。1対1はもちろん、多人数であってもFace to Faceの会議のような臨場感を味わえます。

しかし、テレワークでのコミュニケーションは結局「文章が99%」なのです。

だからこそ「うっかり」と「だろう」が生じにくいのです。もちろんゼロになることはありませんが、仮に1度でもコミュニケーション・ミスが生じた場合、それ自体が文字の記録となって残るため、再発する可能性は低くなります。

「文章として記録に残る」ことは、情報にリアリティを与えるのです。

テレワークの初期の段階では、情報共有は上手く行かないことでしょう。それは仕方のないことです。むしろ「上手く行かなかったこと」が明確になり、それを文章にして記録・共有できることは大きな利点です。

経営者、管理職の皆さん、顔を突き合わせてのミーティングに比べてテレワークでの情報共有には限界があるとお考えのことでしょう。

そんな時は思い切って「情報共有は文章が基本!」と社員全員に明言してみてください。そして、オンライン会議やビデオ通話は「文章による情報共有を補助するツール」と割り切って使ってください。

しばらく運用しているうちに、思ったよりも情報共有ができていることに驚くはずです。

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