「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
企業の管理職の方と話していると「最近の若手社員は個性が無い」という言葉をよく聞きます。私もそう思いますが「若手に個性って必要なんですか?」と聞くと、一瞬怪訝な顔をして「もちろんですよ」という答えが返ってきます。
個性とはその人に特有の性質、性格のことです。他者から見る「その人らしさ」と言ってもよいでしょう。では企業が求める個性とはそれと全く同じものでしょうか。
企業の採用面接で応募者が「個性」を強調するのは、企業がそういう人材を求めている(と思われる)からです。その個性とは何でしょう。次はある企業の新卒募集要項の一部です。
「固定観念にとらわれず、創意工夫とアイデアで仕事に取り組むことができる個性的な人」、続いて「チームワークを重視し、周囲と協力し合って成果の出せる人」とも書いてあります。
明言しているわけではありませんが、こうした文句を見る限り、企業が求める個性とは「仕事に役立つ特殊な能力」のようです。
私は、若手社員にこうした「個性」を望むのは無理だと思っています。創意工夫やアイデアは狙って打ち出せるものではありません。初めからそういう「特殊能力」を持った人なら別ですが。
若手に必要なのは積極性と成長意欲です。あとはチームで働くことができれば十分です。
企業の中で私が「個性的だなあ」と感じる人はほぼ管理・監督職以上です。そのうちの何人かに「若手の頃からそんな(個性的な)感じでしたか?」と聞いたことがありますが、例外なく「いや、むしろ目立たなかった方だ」という答えが返ってきます。結局、企業が求める個性とは、仕事に前向きに取り組む過程で徐々に発現していくものだということです。
ですから、毎年定期的に多くの人員を一括採用する日本の企業で、若手社員に個性を求めるのは無理があります。若手に対しては、とにかく日々の仕事に前向きに取り組ませることが最も重要です。やがて中堅と呼ばれる頃になると自分なりの工夫が生まれ始めます。そして管理・監督職になるとさらに創意工夫とアイデアで仕事をこなすようになります。
では、人事部門は若手社員の個性をいち早く発現させるためには、一体どうすれば良いのでしょうか。その答えは手前味噌になりますが研修を実施することです。
とはいえ皆さんが想像されたような「個性を殺してひたすら仕事に励め」といった若手社員向けの研修ではありません。管理職を対象にした研修です。
すでに活躍している管理職同士が、お互いの考え方やスキルを披露し合い、意見を交換するのです。そして現在に至るまでに自分が「いつどこで誰にどうやって」育てられたのかを振り返ってもらいます。最後にご自身の経験を基にして「若手をいかにして育てるか」を真剣に考え、発表し、研修後に実施してもらいます。
こうした研修のやり方はリフレクション(内省)と呼ばれるものですが、決して「反省」ではありません。内省を経験することでどれだけ多くの上司、先輩、同僚、顧客、その他の人たちから自分が何を学び何を得てきたかを確認し、それを部下や後輩の育成に活用するのです。
この「管理職向け・若手社員の『個性』を育てる研修」は、企業の長期的な成長に大きく貢献します。「個性がない」とお嘆きの経営者、管理職の皆さん、是非ご検討ください。