「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの企業でテレワークが導入されるようになってから、はや4か月ほどが経過しました。こうした流れの中、今後コロナウイルスの流行が収束に向かっても、テレワーク自体は継続していくことを表明している企業が増えてきています。
テレワークのメリット・デメリットについては既に様々な指摘がなされていますが、よく言われるデメリットの一つに、コミュニケーションにおける第三者の思いやりのような「目には見ない行為」が得られにくいということがあります。
たとえば対面コミュニケーションの場合、上司のAさんが部下のBさんに注意をした際に、Bさんが少々落ち込んでしまったような場合、そばで一部始終を見聞きしていたCさんがその後Bさんにフォローすることができます。「A課長はBさんのことを期待しているからこそ、少々厳しく言ったんだよ。Bさんが期待に応えられる人だと思った証拠だよ。だからあまり気にしなくて大丈夫だよ。ドンマイ」などとフォローをすることができるわけです。
また、別のケースではDさんとEさんが顧客への提案について相談していたときに、直接その会話に加わっていないものの、過去に同様の提案をしたことがあったFさんがそばにいたとします。
そのような場合にはFさんが「以前同じような提案をしたことがあるから、この資料を参考にしてみたらどう」などと情報やアドバイスをくれたりということができたりするのです。
もちろんオンライン上でも情報やアドバイスを求めることはできますし、多人数へ同時に可能という面では対面でのコミュニケーションに対するメリットと言えます。しかし、そこまで多くの人のアドバイスなどの必要性を感じていないような場合には、DさんとEさんの2人の閉ざされたやりとりに終始してしまうことがあるわけです。
上記のように対面の場合は、いわば開かれた環境でコミュニケーションをとるために、そばにいてやり取りを見ていた第三者等などからのフォローを得ることができやすいです。しかし、オンラインの場合にはこの点でより限定的な環境になりやすいことから、積極的な発信を意識していかないとそれらが得られにくいのではないかと感じています。
さらには上司が部下を叱る場合などは、一般的には叱る側と叱られる側のみの、いわば限られた空間で行なわれることがほとんどです。オンラインではよりその傾向が強くなりやすく、第三者のフォローを得られにくいのではないかと考えています。
上記のとおり、対面でのコミュニケーションとオンライン上でのコミュニケーションにはそれぞれ長短があります。
オンラインでのコミュニケーションが本格的に始まってからまだ日が浅いわけですが、たとえば上記のような目には見えない「思いやり」の視点を盛り込むにはどうすればよいのか。
これはなかなか難しい課題ですが、今後様々な形でトライが行われ、やがては一つの形にまとまっていくのではないかと考えています。