「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
最近、いくつかの調査で、テレワークに移行したことによる生産性の低下が指摘されています。
それは、至極当然のことです。段階的にではなく「いきなりテレワーク」が始まったわけですから、むしろ低下しない方がおかしいのです。もし、生産性がほとんど低下しなかったとしたら、「オフィスに出勤する」形態がいかに無駄なコストとエネルギーを費やしていたかという証になります。
さて、テレワークが組織の生産性向上を妨げる原因はなんでしょうか。IT環境の整備ができていないとか、コンピュータが苦手といった些末な問題(失礼しまた!)は無視して、やはり最も大きな障害は「コミュニケーションの取り辛さ」でしょう。
人と人とのコミュニケーションは、言葉以外にも様々なシグナルのやり取りによってなされます。対面して話し合うことで、なんとなく「場の空気」を実感できます。よく「空気を読め!」などと言ったりもしますね。
もちろん誰だって「空気」なるものが幻想だということはわかっています。お互いが同じ「空気」のなかにいるという感覚、つまり「幻想の共有」こそが対面コミュニケーションの実態なのです。
テレワークになると途端に「空気」を生成できなくなります。そのため「相手の様子がわからない」、「自分の真意が伝わらない」、「モニター越しでは何を考えているのかわからない」といった不満が生まれます。
不満を抱えたまま仕事を進めることはストレスを生じ、その結果生産性を下げてしまうことになります。特に管理職にとっては「部下の様子」が伝わってこないことが最大のストレス要因になります。
組織とは、チームで仕事をこなすことで、単なる個人の力の足し算を超えた大きなパワーを生み出す仕組みです。組織の生産性を上げるためには、メンバー同士の理解や意思疎通を円滑にすることが必要です。
テレワークでは幻想の共有はできません。むしろ「できない」ことを利用することが大事なのです。つまり、メンバー全員が「空気」が幻想であるということを明示的に認めてしまうのです。
その上で、通信によって伝わる言葉や画像、文章の「量」を思い切って増やし、幻想ではない実態の伴ったコミュニケーションを作り上げる努力することです。意思疎通は、質より量であると信じましょう。
テレワーク成功の秘訣は「職場にいる時よりもたくさん話す!」これに尽きます。