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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

2010-06-04 09:44:14 | 日記
 腑に落ちる、と言う言葉がある。言葉が、咀嚼され(「咀嚼」と言う漢字はなんと難しいことだろう!ホワイトボードにはなかなか書けない。なるほど両方とも口へんだ。おっと失礼、話がそれました)納得できる形になって体に染み渡って行く。言葉も食物と同じように消化され血や肉になる。一瞬で腑に落ちる、ということはまれだ。あることについて絶えず考えている場合は、つまりあることが飲み込めなくてもぐもぐ反芻(はんすう)している場合だと、ヒントになる言葉に出会うとストンと腑に落ちることもあるが、普通は早くて数時間から数日、長ければ数ヶ月から数年かかる場合もある。

 ある言葉を伝えた人と伝えられた側の人の間に、ある期間、物事の捉え方のギャップが生じる。この期間にドラマが起きたりする。人は腑に落ちないと本当の意味で自分の気持ちを形作れない。

 例えば、NHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で女房の布美枝が子供ができたことを考えに考え抜いた末に夫に告げると、経済的に立ち行かなくなっている夫は「子供はたいへんだぞ」と即応する。自分に子供ができた、と言う言葉の意味が夫の水木しげるの腑に落ちていない時の反応なのである。その後、数日かけて言葉の意味が腑に落ちたしげるは優しい言葉で布美枝をいたわることができたが、それまでの間、布美枝は子供ができたことを喜んでくれなかった夫を理解できず家出のまねをしてみたりする。
 いきなり海外赴任を言い渡されたり、いきなり娘が同棲すると言って来たりすると、なかなか言葉が腑に落ちない。言われた言葉に自分の心が正しく反応するまでには、少し時間を要する。ところが言葉を口にしたほうは、前もって時間をかけて準備した言葉だったりするので、会話はかみ合わない。心から話している人と、腑に落ちずに頭で話している人の会話になる。

 何かを大きく変えようとする人は、変えようという思いを口にした瞬間に伝えたつもりになってはいけない。伝えた言葉が相手の腑に落ちるまで待ち、どのように理解してくれたか確認して次の手を考えていく必要がある。しかし、ある程度時間を置いて確認してみると腑に落ちるまでゆっくり咀嚼してくれておらず、言われたことをまったく覚えていない、などという、こちらが考えていたこととはまったく異なる反応に驚く場合もあるから注意が必要だ。

 こうしよう、と決心したことは、ある程度の期間を置いて、繰り返し伝えたほうが良いだろう。決心した本人もある程度期間を置くと、ぐらついたり、どんな決心だったか忘れてしまっているかもしれない。決心は自分ひとりの胸においておくより、別の人に語って、聞き手の腑に落ちた時、強固になる。しかし、一定期間を置いて確認したとき相手が間違った聞き方をしていたり真面目に受け取っていないと感じたときは、相手を責めてはいけない。おおかたの場合、決心の伝え方がうまくなかったのだ。そう考えたほうがいい。
 相手の腑に落ちないなら、伝えるための言葉選び、ジェスチャー、声のトーンや繰り返しなど、自分の伝え方を反省してみるべきだ。

 自分の気持ちをうまく伝えることができ、相手も同じ気持ちになってくれたなら、人生は楽しい。


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株式会社ジェイエスピー
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