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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

赤い星への旅

2013-06-24 08:26:45 | 日記
 ソフトウェアの世界で確立されたオープンソースという考え方は、やがて世界の枠組みを変えることになるのだろうか。どこかの国家や企業の思惑とはまったく関係なく、この地球に暮らす全ての人に広く公開されたプログラムを個人個人のアイデアや良心によってよりよいものに変えて使っていく仕組みは、いまやソフトウェアだけでなく様々なモノづくり枠組みづくりの世界に応用され始めている。
 
 マーズ・ワンという組織が始めた試みも、この考え方に近い。宇宙に向けてロケットを飛ばすなどという偉業は従来はそれこそ「国家の威信」そのものだった。だったと過去形で言うのもはばかられるほど今もその傾向は強い。しかし、このNPOは国家とは全く関係ない所で金と人を集め、火星に移住する計画を進めている。
 
 発想の原点は宇宙への好奇心だ。未知な世界への冒険心を失っては世界の発展は無いと考えるオランダの実業家が開始したそうだ。考え方が面白いのは、これから先新しい技術を自分たちの手でどんどん開発して火星を目指そうというのではなく、今すでに出来ている技術をうまく統合して火星を目指そうという方式を取っている点だ。そのために、出来ないことは出来ないとはじめからハッキリ言ってしまう。正直にハッキリ言ってしまった上で、一緒にやりませんかとネットで募集する。最大の出来ないことは、最初に火星に行った人は「帰れない」ということだ。帰るための資源と技術が現時点では無いのだ。第1陣が火星で暮らし始めて10年もすれば、それらの人々が地球に帰りたいといえば連れて帰れるだけの宇宙開発が進む可能性はある。しかし、地球の重力の4割ほどしかない星で10年も暮らしてしまった人が地球の生活に復帰できる見込みは薄い。
 
 マーズ・ワンの計画では今から3年後の2016年から少しずつ移住に必要な物資を送り始め、10年後の2023年には4人のチームを第1陣として送り、その3年後の2025年には第2陣を送ることになっている。遠い未来の話では無く、もうすぐ先の未来の話しだ。このすぐ未来の話しに片道切符でもいいから自分を行かせて欲しいと立候補した人達が募集開始から2週間で7万8千人を超えた、とマーズ・ワンは発表した。アメリカ人が最も多く2万人弱。ついで中国人が1万人ほど。ずっと離れてイギリス人が3500人ほど。気になる日本人は、ホームページで確認してみると現在6人。ただし、真面目に応募しているのかどうかわからない人もひとりいる。この数字をどう考えるかは別にして、世界には8万人近い冒険心旺盛な人々がいることに驚く。
 
 火星を目指しているのは、もちろんこのNPOだけではない。中国がまさに「国家の威信」にかけて動き始めているし、シェールガス革命で産業の好循環を手にしようとしているアメリカも負けてはいまい。火星を目指すレースは、おそらく世界を活性化し小さな枠の中でしか考えられなくなってしまった人々の視野を拡大するのに大きな貢献をするだろう。だがそれだけでなく、大きな何かを成し遂げようとするために、国家という枠組みが無くても可能なのかもしれないという、これまでにない発想の種を広くあちこちにばらまくきっかけになりそうな気がする。種はいずれ芽を出し、大きな変化を生むに違いない。期待したい。(三)
 

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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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