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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

プライバシー

2013-06-17 11:14:29 | 日記
 視線の動きを感知するセンサーを使って画面の切り替えを行うスマートフォンが販売されると言う時に流れたニュースの一コマに、視線は人の心の動きそのものなのであるからそれを記録し分析するシステムが世の中に出回る前に、これまで以上にプライバシーが侵害される危険があることを十分に認識した議論が行われなければならない、という大学の先生のコメントがあったのを覚えている。
 
 買い物客の視線の動きを分析することによって、陳列棚のどのあたりに視線が集中するのか、どのあたりに長時間視線が停滞するのか、正確にわかるようになるという。ライトや店内の配色等によって視線がどのように変化するかなどもリアルタイムにわかるようになるのだろう。周囲の環境をコントロールすることによって、ある程度は買い物客を買って欲しい物に誘導する方法も確立されてくるかもしれない。企業は視線が釘付けになるようなデザインの製品を開発し、より見やすい位置に置こうとするだろう。
 
 もちろんシステム開発にも応用されるだろう。個人の趣味嗜好に合わせて画面を構成する機構をパーソナライズと呼んでいるが、これまでは購入した製品やサービス、クリックしたページなどを基にこのパーソナライズが行われていた。しかし、視線の動きが分析されるようになると、視線が集中したもの長時間眺めたものに、興味があると捉えられてWebページがパーソナライズされてくるかもしれない。
 
 軽量パソコンをメガネ型に加工しメガネレンズの部分に情報を投影しようという昔のアニメやSF映画で見たような製品が実験されている。音声でパソコンに指示を出し、必要な情報をメガネレンズに投影させる。携帯電話をいじりながら歩いていたために段差を踏み外したり、前から歩いて来た同じような人とぶつかって転んで怪我をしたりといったことが日常的に起きている状況を考えると、前は向いている状態は確保できるだろう。もし多くの人が利用するようになり、改良が進めば、業務システムとして利用する企業や組織も現れてくる可能性がある。現時点でイヤホンを付けて業務を行なっているホールスタッフやガードマン、警官などは任務エリアの状況情報を的確に把握するために早い時期に利用を開始するに違いない。

 ニーズはエスカレートする。視線や音声などではなく、もっとスピーディにもっとストレートに思った通りの情報を取得することはできないのか。このニーズに技術者たちがどのような答えを出すことになるのかわからないが、いずれは脳とシステムが直結する方式が編み出されるのではないだろうか。眼球を動かしてその先のセンサーでシステムを操作するのではなく、今隠れている画面の下の方の情報が見たいと思うだけで画面が上に向かってスクロールする方式。思うだけでシステムを動かせる方式へと進んで行くように思う。
 
 「思い」で、システムと繋がるようになったとしたら、その先に繋がっている未来のプライバシーとは一体どのようなものになって行くのだろう。目新しさ便利さ、そして効率。それらを貪欲に追求して現代の科学技術は発展してきた。まだまだ前進は止まらない。
 システムと人が限りなく近づいて行ったとしても、自分の利だけを求めて周囲を押しのけて進む生き方を前提にしたプライバシーではなく、ひとりひとりの前向きな気持が尊敬され家族や仲間と共に在ることの幸福を実感できるプライバシーを守って行ける世界であろうとすることがひどく大切なことであると思えてならない。(三)
 

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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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