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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

2013-12-02 09:00:00 | 日記
 受話器なり携帯電話なりに一生懸命話しかけることができるのは、その向こうに自分の話しを聞いてくれる人がいるとわかっているからである。ただの箱や板に向かって気持ちをぶつけるのは難しい。まして何もない中空に向けて心の内を明かすことなど普通ではない。

 100年前の人が現在にタイムスリップしてきたら驚くことは多いだろうが、あちらでもこちらでも何かに向かって話しかけている人がいる光景を見て驚くことだろう。今を生きているつもりの私でさえ電車を降りて改札に向かう雑踏の中で大きな声でそこにいない誰かに話しかけている人を見ると驚いてしまう。携帯を手に持っているわけでもなく、マイク付きのイヤホンで電話しているのだろうと察するが、やはり違和感は小さくない。

 ところがこれからはウェアラブル端末の時代だという。メガネ型だ腕時計型だと今は言われているが、思いもよらない形の製品が世に出てブームになれば世の中は一気に様変わりするだろう。両手がしていることと話していることが一致しているとは限らない日常があたりまえになるに違いない。目の前で誰かと話しながら、ウェアラブル端末を通して世界のどこかにいる誰かと別の話題で情報の交換をしているということも可能になる。歩きながら、電車に乗りながら、料理を作りながら、洗濯物を干しながら、授業を受けながら、仕事をしながら、遠い誰かと、それもひとりでなく複数人と音声に限らず様々な形式の情報交換が可能だ。人生の大切な選択の瞬間も、その瞬間を共有する誰かの言葉によって決定することになるかもしれない。自分は一体誰なのだろうと思うような出来事がしばしば起こるに違いない。

 ウェアラブル端末と、例えばiPhoneのSiriのような自然言語インタフェースを持つシステムとが進化すると、話しかけている相手は必ずしも人間とは限らない状況がそう遠くない将来に出現するだろう。ドコモのCMが見せているように、携帯というかウェアラブル端末の向こうに自分のバディシステムが存在する時代がすぐやって来るのではないか。映画ターミネーターなどでは、機械の体を持つアンドロイドやロボットが未来世界を席巻していたが、実態はもしかすると体を持たないアンドロイドの登場のほうが早いのではないか。記憶の補助や知識の補助だけでなく、生活に役立つ情報の提供や様々な相談に乗ってくれる存在として生涯を通して付き合って行くシステムが登場して来る予感がある。
 
 われわれが100年後にタイムスリップすると、誰もがコンピュータシステムの相棒、バディを持ち、そのバディシステムと絶えず情報交換しながらひとりで笑ったり泣いたりする不思議な光景を見ることもあり得る。

 だが今も100年後も、話しを聞いてくれる人やロボットがいるから話しをするのであって、聞く耳を持たない人やロボットに話しをしたいなどと誰が思うだろうか。
 何の解決策も生み出さないとしても、熱心に聞いてくれるなら、相手は人であってもロボットであってもいい。わが社のミッションには、仲間との共感と創る楽しさを伝える、とある。聞く耳を持つ者に共感は生まれる。共感がないところには楽しさも希望も無い。よく聞き、よく話す。方法は様々に変化しても、これがうまく生きる大切な極意の一つであるのは間違いない。ずっとそう理解してきたはずであるのに、立場が変わるとそのことを忘れてしまう人も多い。火を吹いているシステム開発プロジェクトではマネージャーの聞く耳の有無を口にする人が多い。
 
 聞く耳を持っていないとわかると、人は相手が人間であっても話しをしたいとは思わなくなってくるだろう。聞く耳とは理解する努力のことだ。熱心に聞く、とはつまり理解する努力を続けながら聞くということだろう。そう考えるとロボットには少し荷が重いか。(三)
 
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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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