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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

記憶の記録

2013-12-16 09:00:00 | 日記
 24時間自分の見たもの聞いたもの感じたものを記録できる装置ができたら人はどういう生活を送るようになるだろうか。しかも、視点は自分目線だけでなく他者からの目線で、その時の自分を振り返ることができるとしたら。

 過去を変えることは出来ない。が、振り返ることはできる。録画した番組を見るように記録した記憶を巻き戻して、その瞬間、自分は何を言ってしまったのか、何をやってしまったのか、細かに分析できるとしたら、人は賢くなるのだろうか。

 ウエアラブルなコンピュータが当たり前になり、どこにでもカメラやセンサーが存在する世の中になると、人の行動は丸々記録されることになって行くだろう。記憶の記録である。

 一般の人が人生の中で記憶の記録を上手く使うには、記憶を簡単に検索できる機能が必要だ。記録された記憶を見直すために生活した時間と同じだけ時間をかけなければならないのでは無駄が大きすぎる。必要な部分をいくつか検索して、まずダイジェストで見直しできる必要があるだろう。検索を有効に行うためには、その瞬間にどのような感情を持ったかを記録できると便利だ。人の記憶と、そこは変わらない。
 記録のタグ情報として、感情を利用することができる。楽しい記憶、悲しい記憶、しまったと感じた記憶。後に、これらの感情をキーワードに記録を検索できれば、これからやろうとすることのイメージトレーニングは、より充実するだろう。同じ失敗を何度も繰り返したい人などいると思えない。

 ところで、記憶の記録のような大容量データは一体どこに取られるのだろうか。誰が運営しているかわからない、どこかのパブリックなクラウドで行うのだろうか。そうだとすると自分の死後、そのデータはどのように扱われるのだろう。いや、生きている間にも誰かと共有したりされたりすることはないのだろうか。記憶の記録が改ざんされる可能性は十分にある。ならばコピーしてバックアップを取っておきたくなるが、内容の異なる複数の記憶の記録のうち、自分の記憶と同じなのは、つまり真実の記憶はこれだとどうすれば言えるのだろう。

 記憶の記録が一般的になると、文字を使って伝えられてきたこれまでの文化や伝統は、その祖となる人物自らの記憶の記録や教えがそのまま残る新しい形に移行することになるだろう。元となる記憶の記録を編集して新しいストーリーを付加したもののダイジェストが小説と呼ばれるものに変わって行くかもしれない。文学や電子書籍のあり方も大きく変わる。尊敬する誰かの人生の記録を繰り返し見直して同じように生きる方法を学ぼうとする人も現れるに違いない。いわゆる「伝記」そのものだ。学問のあり方も変わって行く。

 人の命の終焉とともに、その人の記憶が消えてしまわない世界が到来すると世界の有り様は根本から大きく変わるだろう。しかし、あまりに大きな変革であるためにそれがどのようなインパクトを与えるのか想像するのは難しい。しかもそういう世界を豊かで夢のある世界と呼んでいいのかどうか、怪しい気もしている。(三)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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