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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

何となく

2014-08-28 09:56:59 | 日記
 「何となく」心配、というぼんやりした気持ちが多くの人達に蔓延すると「何となく」はとても何となくとは言えないような結果を伴って世の中を動かすことになってしまうのが、ここ最近の経済の動きだ。景気が少しずつ右肩上がりになって行くと、この「何となく」心配の種があちこちで芽を出す。ほーら、アルゼンチン、ほーら、ウクライナ、ほーら、エボラ出血熱。次から次へと心配の種は尽きない。

 ところが不思議なもので、元が「何となく」心配だったために、その筋の人が現れて「心配ありません」と話すだけで心配の種は急に心配ではなくなってしまう。別の心配の種が現れて、多くの人達の心配は新しい緑を求めるイナゴの大群のようにそちらに移って行く。右肩上がりに伸びているからこそ起きてくる現象かもしれないが、長く過酷な自然の中で暮らしてきた人間が、このまま良い状況がいつまでも続くわけがないと感じるのは本能的なものだろう。

 要するに「何となく」心配するのがクセになっている人が多いということだが、中には「何となく」ではなく本格的にしっかりした理由を持って将来を心配している人もいる。そのしっかりした理由も、その筋の人が「心配ありません」と語るだけで聞く耳をもってくれる人がいなくなってしまうから「何となく」心配する人達は手に負えない。その筋の人、と言うのもまさに「何となく」その筋の人なのであって、本当にその問題に精通したプロ中のプロであるかどうかはわからない。むしろ精通していないからこそ自信を持って「心配ありません」と言えるのではないかと思うことのほうが多い。

 「何となく」心配する人達の多くは技術の進歩や世界の変化を肯定しながらも自分自身の生活や利益獲得の方式が変化することを望んでいない。だから、「あなたが変わらなければこの危機を乗り越えることはできない」などという言葉を話す、本当にしっかりした理由で将来を心配している人の言葉より、「心配ありません」と言ってくれるその筋の人の言葉を快く受入れる。何を隠そう私もまさにその一派だ。要するに安心していたい。「何となく」心配はするが「本格的に」心配するだけの力が足りない。

 さて、ここでわれわれの業界の今後の見通しに関する話しだ。東京オリンピックが行われる2020年までは右肩上がりが続くだろうがその先は厳しい、という人や、いやそこまで保たない、という人がいる。いつまで保つかは別にして、ガクンと右肩下がりの状況が訪れることは間違いない、と「何となく」ではなく「本格的に」心配しているようなのである。

 多くの産業が業態を変化させ、その結果人件費の安い国外に出て行って空洞化を招いた業界もあるほどバブル期以降日本の産業は柔軟に形を変えてきた。その中にあって、世間で言ういわゆるIT業界とは縁が濃い方ではない中小のソフトウェア開発人材を抱える企業のほとんどは、全くと言っていいほど業態を変化させずにここまで来てしまった。生きた化石企業ばかりだと言っても良いだろう。そんなシーラカンス企業もいよいよ変化しないと生き残っていけない時期に来ているという。

 誰かその筋の人が「心配ありません」と言ってくれるのを「何となく」待つという手もある。変化する道を選ぶという手もある。(三)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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