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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

狙い撃ち

2015-05-11 08:21:57 | 日記
 日曜の夕方にはサザエさんを見る、というご家庭も多いだろう。あぁ明日からまた仕事かと、その頃合いになると急に鬱々としてしまう人たちを指して、かつて「サザエさん症候群」と呼んだこともあった。

ちょうどサザエさんと同じ時間に「夢の扉+」という番組が放送されていて、私はほぼ毎週そちらを見ている。毎回最先端の技術や発明に取り組む方々を取り上げ、努力と夢を追いかける姿を間近に見せてくれるため、彼らの成果が作り出す未来が待ち遠しくなる番組だ。

 その「夢の扉+」で少し前に新しいがん治療を紹介していた。治療法の名前はBNCTと言う。がん細胞内部に多く吸収されるホウ素化合物を投与した人に中性子線をあてると、中性子がホウ素と核反応を起こして細胞1個の範囲より小さな爆発を起こし、がん細胞を殺してしまう。正常細胞はほとんどホウ素を吸収しないので中性子線はただすり抜けて行き無害だと言う。
 
 脳腫瘍のように手術では簡単に切り取ることが出来ないがんの治療には非常に有効だ。番組の中で成功事例を紹介していたが、巨大な脳腫瘍が中性子の照射1回で数カ月後にはかなり小さくなっているのを見て驚いた。

 がん細胞だけを狙い撃ちする技術として、粒子線治療がこれまで進歩を続けてきた。加速器で高速に加速した粒子線を狙ったがん細胞に向けてスナイパーのように打ち込む技術だった。ところがBNCTは精密な射撃の腕を必要としない。ある程度狙いを定めれば中性子が勝手にがん細胞の中にあるホウ素をめがけて飛んで行って反応を起こしてくれる。しかも、広範囲に。
 
 BNCTに使われる中性子は原子炉で発生させたものを使って実験が行われてきたが、この技術の有効性が確かめられたことによって、原子炉などという大掛かりな施設でなく、専用の小型加速器を開発する研究が進められ、実用化されつつあるようだ。
 
 誰でも安価に治療を受けられるようにもっと技術が進歩してくれれば良い、と思っていたところ、番組の数日後にBNCTと似ているがさらに身近な、近赤外線を使った治療法がアメリカで臨床試験に入るというニュースが流れた。
 
 アメリカの国立保健研究所という所の研究なのだが、これを進めている主任研究員が小林さんとおっしゃる日本人だから驚きだ。BNCTと方式は似ている。まず始めにがん細胞だけに張り付く抗体を投与し、その抗体めがけて近赤外線を照射する。抗体には近赤外線があたると熱を発する化学物質があらかじめ仕込まれており、高熱を発してがん細胞を焼き殺す。
 
 がんが発症すると生成される腫瘍マーカーやマイクロRNAを血液検査だけで早期発見しようという取り組みが昨年度、国の予算を使って大々的に始まっている。これが実現すれば、どこでも簡単にがんの早期発見ができる。血液検査が出来なかったなどの理由で発見が遅れてしまい発症してしまっても、がん細胞を狙い撃ちで撃退することができる。そんな二段構えの心強いシステムが用意された社会がそう遠くない将来実現しそうだ。と言ってもまだ10年はかかるだろうか。待ち遠しい。(三)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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