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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

重荷

2015-09-10 08:30:56 | 日記
 カボチャは漢字で書くと南瓜と書く。本来は畑の西のはずれに、この南瓜を植えたはずだった。

 順調に育った南瓜のツルは、今にもシンデレラ姫の馬車に変化するのではないかと思うほど太く長く伸びた。花が咲き実を結び、大きな緑色の南瓜がたくさんできて喜んでいた。

 ところが、急に秋になったある土曜日の朝、カボチャだったはずのその巨大な塊は、トウガンだったことが判明した。トウガンは、冬瓜と書く。南瓜と良く似ているではないか。

 が、明らかに南瓜とは違う。長く放ったらかしてしまった結果、いやにデカイ。どことなくヒョウタン(瓢箪)に似た風貌だ。これがカボチャであるはずがない。(実はその後、さらに冬瓜でもなく夕顔ではないかという疑惑も出ているが、今回は冬瓜だったと決めつけて先に進む)

 自分たちが作ってしまったものは、自分たちでなんとかする、という当たり前のルールにのっとって、その日、畑仕事に参加した連中には、この瓢箪もどきの巨大トウガンが配給された。

 重い。入れた袋の持ち手の部分がずっしり指先に食い込む。電車を二つ乗り継ぎ、小高い丘を登って家に帰り着く頃には、指先が痺れ、もう何もかも放り出して自由に生きてやる、と思わず叫んでしまいそうなほどトウガンの重さが指を腕をきしませた。

 そんな時は同じことを繰り返し考え続けるものだが、その時は運んでいるトウガンが何キロなのか、そればかり考えていたかもしれない。

 で、帰宅するや、体重計にそろりとこの大きな黄緑色の物体を乗せる。5キロだった。あれ?もっと重かったような。数値化すると現実は急に味気ない。

 やれやれ、重荷は気持ち次第、ということか。

 周囲に付いていた泥を洗い流し、さあ切ってやる、食ってやるぞと包丁を突き刺してみたが、歯が立たない。まるで金属の外皮に覆われているように硬い。

 かくなる上は、と工具箱からノコギリを引っ張り出してきてよく洗い、ゴキゴキと始めること10分。汗だくになってようやくパカンと。大変な収穫物である。

 トウガンの種は、人間の歯に似ている。色も形も人間の歯のようなものが、割ったトウガンの中央部に密集している。これを見ただけでかなりげんなりしてしまうが、ここまで来たら逃げ出すわけにいかない。厚い表皮の内側の大根のようなカブのような果肉の部分に包丁をめった刺しにして、まず中央の種の部分を取り外し、周辺を少しずつ切り取る。後日同じような努力をした社員に聞くと、皮が厚く種の部分が多くて「食べるところが無かった」と言っていたが、私が持って帰ったヤツはかなりの量を切り取ることが出来た。ただし、実の半分を攻撃するだけで精根尽きた。
 
 切り取った一部はすぐさま塩もみして浅漬けに。残りは鶏肉と一緒に煮ることに。
 
 浅漬けは大根のようなカブのような感じそのままだったが、大根やカブのほうがずっといい。鶏肉と一緒に煮たほうは食べられなくも無かったが少しどろっとさせすぎた。

 冬瓜の名誉のために言っておくが、本来冬瓜はこんなに皮が厚くなるまで放置しておくものではないらしい。旬な時期に収穫して食べれば、おいしい野菜なのだ。
 
 何事も旬があり、旬を超えると美味くない、ということだろうか。(三)
 

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