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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

月見

2016-11-14 08:24:19 | 日記
 地平線近く、木々の間に見える赤い月は空にぽっかり浮かんでいる時に比べ、とてつもなく大きく見える。これは対比するものが近くにあると大きく見えてしまうという脳の中の錯覚が引き起こす出来事だが、今日の月は錯覚ではなく本当に大きく見えるらしい。地球を回る楕円軌道の最も近い位置にあり、その距離もここ数十年で最も短いそうだ。
 
 当然いわゆる潮汐力も強い。地球表面に溜まっている一触即発のエネルギーは月の引力にぐいぐい引っ張られてパチンとはじけてしまったり、引っ張られていた時は何とか耐えたのに引っ張る力が急に弱まったところではじけてしまったり、いずれにせよ何か関係がありそうだという研究成果が発表されている。過去の地震発生と月の動きを綿密に調べた結果だという。もちろんきっかけは様々考えられるだろうから、その1つとして確率的に高い、ということだろう。
 
 私たちは固い大地の上に住んでいる、という感覚があるが、実際には水で膨らませたゴムボールのようなもので自転の遠心力でボヨンと赤道付近が広がったり、潮汐力に引っ張られて伸びたり縮んだり大きく波打ってボヨボヨ動いているのが地球表面の姿だ。その柔らかな球体の表面を覆う薄皮が、とある溝から湧き出て、とあるところで地表から地底に沈み込んでいる。生き物のようにも見える、このボヨボヨ動く地表に住んでいれば、たまに大きな振動が起きるぐらい大したことではないわけなのだが、残りの一生の大部分をローンにあててささやかな住居を得ている身にとっては是非とも平穏に平穏にと願わずにはいられない。
 
 20世紀にはまだススキの穂の向こうに月を眺める月見の風習も色濃く残っていたと思う。しかし今や、のんびり空を見上げるゆとりが無い。絶えず繋がっている誰かの発言を気にしてスマホをチラチラ眺めながらの月見となる。それが月見なのか、いつものスマホ見なのかわからない。そんな月見の人も多いのではないだろうか。
 
 今そこにいない誰かとの関係性を月を見上げながら淡く、または強く感じたり考えたりしながら自分の中に深く入り込む風習だった月見が、いつもと同じように切れることなく繋がっている日常の時間の中に埋没してしまったのは残念だ。いや月見だけではない。多くのイベントが非日常を十分に演出し切れない。手元にあるスマホがそれを許さない。もったいない。せっかくのスーパームーンを見上げる今夜は、スマホをどこか手の届かない所に置いて、もうボーっとひたすらボーっと時空をさまよう旅に出てみてはいかがだろうか。月の引力が不思議な力を与えてくれるだろう。だが、関東は今夜雨か曇り。結局、スマホで月の画像を見る月見になりそうだ。(三)
 

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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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