もともと2020年あたりから大きな変化が来るだろうことは大方予想がついていた。しかし、現実は予想の遥か上を行った。今思い返せば例えば2017年頃の業界の様子はなんと牧歌的だったことか。いや、のんびりし過ぎていて、一連の変化が起きてからもまだ同じような調子でいたことを白状しなければならない。先を見通すことをビジネスの基本と考え、それをある種の自慢にもしてきたのだが手を打つ余裕などないほど変化は速かった。
アウトソーシング費用を削減するために役立つのでは、と金融系事務処理の現場にお試しでAIが投入されたことが発端だった。現場の業務担当者がシステムをうまく使っていく能力にたけていたのも事態を急速に変化させる要因だったかもしれない。大した時間もかからず業務全般を覚えたAIは、アウトソーシングを不要とした。成功事例にならい、別の業界にもAI事務職員とも呼べる学習システムが次々に導入され、それに伴って企業ごとにカスタマイズされた業務処理システムの意味合いが急速に薄れ始めた。ソフトウェア業界への業務処理システム開発やカスタマイズの発注は一気に減速し、やがて枯渇した。
その上、本格的に生産性を高めるソフトウェア開発ツールが自然言語処理の高度化と相まって後から後から世に出た。死語になってしまったかに思われていたEUC(エンドユーザーコンピューティング)という言葉が再び脚光を浴びることになった。しかし、ここまでの変化をもたらしたのは業務を覚えたAI自身がEUCツールを使って自分の仕事を助けるプログラムを書き始めたことだった。もちろん、それが可能なようにシステム化したのは人間ではあったのだが。
それからわずか数年で、あらゆるソフトウェアはソフトウェア自身が書くようになった。ソフトウェア自身が書いたプログラムは、開発期間がとてつもなく短い上にバグがほとんど含まれない。そのために人間が開発するのに比べ費用が極端に少なくて済む。2年3年かかるのが当たり前だった銀行の統合システム開発の仕事をAI事務員と数人の銀行員のみで、わずか数か月で完了させたことが当時大ニュースになったりもした。しかし、それとて改善が進み、今ではかなり大型のシステムであっても数時間以内で稼働可能となる。今やコンポーネント部品の一つ一つが自律的に協調して動く。まるで知能を持った生き物のようなソフトウェア部品を繋ぎ合わせればほとんどあらゆる事象に対応する。しかも総合的なテスト実行シミュレーションも並行して高速に実施できるため運用開始後に何か問題が出ることもない。
この変化により、簡単にAIに置き換わることもないだろうと思われていたソフトウェア開発者達は一気に仕事を失った。ただプログラムが書けるだけのソフトウェアエンジニアは急速に居場所を失い、業界も急速に収縮した。
時代は変わる。環境に適応して変化できないものは生き残ることができない。大昔からずっと語られ続けて来たこの言葉の真実を切実に学ぶのは、変化できなかった者たちだけなのだろうか。
2027年7月(三)
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