じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

東野圭吾「白鳥とコウモリ 下」

2025-03-31 17:22:13 | Weblog

★ 年度末。何となくバタバタしながら月日が過ぎていく。ふとテレビを見るとコメの話題。「消えた23万トン」だという。投機目的で誰かが抱えているのか。そもそもが農水省が把握している生産量が違っているのか。謎だらけだ。

★ 12年に一度の東京都議選、参院選が行われる年。政府は「強力な物価対策」を行うそうだが、はたしてどれほどものか。トランプ大統領の自動車関税の影響か、東京の株価は大きく値を下げている。トランプ恐慌になってしまうのか。

★ そんなことを考えながら、東野圭吾さんの「白鳥とコウモリ 下巻」(幻冬舎文庫)を読み終えた。この作品も面白かった。特に下巻の中盤からは一気読みの勢いだった。

★ 東京である弁護士が刺殺された。容疑者はすぐに浮かび上がり、自供を得て早々に事件は解決かと思われた。ところが、容疑者の息子と被害者の娘が、共にその結果に納得ができなかった。

★ 立場の異なる二人が真相を求め動き始める。そうすると30年前の事件が見えてきた。

★ 被害者と加害者の家族。東野作品には時々登場するが、どちら側も生活が一変する。それに心無い野次馬のバッシング。人間の心の闇を感じる。

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乃南アサ「免疫力」

2025-03-30 17:05:37 | Weblog

★ 春の甲子園が終わった。以前は4月上旬までやっていた気がする。好天にも恵まれたか。いよいよ桜前線が急上昇。新学期、入学式の春が来る。

★ 塾の方は、新年度に備えて時間割の組み換え、教室割、テキストの手配など忙しい。1年が終わるとまた1年。2025年度も頑張らねば。

★ さて今日は、乃南アサさんの「禁漁区」(新潮文庫)から「免疫力」を読んだ。組対の警察官が懇意にしている組事務所を訪れた。昔気質の組長から姪っ子が白血病で、可愛そうでという話を聞き、ある薬を紹介してやる。

★ 警察官の息子も悪性の病気で、一時期は覚悟を決めたが、ある薬を試したところ回復したと話したからだ。

★ 最初は親切心からだった。組長の姪っ子も徐々に回復に向かっているようで、それはそれで良かったのだが、組長はその薬を他にも紹介してやりたいと言い出した。人助けになるならと同意した警察官。

★ しかし、警視庁内では警察官が商売をしているとの噂がささやかれ、監察が動くことに、という話。

★ 警察官も組長も最初は親切心から始めたことだが、カネが入り始めるとおかしくなっていくのは世の習いか。

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伊坂幸太郎「吹雪に死神」

2025-03-28 20:59:48 | Weblog

★ 好天の後の寒気。急激な温度差に体が悲鳴を上げそうだ。春期講座4日目。前半戦が終了といったところ。退塾する子、新たに入塾する子。この時期は人の行き交いが多く慌ただしい。

★ さて今日は、伊坂幸太郎さんの「死神の精度」(文春文庫)から「吹雪に死神」を読んだ。吹雪に埋もれるかのような山荘に集まった人々。ほぼ密室状態で、連続殺人が起こる。

★ よくあるシチュエーション。名作「オリエント急行殺人事件」へのオマージュともとれる。本作の面白さは、このオーソドックスな物語に死神の視点を入れているところだ。

★ 物語を読んでいくと、死神の方が善人に思えるから不思議だ。本当に恐ろしいのは人の方かも知れない。

☆ 今期のテレビドラマ。「相棒」は別格として、「ホットスポット」と「アイシー」が面白かった。

☆ 「ホットスポット」は、宇宙人、未来人、超能力者、タームリーパーが入り乱れた奇想天外なストーリー。それでいて現実味を感じるのは脚本の技と俳優陣の演技力だと思った。

☆ 「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班」は、わりと小ぢんまりとした刑事ドラマだったが、捜査主任(波瑠さん)の熱演が印象的だった。「ホットスポット」「アイシー」ともに山本耕史さんが出演されていた。続編があるような終わり方だったが。

☆ 「御上先生」は見ようと思いながら、見そびれた。どうも教育関係は身近なだけに避けてしまう。

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浅田次郎「帰郷」

2025-03-26 19:48:38 | Weblog

★ 春期講座2日目。今年は朝9時から12時までの午前中だけ。それでも、夜型の生活から朝型への切り替えは辛い。数日もすれば慣れてしまうだろうが。

★ ここ数日の陽気は心地よくもあるが、身体が馴染まない。今年は花粉症の症状が厳しい。年のせいだろうか。

★ さて、なかなか米の価格は下がらず、米に限らず、物価高に閉口する日々だが、終戦直後のことを思えば(実際に経験したわけではないが)、極楽のようなものだろう。

★ 浅田次郎さんの「帰郷」(集英社文庫)から表題作を読んだ。終戦直後、体を売ってその日の暮らしを支えている女性。復員兵らしき男性が彼女に声をかけた。

★ カネはあるが、邪な気持ちはない。ただ話を聞いて欲しいと男は言う。女性は奇妙な男だと思ったが悪い人ではなさそうだ。宿で男の話を聞いてやることにした。

★ 男は生い立ちから、召集され南方の戦地に送られたこと。部隊は玉砕したが、ジャングルを逃げ延び生還したこと。故郷の駅までたどり着いたが、そこでたまたま出会った親戚の男から、自分は既に戦死者として葬られ、妻は家を継ぐために弟に嫁ぎ、子を宿していることを知る。

★ 男は故郷に帰ることができず、上京してきたと語った。

★ 混沌とした極限の中で、たまたま出会った男女が下した決断は・・・という話だった。

★ 戦争は人の運命を容赦なく変える。先の大戦が終わって80年。私は平和の中で生きてきた。高度経済成長の恩恵にも与ってきた。このまま平和裏に生涯を終えることができればよいのだが。果たしてどうだろうか。

 

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柳広司「幽霊」

2025-03-24 17:36:33 | Weblog

★ 近隣の小中学校は今日が終業式。「あゆみ(成績表)」はどうだっただろうか。明日からの春休み、事故なく過ごしてほしいものだ。塾では春期講座が始まる。

★ さて今日は、柳広司さんの「ジョーカー・ゲーム」(角川文庫)から「幽霊」を読んだ。

★ 日中戦争が泥沼化する昭和15年頃。陸軍参謀本部は、皇紀2600年の記念祝典で爆弾テロが起こるとの情報を得た。どの集団がこの計画を立て、実行しようとしているのか。背後にイギリス総領事の影がちらつき、その真偽を探るため、スパイ組織「D機関」が動き出す。

★ D機関のエージェントはテーラーに勤める蒲生次郎という人物になりすまし、総領事の公邸に入り込む。総領事は白か黒か。この判断を間違えば、日英間の外交問題、更には戦争にも発展しかねない。

★ 物証を得るため、ある夜、蒲生次郎は領事館に忍び込む。

★ このストーリー、既視感がある。映画「陸軍中野学校」だ。映画では確か暗号ブックを盗むために領事館に忍び込んだような。映画では市川雷蔵さん演じる椎名次郎が活躍したなぁ。

☆ 共同通信の世論調査。内閣支持率の急落は予想通りだったが、私立高校授業料無償化に「反対」の声が大きかったのが意外だった。無償化といっても所得制限が撤廃されるということ。授業料とは以外に必要な費用がそこそこ高いこと。私学の便乗値上げの懸念。公立高校の存亡などを危惧してのことだろうか。

☆ 「サトウのごはん」が一部、販売休止とか。在庫米の放出で落ち着くかに見えた米不足。どうもまだまだ波乱がありそう。米が投機に使われているとか、外国資本の青田買いとか、いろいろと風評がささやかれているが、コロナ禍のマスク不足同様、不安心理から人々が買いだめに走っている面もある。

☆ 国内米が不足すれば外米に頼れば良いとか、コメがないならパスタやパンなど小麦製品に頼るなど、今秋の収穫まで腰を据えていれば良いのだが、右往左往は庶民の日常。政府が信用できないという状況もある。

☆ これで、不作となれば、本当に米騒動が起こるかも。政変の兆しか。財務省解体デモも不穏な動きだ。

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宮本輝「真夏の犬」

2025-03-23 16:21:14 | Weblog

★ 今日も好天、洗濯日和。朝は早めに起きたのに、ボーっとしている内にもう夕方が迫っている。

★ 今日できたこと。洗濯、風呂のカビ掃除、春期講座の予約表作成、昼食の買い物。これだけかぁ。

★ これからすべきこと。明日の授業の準備。春期講座の準備。新年度に向けた問題集の入れ替え。今年は中学校の教科書が改訂になったから、すべて入れ替えだ。少しずつ衣替えもしなければ。

★ 今日は、宮本輝さんの「真夏の犬」(文春文庫)から表題作を読んだ。昭和37年の大阪が舞台。主人公は少年。彼の父親は事業を興しては失敗し、借金まみれの日々が続いている。それがどういう風の吹き回しか、父親が大金を持って帰ってきた。

★ 知り合いがカネを出し合い広い敷地を借り、そこに解体のために廃車をプールする仕事を見つけたという。久々に輝く夫に、主人公の母親も幸せそうだ。ちょうど夏休み。少年には昼間、廃車の部品が盗まれないように監視する仕事が与えらえた。

★ 今のような冷却器具もなく、炎天を避けるには廃車となったダンプの下にもぐるしかない。ところが、昼飯時になると持参した弁当の匂いを嗅ぎつけてか、何匹もの野犬が群がってきた。

★ そのことを父親に話すと、父親は強力なパチンコをくれた。少年はそれで野犬を威嚇し、しばらくは退屈ながら平穏な時間を過ごしていたが、野犬も攻撃に慣れてしまったのか、パチンコ如きに怯えなくなった。それに数も増えてきたようだ。

★ さらに悪いことに、少年はダンプに荷台に女性の死体を見つける。どうやら薬を飲んで自ら命を絶ったようなのだが。

★ 絶体絶命。少年は大声で救助を求め、何とかその場は乗り越えたのだが・・・。

☆ 昭和30年代は野犬がいた。私も幼い頃、一人で外に出ると、野犬に襲われるとか「子取り」にさらわれるとかよく言われた。保健所がトラックで野犬狩りをしていたような(あいまいな記憶だが)。

☆ 都市部を少し離れれば、まだ舗装がされず、土ぼこりが舞うでこぼこ道が普通の時代だった。

☆ 天気が良いと花粉が舞う。目は涙目、鼻はムズムズ、それにくしゃみ。若い頃はこんなことはなかったのになぁ。体力が衰えたのか、環境が変わったのか。

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百田尚樹「幸福な生活」

2025-03-22 18:24:10 | Weblog

★ 雲ひとつない青空。桜の蕾はまだ堅そうだが、春が来た。今日は来訪者もなく、のんびりとした1日。

★ 百田尚樹さんの「幸福な生活」(祥伝社文庫)から表題作を読んだ。

★ 娘が結婚を前提につきあっている男性を家に連れてくるという。その到着を待つ夫婦。結婚して26年。それぞれの日々を振り返っている。

★ 妻は結婚と交通事故を節目に専業主婦となり、夫は信用金庫で大過なく30年過ごしてきた。2人の子どもにも恵まれた。ささやかながら幸福な日々を送っている。

★ 夫には一つだけ妻に言えない秘密があるが、それも彼の人生の彩のようだ。

★ ここまでは、昭和のホームドラマを見るようなのどかさだ。ところが、最後のどんでん返しにハッとする。

★ 「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんはすでに死んでいるとか、「ドラえもん」は植物状態ののび太の夢だという都市伝説を思い浮かべた。「サザエさん」は一家で事故に遭い、海に帰るといった話もあるねぇ。

★ さて、自堕落な生活を終え、25日からの春期講座の準備を始めよう。

 

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川上弘美「河童玉」

2025-03-21 20:58:38 | Weblog

★ 受験が終わり、時間的にはかなりゆとりがあるのに、こまごまとした仕事が相次ぎ、腰を据えての読書ができない。

★ 今日は、川上弘美さんの「神様」(中公文庫)から「河童玉」を読んだ。ファンタジーな物語。

★ 主人公と友人のウテナが寺で精進料理を食べた。ビールに酔ったのか、寺の柱にもたれてうつらうつら。眼前には、庭の池が広がっている。

★ その池から、声が聞こえた。やがて姿を現した。河童であった。その河童はウテナに恋の悩みの相談に乗って欲しいという。

★ 主人公とウテナの二人は、河童に導かれ池の中へ。河童の家に着いた。河童が言うのに、長年連れ添っている女河童との夜の営みが最近うまくいかないらしい。

★ 河童の世界で万病に効くという河童玉の座ってみても効果がなく、途方に暮れているという。

★ ウテナはこの河童にご託宣を述べるのだが・・・という話。

 

☆ テレビドラマ「アイシー~瞬間記憶捜査・柊班」が、なかなか面白い。第7話、第8話では、ライブ配信者の女性の遺体が発見される。自ら命を絶ったようにも見えるが、違和感を感じた柊班は捜査を始める。

☆ 柊班は、ライブ配信者に多額の投げ銭をしている人物に行き着く。

☆ 最近、ライブ配信者が刺殺される事件があったから、興味をひかれた。

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村上春樹「彼女の町と、彼女の緬羊」

2025-03-20 17:33:08 | Weblog

★ 天気の移り変わりが速くなった。温暖の差も大きい。寒さ暑さも彼岸までというが、さてどうやら。そもそもがこの「彼岸」は旧暦かな。

★ 高校の合格発表が終わり、大学、高校ともに全員、進学先が決まった。昨日は小学校の卒業式。年々派手になるのが気がかりだが、女の子たちの袴姿が美しい。入学から6年。あの小さかった子どもたちが成長した姿に、親御さんたちの感激も一入だったらしい。

★ さて今日は短い作品。村上春樹さんの「カンガルー日和」(講談社文庫)から「彼女の町、彼女の緬羊」を読んだ。

★ かつて中学、高校と神戸で共に過ごした同級生。今は東京、北海道と別れ、職業も作家、旅行代理店と違っている。物語は作家の主人公がその友人を北海道に訪ねた話。

★ 旅先のホテルで観たテレビ番組。それはローカル局のローカル番組。町の広報のような番組だ。減反政策が進む中、町は畜産に力を入れているという。エッセイのような小説だった。

☆ 昨今はコメ不足。一時は新米が出れば価格が下がると楽観されていたが、コメもまた投機の対象になる資本主義社会。生産高は増えているのに、出荷高は減っているとか。消えた21万トンとも24万トンとも言われている。

☆ 外国資本が青田買いをしているとか、JA以外の集荷会社がため込んでいるとか。どうもはっきりしない。

☆ この飽食の時代でなければ、かつてのような「米騒動」(暴動)が起こりそうだ。ここ数十年、コメを大切にしてこなかった反動が来ているのかも知れない。

 

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中村文則「ゴミ屋敷」

2025-03-15 15:49:18 | Weblog

★ 決まった予定がなく、久々にのんびりとした週末。

★ 今日は、中村文則さんの「世界の果て」(文春文庫)から「ゴミ屋敷」を読んだ。

★ 妻が不慮の事故で亡くなった30代の男性。あまりのショックでか意識を失い、動けなくなった。回復の兆候を見せない患者に病院は困り、各科をたらい回しした後、たった一人の身よりである、彼の弟に引き取ってもらうことにした。弟も兄の世話に困り、親の遺産を使ってヘルパーの女性を雇うことにした。

★ そんな男性がある日目覚める。訳の分からない言葉を発し、鉄くずを集めては何かオブジェのようなものを作り始めた。困惑する近隣住民たち。

★ そのオブジェもやがては崩れ・・・という話。

★ ある日突然、予期もしない状況に陥るといったカフカの「変身」のような始まり。その後は、安倍公房作品のような不条理感が漂う。

★ 男は何を作ろうとしていたのか。いや、それを問うこと自体、意味のあることなのか。日常と非日常が入り混じった作品だった。

☆ ところで国政は政局の動きか。予算案が成立後、内閣総辞職。新政権の下で、都議選、参院選という流れか。自民党は高市支持(旧安倍)派対反高市派(麻生、岸田、茂木)の構図か。反高市派は誰を担ぐか。茂木氏か林氏か。なんてことを考えた。

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