じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

都会の死角

2006-04-03 11:24:22 | 事件
★ マンションから小学生が投げ落とされ殺害されるという痛ましい事件が起こった。防犯ビデオの公開が功を奏してか、犯人は捕まったが、当初事故とも思われていた事件、またいくつ課題を提示している。

★ まず今回も「入りやすい」「見えにくい」場所で起こったということだ。誰でも立ち入ることのできるマンション、そして高層15階という死角。「犯罪はこの場所で起こる」の著書で有名な小宮信夫さんの指摘どおりの結末となった。

★ 「殺したいから殺した」、こんな歪んだ動機による通り魔的犯罪。これは一種のテロのようなもので、日常安穏に生活している人間にとってこれほど理不尽な犯行はない。しかし、そうしたテロ的なそれも病んでいるとしか思いようのない動機で起こされる犯罪に対して私たちはどのように自ら、そして子どもたちの安全を守ればよいのだろうか。

★ 犯罪防止のために近年防犯カメラが設置されている。確かにこれは犯罪の抑止に一定の効果はあるかもしれないし、また犯人の逮捕には役立つかもしれない。しかし今回のような歪んだ確信犯に対しては決定打とはならないことが実証された。仮に被害者が防犯ブザーなどを持っていても、あるいは作動させてもその効果には疑問がある。

★ やはり「入りやすい」「見えにくい」といった状況を変えていかざるをえないであろう。今後、同種の事件を防ぐにはマンションの管理体制の問題(入りにくくする)、また高層階からの投げ落としを防止する工夫(開放面を狭くするとか、何らかのカバーをするとか)、さらには故意にせよ過失にせよ、たとえ転落しても衝撃を軽くするような工夫(ネットをはるとか、地面に植え込みをつくるとか)ができないだろうか。

★ 耐震強度までが偽装され、コストが徹底的に削られるほど競争の厳しいマンション業界ではあるが、生命安全にかかわることなので、真剣に考えてもらいたい。住民にもお互いに顔見知りになるなどの努力も求められるが、近隣関係が希薄になり、また夫婦共に仕事を持つといった現実の中で、どこまで子どもたちに目が届くかは疑問である。

★ 今回はマンションでの事件であったが、今回のような通り魔的な犯罪は一戸建てでも起こる。例えば、子どもが1人で留守番をしているような家庭も危険であろう。テロ的犯罪を防ぐのは本当に難しい。
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