じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

指導力不足教員

2008-10-18 10:25:52 | 教育
★ 文科省は指導力不足教員の統計をまとめた。今年度は371人。内訳は7割が男性で、8割が40歳代、50歳代だという。

★ 「指導力不足」の中身はさまざまだろうが、371人の背後には多数のグレーゾーン教員の存在が想像できる。

★ 指導力不足教員はなぜ生まれるのか。①採用の誤り、②初任者研修の不備、③加齢に伴う職能の減退、④一身上の理由などが考えられるのではなかろうか。

★ まずは、採用の誤り。団塊世代の大量退職にともない昨今の教員採用は比較的広い門になっている。それでも、「デモシカ」時代に比べれば、ある意味「優秀」な人材(優秀さこそが落とし穴とも言えるが)が教員への道を歩んでいると思われる。大分県教委のようなズルは問題外として、採用する側の眼もかなり洗練されていると思う。

★ それでも、適性を完全に見抜けないのは、民間企業でもありうることだ。一定程度の見落とし、見誤りはやむをえない。ただ、指導不足教員の内訳を見る限り、若年層は比較的少ない。これはまだ可塑性があるとみなされたり、指導不足を指摘されてもそれを素直に聞き入れる姿勢がまだあるからであろう。

★ 初任者研修についてはかなり充実してきているのではなかろうか。ただ最初に配属される学校の態勢、周りの人間関係はその後の教員生活に大きな影響を与えているようだ。

★ 加齢に伴う職能の減退は最も大きな問題であろう。教員社会は極めて単線的な職階制が敷かれている。職務内容も同じことの繰り返しでマンネリになりがちだ。さらにキャリアを重ねるごとに、期待される職能が変化、拡大する。年齢を重ねるごとに生徒との年齢差が広がり、相互に意思疎通が難しくなる。年齢に応じた距離感を保つことが極めて大きなテーマとなる。

★ とりわけ、40代、50代のオヤジは生徒からは理解されにくい。中でも、管理職をめざすわけでもなく、授業の達人や生徒理解のエキスパートをめざすわけでもない、いわゆるただなんとなく教員を続けている教員にとって、生徒から投げかけられる心ない暴言や冷たい視線、父母からのクレームなどは、プライドを傷つけられ、教員を辞めたくても今さら辞められないジレンマに日々苦しむことになるようだ。

★ それが、意欲の低下、生徒無視、心を閉ざしてしまうことになってしまうのであろう。

★ 一身上の都合は健康への不安や家庭問題が考えられる。そちらに気がとられて仕事に身が入らないという状況だ。これはどの業界でもありうることだ。

★ 教員の高齢化が進む中、とりわけ加齢にともなう職能の減退は問題だ。単線的な職階制は逃げ道もふさいでいる。

★ 私は教員は40歳にハードル(40歳定年制)を設けるべきだと考えている。教員は40歳までに、学校経営者、スーパーティーチャー、カウンセラーなど今後教員を続ける上で自らの専門性を高める方向を決めればどうかと考えている。40歳を越えれば単純な年功賃金ではなく、職能に応じた給与体系を考えるべきだと考えている。同時に、教員人事をより流動化させる必要があろう。教員の転職を促進したり、私企業勤務経験者や他業種勤務経験者を採用したり、人材を流動化させることによって、学校や教育界を活性化させる必要があると思う。
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