★ 2012年度京都府公立高校の志願者数が発表された。
★ 昨年、多くの公立高校で「定員割れ」をした山城通学圏、今年度は第1志望で定員割れは木津高校のみ。若干狭き門となった。この背景には、中学卒業者が増えたにもかかわらず、公立高校の定員が増員されなかったこと、民主党政権がぐらつく中、高校無償化(私立高校進学者への就学支援)の継続が危ぶまれ、公立回帰が起こったと考えられる。
★ 今年度の制度的な大きな変更は前期入試(特色選抜)の定員枠が10%から20%に変更されたことである。東宇治、莵道、城陽、西城陽、久御山、田辺、木津、南陽の8校の総定員2120人に対し、すでに434人が内定を決めている。中期試験(一般入試)は残る1686席に、志願者1839人が挑戦することになる。(この他に、城南菱創高校の第2志望者が40人程度加わる)
★ 今年はおよそ150人が公立高校に進学できない。競争率は1.09倍。決して高い数字ではないが、3年前(1.13倍)、2年前(1.09倍)、昨年(0.99倍)と競争率が低下していただけに、「狭き門」の感じがする。
★ ただ、定員を超える城南菱創の第2志望者がいる一方で、当日の欠席者や公立を第1志望だけ、あるいは第2志望まで書き、第3志望の「どこでもいい」を選択していない受験生も相当数いるので、実質の競争率は若干下がる。
★ 個別に見ていくと、木津高校の不人気が顕著だ。昨年0.87倍と定員割れをしていたが、今年はさらに下がって0.65倍。木津の不人気は前期入試からもうかがえた。48人の募集枠に対して受験者が50人。定員割れが予想されても「木津には行きたくない」という意思の表れであろう。その背景はここでは詳しく述べられないが、「市場」という言葉を使うなら、消費者のニーズを満たしていないということだろう。学校改善に向けての取り組みが求められるのではなかろうか。
★ 一方で、公立難関校を敬遠する傾向もここ数年続いている。南陽高校はここ数年1.1倍程度(今年度1.13倍、昨年度1.12倍)だし、莵道高校は1倍を維持するのがやっとである(今年度1.02倍、昨年度0.91倍)。
★ 私立高校が特進を充実させていると言うこともあるが、勉強だけの高校生活を送りたくないという生徒の心情がうかがえる。
★ 南陽高校を第1志望とするものは定員を約30名超える。この内何人かは莵道を第2志望にしていると考えられる。莵道では残席256人に対して260人が志願。ほぼ全入できそうだが、15%の第1志望、第2志望の合算枠を、南陽の第2志望者と競うことになる。
★ 城南菱創高校は定員が少ないこともあるが、人気が高い。残席65に対して105人が挑む。このような高倍率が、年々学校のレベルを押し上げている。
★ 西城陽高校は数年ぶりに高倍率(1.24倍)となった。校則が厳しいと敬遠する生徒が多かったが、地道な努力が評価されたということだろうか。
★ 「中位の生徒の実力を伸ばす」と評価されている東宇治高校も今年は倍率を上げた(1.19倍)。この学校は莵道高校の第2志望とされる場合が多いが、莵道高校の倍率が低いので、これ第2志望を含めても、大きく倍率が跳ね上がることはなかろう。残席224人に267人がチャレンジする。
★ オール3+αあたりの生徒が多く志望する久御山高校。このレベルの生徒の層が多いこともあり、近年倍率が高くなっていたが、昨年はサッカーの全国大会、「ミラクル久御山」の影響が逆効果だったのか定員割れ(0.96倍)。今年は1.12倍と一昨年レベルに戻った。ただこの学校は第2志望としている生徒も多く、実質競争率はいくぶん高くなると予想される。
★ オール3前後の生徒が多く志望する城陽高校、木津高校、田辺高校。
★ 城陽高校は1.24倍。昨年私立に流れた層が公立に戻ってきたようだ。残席246人に対して志願者が306人。例年になく難関となった。
★ 昨年、他校が軒並み定員割れをする中、1.22倍と高い競争率だった田辺高校は、その反動か今年は1.09倍となった。田辺高校が工業科が設置されているため普通科の募集定員が160人と少なく、そのため年ごとの競争率の変動が大きくなっている。今年は比較的「広き門」の年になりそうだ。
★ 木津高校は先に述べたとおり。
★ 京都八幡は一昨年2.11倍と跳ね上がったが、昨年はその反動からか0.87倍、今年も0.84倍と人気が低迷している。
★ 山城通学圏の残席は、普通科と城南菱創、京都八幡を合わせておよそ1806席。これに1990人の受験生が挑む。公立高校全体の最低点は昨年より大きくアップし、70点台(200点満点)になるのではなかろうか。受験者は最後まであきらめずに頑張って欲しいものだ。1点2点の勝負になるかも知れない。合格したいという執念の強さが合否を分けそうだ。
★ 昨年、多くの公立高校で「定員割れ」をした山城通学圏、今年度は第1志望で定員割れは木津高校のみ。若干狭き門となった。この背景には、中学卒業者が増えたにもかかわらず、公立高校の定員が増員されなかったこと、民主党政権がぐらつく中、高校無償化(私立高校進学者への就学支援)の継続が危ぶまれ、公立回帰が起こったと考えられる。
★ 今年度の制度的な大きな変更は前期入試(特色選抜)の定員枠が10%から20%に変更されたことである。東宇治、莵道、城陽、西城陽、久御山、田辺、木津、南陽の8校の総定員2120人に対し、すでに434人が内定を決めている。中期試験(一般入試)は残る1686席に、志願者1839人が挑戦することになる。(この他に、城南菱創高校の第2志望者が40人程度加わる)
★ 今年はおよそ150人が公立高校に進学できない。競争率は1.09倍。決して高い数字ではないが、3年前(1.13倍)、2年前(1.09倍)、昨年(0.99倍)と競争率が低下していただけに、「狭き門」の感じがする。
★ ただ、定員を超える城南菱創の第2志望者がいる一方で、当日の欠席者や公立を第1志望だけ、あるいは第2志望まで書き、第3志望の「どこでもいい」を選択していない受験生も相当数いるので、実質の競争率は若干下がる。
★ 個別に見ていくと、木津高校の不人気が顕著だ。昨年0.87倍と定員割れをしていたが、今年はさらに下がって0.65倍。木津の不人気は前期入試からもうかがえた。48人の募集枠に対して受験者が50人。定員割れが予想されても「木津には行きたくない」という意思の表れであろう。その背景はここでは詳しく述べられないが、「市場」という言葉を使うなら、消費者のニーズを満たしていないということだろう。学校改善に向けての取り組みが求められるのではなかろうか。
★ 一方で、公立難関校を敬遠する傾向もここ数年続いている。南陽高校はここ数年1.1倍程度(今年度1.13倍、昨年度1.12倍)だし、莵道高校は1倍を維持するのがやっとである(今年度1.02倍、昨年度0.91倍)。
★ 私立高校が特進を充実させていると言うこともあるが、勉強だけの高校生活を送りたくないという生徒の心情がうかがえる。
★ 南陽高校を第1志望とするものは定員を約30名超える。この内何人かは莵道を第2志望にしていると考えられる。莵道では残席256人に対して260人が志願。ほぼ全入できそうだが、15%の第1志望、第2志望の合算枠を、南陽の第2志望者と競うことになる。
★ 城南菱創高校は定員が少ないこともあるが、人気が高い。残席65に対して105人が挑む。このような高倍率が、年々学校のレベルを押し上げている。
★ 西城陽高校は数年ぶりに高倍率(1.24倍)となった。校則が厳しいと敬遠する生徒が多かったが、地道な努力が評価されたということだろうか。
★ 「中位の生徒の実力を伸ばす」と評価されている東宇治高校も今年は倍率を上げた(1.19倍)。この学校は莵道高校の第2志望とされる場合が多いが、莵道高校の倍率が低いので、これ第2志望を含めても、大きく倍率が跳ね上がることはなかろう。残席224人に267人がチャレンジする。
★ オール3+αあたりの生徒が多く志望する久御山高校。このレベルの生徒の層が多いこともあり、近年倍率が高くなっていたが、昨年はサッカーの全国大会、「ミラクル久御山」の影響が逆効果だったのか定員割れ(0.96倍)。今年は1.12倍と一昨年レベルに戻った。ただこの学校は第2志望としている生徒も多く、実質競争率はいくぶん高くなると予想される。
★ オール3前後の生徒が多く志望する城陽高校、木津高校、田辺高校。
★ 城陽高校は1.24倍。昨年私立に流れた層が公立に戻ってきたようだ。残席246人に対して志願者が306人。例年になく難関となった。
★ 昨年、他校が軒並み定員割れをする中、1.22倍と高い競争率だった田辺高校は、その反動か今年は1.09倍となった。田辺高校が工業科が設置されているため普通科の募集定員が160人と少なく、そのため年ごとの競争率の変動が大きくなっている。今年は比較的「広き門」の年になりそうだ。
★ 木津高校は先に述べたとおり。
★ 京都八幡は一昨年2.11倍と跳ね上がったが、昨年はその反動からか0.87倍、今年も0.84倍と人気が低迷している。
★ 山城通学圏の残席は、普通科と城南菱創、京都八幡を合わせておよそ1806席。これに1990人の受験生が挑む。公立高校全体の最低点は昨年より大きくアップし、70点台(200点満点)になるのではなかろうか。受験者は最後まであきらめずに頑張って欲しいものだ。1点2点の勝負になるかも知れない。合格したいという執念の強さが合否を分けそうだ。