じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

川西蘭「春一番が吹くまで」

2019-02-09 19:34:33 | Weblog
春一番が吹くまで (1979年)
クリエーター情報なし
河出書房新社


★ 数十年ぶりに川西蘭さんの「春一番が吹くまで」(河出書房新社)を読んだ。

★ 高校三年生の藤村健は、母親に強引に勧められて、夏休みの間だけ東京の予備校の夏期講習に通うことになった。彼はここで同じく高校生の一人の女性と出会う。

★ ひと夏の甘酸っぱい思い出。

★ 最後は「何か」を暗示しながら、「ここで終わるのかー」と思わせる。読み終わって再びプロローグへ戻ると、寂寥感を感じる。

★ 二人が初めて話した喫茶店。バックに流れていたのはウェス・モンゴメリーの「Dーナチュラル・ブルース」。今の時代は便利だ。検索するとすぐに出てきた。良い感じの曲だ。

★ 初めてユウコを抱いた日。下宿屋のオーナーから小言と嫌みを言われる。その彼の部屋にあった男性雑誌。セーラ・ロウエルさんのグラビアがあった。セーラさんを調べてみると、亡くなっていた。

★ ちなみにペンネームの「蘭」はキャンディーズの「蘭ちゃん」のファンだったからとのこと。私もファンでした。

★ 時代は駆け足で過ぎていくなぁ。
コメント

確定申告の季節

2019-02-09 15:40:22 | Weblog
★ 税理士さんから電話があった。高齢の上、脳梗塞を患ったのでもうできないとのこと。

★ どうやら自分で書類をつくることになりそうだ。お願いして20年、今までお任せだったから、出納帳も十分に作っていない。

★ さぁ大変だ。レシートとの格闘が始まる。
コメント

堀田あけみ「1980アイコ十六歳」

2019-02-09 12:29:27 | Weblog
1980アイコ十六歳 (1981年)
クリエーター情報なし
河出書房新社


★ 読み返してみた。1980年という時代、十六歳という季節。等身大の言葉で物語が綴られていて、面白かった。

★ 堀田あけみさんの「1980アイコ十六歳」(河出書房新社)、1981年の「文藝賞」受賞作。17歳の受賞は最年少だったそうだ。この題名がすべてを物語っている。1980年に「ラブちゃん」こと16歳の三田アイコが経験する日々。

★ プロローグはまるで「枕草子」、「春はあけぼの」のようだ。橋本治さんの桃尻訳を思い起こす。プロローグが終わると視点は一人称から俯瞰へ。そして物語が始まる。

★ 方言が生きている。少女コミックのようで面白い。皆中して死んだふり(アイコは弓道部に入っている)。友人関係に悩んだ末のリストカットもなぜかコミカル。まぁ無事でよかったよ。そんな折、先生から伝えられた同級生の自殺。「なぜ生命は存在するのだろう」とアイコは考える。殻を破ろうと必死でもがいているようだ。

★ 終わり方はアレしかなかったのか。

★ 大きな話や小さな話、縦横無尽に飛び回れるところが若さだと思った。

★ 1980年、まだ少女雑誌の投稿欄がコミュニケーションツールだった時代(今ならSNSだ)。中学校が荒れた時代。金八さんが放映されるたびに学校が慌ただしくなる(金八さんに理想の教師像を求めたせいか)。そんな時代だったなぁ。

コメント

介護ヘルパー不足

2019-02-09 11:49:03 | Weblog
★ 朝、ケアマネさんが3月度の介護計画をもってこられた。父は要介護5。寝たきりになって8年。胃ろう、吸引、酸素チューブをつけながら自宅で療養している。意識は鮮明。

★ ケアマネさんの愚痴。とにかく訪問介護のヘルパーさんが不足しているとのこと。

★ そもそも3Kと言われ、ハードルの高い職種だが、待遇は少しづつ改善されているとか。にもかかわらず人手不足なのは、まず男性や若い人は施設での介護職に就かれる方が多いとのこと。そして103万円の壁だという。

★ 訪問介護に従事される方はご婦人が多い。ご主人の扶養家族に入られている方は、働き過ぎるとかえって損をするから、時間数を制限されているとのこと。潜在的な労働力はあるのにそれを生かせないのは実にもったいない話だ。

★ 政府は外国人労働者の受け入れに熱心だが、介護職の処遇改善や103万円の壁の撤廃(働きすぎても不利益にならない)など、もっとできることがあるのではなかろうか。
コメント

平中悠一「She's Rain」

2019-02-09 04:11:34 | Weblog
She’s rain
クリエーター情報なし
河出書房新社


★ 1980年代も半ばを過ぎると、自分よりも年下の作家が活躍しだした。平中悠一さんの「She's Rain」(河出書房新社)。1984年「文藝」十二月号に掲載され、文藝賞受賞作。

★ プロローグに続き、「1983年、僕は17歳だった。」で始まる。高校2年生の夏、7月13日の水曜日から16日の土曜日までの出来事が綴られている。

★ 主人公はユーイチ。それにレイコ、ユウコ、タカノブなどが絡んでくる。名前がカナカナというのがこの作品の雰囲気を伝えている。

★ 私は1987年の3月24日にこの作品を読み終えたようだ。余白に過去の私の感想が書いてある。「久々に心地よい小説だった。テーマはいたって簡潔。文章も飛ぶように流れていく。ただそうした中で純粋な“想い”がまぶしいほどに輝いている。17歳だから持てる感覚、17歳だから放てる輝き。それはボクにとっては青春の郷愁かも知れない。大上段に構えて恋愛を論じるのでもなく、素直に自分の気持ちに忠実に書いていることが魅力的だ。現代の“私小説”はこういう形になるのであろう」
コメント

高橋三千綱「九月の空」

2019-02-09 03:37:38 | Weblog
九月の空 (1978年)
クリエーター情報なし
河出書房新社


★ これも学生時代に一度読んだ作品。高橋三千綱さんの「九月の空」(河出書房新社)。1978年「文藝」一月号に掲載され、その年の芥川賞受賞作品。

★ 剣道を中心とした高校生のスポーツドラマ。試合の場面の緊迫感がうまい。ほどよく恋愛も組み込まれ、緊張と緩和のバランスが良い。表現は重厚ながらテーマはライトノベルの先駆けかな。

★ コミックにもなりそうな作品だ。

★ 私の時代で剣道と言えばドラマ「俺は男だ!」(1971年~72年)の森田健作さんだ。主題歌「さらば涙と言おう」はクラスの歌(そんなものがあった。毎月歌を決めて終わりの会で歌うのだ)にもなった。
コメント