夕映えに

陽が落ちるまで輝きたい、くさぐさの記録(日々の出来事、読書、スポーツ、友だち)

BS連続 黒沢映画  「赤ひげ」 「七人の侍」に見る人間性

2009-02-08 18:16:30 | Weblog

    昨夜は「七人の侍」、その前は「赤ひげ」「生きる」の後、夜はどっぷりと
     黒澤作品に浸かりました。

    一度ならず何度か見ているような気はしますが、20代、30代に見た
     感動と、また異なった見方もあり感動も気づかなかった場面があります。

         「生きる」では、志村喬が主演で、黒澤映画といえば三船敏郎が殆どですが
     唯一これには出演していません。

       「赤ひげ」    日本アカデミー賞受賞

    山本周五郎の原作で、三船敏郎演じる老医師の人間性が、青年医師
    にどのように関わっていくか・・・・
           

    舞台は江戸時代小石川養生所へ見習いとして西洋医学を修めた若き
     医師(加山雄三)が来る

      最初は老医師に反発し、嫌われて追い出されてもと思うが、老医師
    から 置屋の少女(二木てるみ・・・子役ながらすばらしい演技)を診るよ
    うに委ねられ、最初はどうしようもなかったが、寝食を共にしながら、
    少女の気持ちをほぐしていく。

     貧しさのあまり盗みを働く子どもに食べ物を与える少女、しかし子ども
      一家は貧困のため心中する。

   「病気の原因は社会の貧困と無知から来るものでこれに治療法はない」
      の 言葉や貧困の中で死んでいく人々の中に不幸を耐え抜いた美しさを
     見る。       赤ひげ 三船敏郎
         
         老医師の中にある貧しき者への治療のあり方に感銘し、自分も貧者
      のために働く決心をし、養生所に残る。
      「後悔するぞ。」の老医師の言葉が後にかかる。
    
    
香川京子さんの狂女役、今では想像もできない役でした。

       「七人の侍」   黒澤作品ベスト1

    舞台は戦国時代、貧しい農村。
     麦の刈入れが終わる頃、農村では野盗化した野武士たちの来襲を前に
     恐怖におののいていた。  農民たちは百姓だけで闘っても勝ち目はない
     が麦を盗られれば飢え死にしてしまうと・・・・

         そこで、百姓たちは野盗から村を守るため、侍を雇うこととなり、
     村を守るためには七人の侍が必要だと・・・・浪人の侍を雇う。

    志村喬(勘兵衛)以下七人の侍 稲葉義男、加東大介、千秋実、
      宮口精二、木村功そして最後に加わった 
三船敏郎(菊千代)
      七人の侍                加東大介  志村喬  千秋実
      

   七人の侍たちは、農民たちを組織しながら、先頭にたって戦い、秋の
    収穫期をねらって襲ってきた野盗の
群れを見事に滅ぼす。

   殆どが男性ばかりのシーンの中で唯一のラブシーンとして
    野武士との決戦の迫る前夜、勝四郎(木村功)が志乃(津島恵子)と逢引
    き、それを父(藤原鎌足)に見られ、みんなに知れわたる。が彼らは苦笑
   するだけだった。
      
    しかし、その戦いで7人のうち4人が死ぬ。残ったのは勘兵衛(志村喬)
   七郎次(加東大介)勝四郎(木村功)の3人だった。

     「勝ったのは百姓たちだ。わしたちではない。」という勘兵衛の言葉に
   大地と 共に生きる 農民たちの 強さを感じさせました 。 

   まだこの後、黒澤作品が続いて放映される予定です。原節子さんの
   「我が青春に悔いなし」や京マチ子さんの「羅生門」「など 見られそうです。