今日のシネマ
2020年 イギリス・フランス 合作
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名優アンソニー・ホプキンスが認知症の父親役を演じ、
「羊たちの沈黙」以来、2度目のアカデミー主演男優賞を受賞した人間ドラマ。
日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」を基に、
老いによる喪失と親子の揺れる絆を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描き出す。
ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーは認知症により記憶が薄れ始めていたが、
娘のアンが手配した介護人を拒否してしまう。
そんな折、アンソニーはアンから、新しい恋人とパリで暮らすと告げられる。
しかしアンソニーの自宅には、アンと結婚して10年以上になるという見知らぬ男が現れ、
ここは自分とアンの家だと主張。
そしてアンソニーにはもう1人の娘ルーシーがいたはずだが、その姿はない。
現実と幻想の境界が曖昧になっていく中、アンソニーはある真実にたどり着く。
(映画comより)
認知症を描いた映画はいくつもありますが
これは今までのとは全く違う・・・
観ているこちらが、認知症のアンソニーと一緒に混乱し、
まるで霧の中を彷徨うみたいに不安の中でもがくのです
自分の記憶の中にあるはずの 人、もの、場所が
有無を言わさず次々と現れては消えていく
認知症の恐怖と心許なさが否応無しに迫ってきます
あと何年かしたら、自分もアンソニーになるかもしれない、
という恐れをずっと感じながら観ていました
そして、ラスト・・・
今度はアンソニーと母を重ねて涙が止まりませんでした
なんて可哀想な思いをさせてしまったんだろう、と・・
あれもこれもコロナのせいにしてきたけれど
もしコロナになっていなかったら
私はもっときちんと母と向き合ってあげられていたでしょうか
アンソニーの娘、アンと自分を重ねて
時に共感し、時に反発しながらこの父娘を追いました
とても重く、考えさせられる内容ですが
映画としてはすごくよくできているし
なんといっても主演の アンソニー・ホプキンス・・・・天晴れでした
アン役の オリビア・コールマン も良かったです
フロリアン・ゼレール監督・・これが初の長編映画だそうで
今後が楽しみです