やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

それでも行くって、決めたんやな!

2023年06月30日 | 日記(息子・高校生)

息子の所属するサッカー部が全国大会に出場することが決まってから、息子の調子が悪くなってしまいました。

 

今まで細々と続けていたリフティングや少しの時間のランニングもやらなくなってしまい、ついには、サッカー部の練習を休むことになりました。

 

「気力が湧けへんねん・・・。」

と、だらだらスマホを眺めるような時間を過ごしていました。

 

「今こそ、頑張らんなあかんのとちゃうん?」

と、息子に言いたい気持ちをおさえ、私はただただ見守るだけです。

やりたくても出来ない息子に、どう声をかければいいのでしょう?

 

今の息子には、週に2回の外出が精一杯のようで、それが最近は部活と学校とで週に3回になるときがあって、とうとう限界がきてしまったのかもしれません。

 

こんな状態で、息子は現実に全国大会に行けるのでしょうか?

 

全国大会に出場するとなると、最短でも一泊、勝ち進めば最長で五泊になるそうです。

しかも、全国大会に出発する7月28日は、単位認定試験の最中。

サッカー部員は試験を繰り上げて受験するため、出発日まで連続して登校し、受験することになります。

当日は9時に新大阪駅集合なので、我が家を出るのは7時前です。

 

午後からの授業に2時間出席するのがしんどい息子です。

一日登校したら、回復に二日はかかります。

長時間、大勢の人の中で過ごすことが出来るのでしょうか?

 

心配すれば、きりがありません。

 

そんな中、3日前から、息子は再びリフティングを始めました。

 

「痩せたいから、一ヶ月間、お菓子は食べへん。

ご飯も、一ヶ月だけ、揚げ物はやめて!」

と、言い出しました。

 

それでも行くって、決めたんやな!

と、思いました。

 

「すぐに駆け付けられるとこにおって!」

と、言うので、私も静岡まで応援に行ってきます。

 

4週間後、笑顔で開会式を迎えられますように!

 

 


想定内、想定外

2023年04月17日 | 日記(息子・高校生)

新学期が始まりました。

 

始業式や健康診断には、息子は参加出来ませんでした。

登校したのは、14日に一度きり。

 

この日も私が付き添いましたが、電車に乗っている間に息子の不安が大きくなって、

「誰か見てる。」

「落ち着かへん。」

と、何度も私の手をぎゅーっと握りしめていました。

 

5、6時間目の授業を受ける予定でいましたが、やはり5時間目だけで限界。

座っているのがやっとだったようで、筆箱を忘れて帰ってきてしまいました。

 

今日も登校する予定の日でしたが、やはり行くことは出来ません。

 

想定内、想定内・・・。

 

5月に行われる特別活動の申込み期間中なのですが、今年も息子は参加出来そうにありません。

 

「海遊館とサンタマリア号デイクルーズ」、「東映太秦映画村」、「noborun&天王寺動物園」、「文楽鑑賞」等々。

 

年間32000円の特別活動費を支払っていますが(大阪府民は府に援助してもらえます)、修学旅行や林間学校などの宿泊行事以外、どれだけ参加しても追加料金はいりません。

「ユニバーサルスタジオジャパン」や「宝塚歌劇団」、「劇団四季」などの観劇もあって、私が代わりに行ってあげたいぐらいです。

 

でも、人の目が怖いという息子にとっては苦痛でしかありません。

 

参加出来ないことなど想定内、想定内・・・。

 

サッカーの公式戦が特別活動になるので、親も堂々と応援に行けるのですから問題ありません。

 

想定外なのは、通信制高校の隣のビルが工事中なこと。

防音対策はしっかりとられているのでしょうが、息子にとっては、工事音が苦痛。

喚起のために窓を開けていることもあって、学校内で息子を待っている私にとっても耳障りです。

 

今年度も、医師の診断書をもらって、最低限の授業に出席し、自宅で視聴レポートを書くことになりそうです。

 

それでも、心のどこかで息子に素晴らしい出会いがあることを期待しているのです。

 

友達! 先生! 興味を持てるもの!

 

我愛羅が我が家に来てくれたように、いつ、どんな出会いが待っているかは分からないものですから・・・。

 

 

 


科目登録と体育の家庭教師

2023年03月16日 | 日記(息子・高校生)

13日、来年度に受講する科目登録を行うために高校へ行ってきました。

 

久しぶりの登校。

相変わらず、息子は人のいる所は落ち着かないようです。

 

待ち人数が10人で1時間以上かかるということで、その間に駅まで戻って学生割引回数券を買いに行きました。

 

南海電鉄が学生割引回数券を含め全ての回数券を3月いっぱいで廃止するらしく、4月からは定期でしか学生割引が使えなくなります。

 

今までは割引回数券11回分で3000円程

息子は現状では週に1回登校+部活が月に1~2回なので、だいたいそれがひと月分の通学費でした。

定期代は1ヶ月で6000円以上もかかるらしく、月に6往復12回使えば片道1回分ぐらい安くなる計算ですが、登校出来なくて損をすることもありそうなので購入するか迷います。

 

付き添いの私の分も一般の回数券で少しは割引があったのに、それもなくなるのかと思うとかなりの痛手です。

少しでも節約になるなら、交通系ICカードを検討しようと思います。

 

さて、科目登録は先生と生徒、保護者で話し合って決めるのですが、息子とは、この高校で勉強を続けるのかも含め、前もって受講する科目を話し合ってきました。

 

理科系実技系は出席しなければならない時間が多いので選択しない。

でも、英語は時間数が多くても頑張りたい。

総合探求科目は、なるべく受講人数の少ないものにする。

等々。

 

先生からは、3年目は受験や就職活動があるので、出来れば2年目に多めに単位を取っておいた方がいいと言われました。

 

息子は一年間全日制の高校に在籍していたため、まるまる私立高校の就学支援が使えるのは次年度だけなので、出来るだけ次年度内に単位を取ってほしいという気持ちもありましたが、息子の状態を考えて、残数のちょうど半分の24単位を登録することにしました。

 

この日も、教室内に4組が同時に科目登録をしていてざわざわしているせいか、息子は調子が悪くなり、気持ちを落ち着けるために二度も席を離れました。

 

それに、翌日、翌々日と調子が悪く、今日になってやっと回復してきた感じで、二年目もまた放送視聴を利用しながらの厳しい学校生活となりそうです。

 

科目登録を前に息子と話をしてみると、息子には、

「こんな高校生でいいのかな?」

という気持ちがあるようでした。

 

「〇〇は、精一杯頑張ったやん。

それでいいと思うで。

勉強する余力が出来たらスクーリングにどんどん参加すればいいし、受験用の科目も受講できるで。

高校を卒業するためとサッカーするためにこの高校選んだけど、今もそれに変わりはない?

高校卒業を目指す?」

 

「うん。」

 

「じゃあ、頑張ろう!

1年に2週間だけ集中してスクーリングをする学校もあるけど、〇〇はそれはしんどいやろ?」

 

「そやなぁ。

無理やと思う。」

 

「通学はしんどいけど、それも力になるよ。」

 

高校を卒業するということ以外、今の息子に選べる選択肢がないのに、念を押すだけのやり取りは意味が無いのかもしれません。

 

でも、出来ることをやっていく中で、やりたいことを見つけるしかないと思っています。

 

息子が、

「サッカーがうまくなりたいから、体育の家庭教師に来てほしい。」

と言い出したので、昨年12月から発達障害対応の体育の家庭教師に来てもらっています。

 

先生は大学院生で、特に発達障害についての勉強をされているわけではなさそうです。

サッカーも、大学のサークルでフットサルをされてはいますが、中学・高校と野球部に所属されていたそうです。

 

経験者に教えてもらうというよりは、キャッチボールのようにボールを蹴るのに付き合ってもらっています。

 

それでも、息子は1時間半持たずに半分ぐらいで終了したり、月2回のうちの1回を調子が悪くなって延期するなど、発達障害というより息子の体調に合わせて一緒にサッカーの練習をしてもらっている感じです。

 

とても優しい先生なので、息子が人との関わりに自信を持てるようになるといいなと思っています。

 

3月4月と、進級の時期は特に調子が悪くなりがちな息子ですが、穏やかな春になることを願っています。

 

 

 


単位修得!

2023年03月01日 | 日記(息子・高校生)
息子、通信制高校一年目、登録した26単位を全て修得することが出来ました!
 
 
中学1年生の2学期に不登校になって以来、初めて既定時間の出席、試験を受けての単位修得です。
 
 
もちろん、スクーリングに全て出席できたわけではなく、10分の6は「NHK高校生講座」を観て書く視聴レポートで代替してもらいましたが・・・。
 
 
息子にとって、一番大変だったと思うのは電車通学。
 
 
自分を否定する声が聞こえてきて、怖くてたまらないようでした。
登校するだけで心が疲弊して、勉強どころではありません。
辛うじて1時間、授業を受けることが出来たとしても、そこに座っていることが精一杯で授業の内容は全然頭に入ってこなかったようです。
 
 
こんな状態で、通信制高校に通う意味があるのか?
 
 
迷いはありましたが、成績表が届いたときは、「やり切ったんだ!」と思いました。
 
「頑張ったんだ!」と思いました。
 
 
後期は、ほぼ親子二人三脚で、息子と一緒に登校して別室で待機、視聴レポートは事前に講座を観て予習してから、息子と一緒に視聴しました。
 
 
息子の不安が強いのだから、付き添って当然!
一人だと勉強に手が付かないのなら、一緒にすればいい!
 
 
後期になると、私にもそうした覚悟のようなものが芽生えてきました。
 
 
一月、腰痛でコルセットをしながら登校に付き添ったときは、通信制高校で良かったと思いました。
毎日通う学校なら、とてもじゃないけど付き添ってやれません。
 
 
年に2週間だけ登校すればいいという通信制高校もありますが、連日登校、連続で受講なんて、息子には絶対無理!
この通信制高校が、息子にとってぎりぎり頑張れる学校なのかもしれません。
 
 
そうして、積み重ねた努力が、こうして単位修得という形に現れました!
 
 
「全部合格出来たら、焼き肉食べに行きたい!」と、言っていた息子。
 
 
今週末は、家族3人で焼き肉を食べに行ってきます!
 
 
 
 

17歳、おめでとう!

2022年12月07日 | 日記(息子・高校生)

息子は、今日17歳になりました。

 

ずっと前から息子に誕生日プレゼントは何がいいか聞いていたのですが、

「考えとくわ。」

と言ったまま、欲しいものが何も思いつかなかったようです。

 

12月7日は平日なので、日曜日にお祝いすることになり、もう一度息子に聞いたところ、

「ケーキ! まあるいケーキ!

誕生日おめでとうって書いてるの。」

と、答えました。

 

最近はずっとショートケーキでお祝いしていたので、久しぶりにアニバーサリーケーキを買って、HAPPY BIRATHDAYと書かれたチョコレートのプレートに「〇〇くん」と名前を入れてもらいました。

 

家族3人のささやかな誕生日のお祝い、

「お誕生日、おめでと~!!」

と、拍手の中、息子がろうそくを吹き消し、ケーキとお寿司を食べました。

 

いい笑顔を見せてくれていた息子でしたが、次の日からまた調子が悪くなってしまいました。

 

「こんな17歳がいていいの?」

「赤ちゃんに戻りたい!」

と、年を重ねることが怖いようです。

 

「赤ちゃんに戻らなくても、〇〇は〇〇のまま、ゆっくり大人になっていったらいいんやで。」

と、私は言いました。

 

「お誕生日おめでとう」と書かれたケーキを望んだ息子。

 

自分が生まれてきたことを喜んでほしいと願ったのでしょうか?

 

息子にとって不安だらけの一年を乗り越えて、今日の日を迎えられたことは、本当に「おめでとう!」だと思います。

 

息子には、〇〇が生まれてきてくれて、一緒に過ごす毎日をどれだけ大切に思っているか、伝え続けなければならないのかもしれません。

 

 


あるがままで愛されたい

2022年12月01日 | 日記(息子・高校生)

カタールワールドカップ、続々と決勝トーナメント進出国が決まっています。

 

日本は初戦でドイツに勝利しましたが、コスタリカには負け、いよいよスペインとの運命の一戦です!

明日は、親子3人、4時起きで応援します!!

 

ワールドカップは各国リーグ戦と違って、全く戦い方の違う国と国とのゲームが観られたりするので面白いです。

 

サッカーが大好きで、アベマでワールドカップの全試合が観れるとはいえ、今の息子は、息子の言葉で言うと頭の許容量いっぱい」らしくて、すぐに疲れてしまい、思うように試合を観ることが出来ません。

 

4年前のロシアワールドカップでは、唯一サッカーを観ることが楽しい時間だったようなのに・・・。

 

プレー以外に戦術とか対戦成績とか色々考えながら観るからなのでしょうか?

 

息子の許容量オーバーの原因の一つは、広汎性発達障害の特性なのか強迫性障害の気質なのか、私が気にも留めないようなことを「これでだいじょうぶか?」と、ぐるぐるぐるぐる考えてしまうせいかもしれません。

 

通信制高校のレポートを書いているときも、内容よりも字が歪んでないか?などと、何度も何度もチェックしています。

 

そして、不調の一番の原因だと思うのは、常に誰かに何かを言われるのではないかと息子が恐れていることです。

 

「何をやっても無駄。」

「お前みたいなやつが電車に乗るな。」

「何も出来ひん奴。」

 

電車の中はもちろん、家の中でもそんなことがあるはずないのに、息子には実際に聞こえたり、そういう人が見えたりするのだそうです。

 

「それは、〇〇が思っていることが別の人の言葉になって聞こえてくるんとちゃうの?」

と、息子に聞きましたが、息子は頭を抱えるだけでした。

 

ショックだったのは、息子が夜中に大声で叫んだとき、

「夢の中で、ママが『あんたみたいな大変な子、嫌い!』って、無表情で言うから、怖くて怖くて耐えられへんかった!」

と、言ったことでした。

 

「そんなこと、あるはずないやん!」

 

私は息子を抱きしめました。

 

「大変やと思ったことはあるよ。

でも、大変やから嫌いって思ったことはないし、これからも絶対にない!

〇〇は大事な大事な子やで。

ママの命より大事やと思ってるで。」

 

多分、私が疲れた顔をするだけで、この子は自分を責めるのでしょう。

 

私から離れるのも不安、私の表情も不安。

一緒にいる私も、本当に疲れます。

でも、それは「嫌い」になる理由にはならないのです。

 

不安の強い息子を、こんなに大切に思って、こんなに愛しているけど、まだまだ私はあるがままの息子を受けとめられていないのかもしれません。

 

なんとかしてあげたいって思う気持ちは、今の息子をダメだと否定していることになるのかな?

 

息子のよく言う「小さい子になりたい」「赤ちゃんに戻りたい」

 

何も出来なくても、お母さんから離れなくても、あるがままで愛されたい!

 

そういうことなのでしょうか?

 

 


息子、サッカーの試合に出場する

2022年11月07日 | 日記(息子・高校生)

息子、後期に入って、サッカー部に入部しました。

 

なかなか授業には出られない息子ですが、サッカー部の練習に2回参加し、昨日は試合に出場しました。

 

この高校のサッカー部の練習は月に2回ぐらいで、来られる人が参加するという感じです。

ただ、我が家から練習場が遠く、片道2時間かかります。

2時間の練習と4時間の往復。

行きは電車の時間を合わせて出発できますが、帰りはそうもいかず、だいたい7時間弱かかる外出になるので、息子のエネルギー消耗は相当なものです。

もちろん、私も同伴です。

 

昨日の試合の10日ぐらい前からは、試合のことを考えて緊張してしまうのか、ものすごく息子の調子が悪くなってしまいました。

登校どころか、集中して考えることが出来ずにぐるぐるぐるぐる歩き回って、レポートをすることも困難でした。

 

けれど、サッカーがしたいのです。

ちゃんと出来るのか怖くて怖くてたまらないけど、息子はサッカーがしたいのです!

 

時折、大声をあげたり、私にしがみついてきたりするので、そんなに不安ならサッカーをやめて他に好きなことを探したらいいのにと思うのですが、息子はそう簡単にはあきらめられないのでしょう。

 

息子自身、

「自分でも、向いてないって分かってる。」

と言ってます。

「だけど、得るものもあるはずやと思ってる。」

と・・・。

 

中学生の頃のように、サッカー部に参加することでエネルギーを使い果たしてしまい、登校も勉強も出来なくなってしまうかもしれません。

そんな不安はありますが、今は息子を見守るしかありません。

 

昨日の試合は主人が付き添い、私は義母の買い物等をすることになりました。

息子がいるときは短時間しか家を留守に出来ず、ゆっくり買い物が出来ないからです。

 

主人が試合のビデオを撮ってくれ、時々LINEでも状況を知らせてくれました。

 

通信制高校の試合は、前後半20分の40分です。

この大会は3チームが参加しているので、2回試合をします。

 

息子のチームはぎりぎり11人なので、息子もスターティングメンバーです。

しかも、1人負傷退場したので10人で戦うことになりました。

 

1試合目、息子は後半バテバテだったそうですが、フル出場を果たしました。

試合結果は0-1。

 

昼食等で2時間程の休憩がありましたが、息子は2試合目の前半10分ぐらいで足が攣って動けなくなり、ピッチを退きました。

 

けれど、後半、キーパーとして再出場。

(10人しかいないから再出場が認められたのか、そもそも交代する相手がいないから交代が成り立たず、ピッチ外で息子の回復を待っていただけなのか?)

またまた足が攣って倒れこみましたが、その直後にパンチングでシュートをセーブしたそうです。

 

試合結果は0-4。

2戦とも負けてしまいましたが、息子をとても誇らしく思いました。

 

主人がLINEで送ってくれた集合写真、みんなと一緒に並んだ息子は笑顔でした!

 

どうかこのチームが息子の居場所となりますように。。。

 

 


悔しくてパニックになる・・・

2022年11月02日 | 日記(息子・高校生)

旅行に行く前の話です。

息子は、「人が怖い」「電車に乗るのが怖い」と言って、なかなか登校出来ません。

 

「クモ男みたいなのが天井から『変な奴がいる』みたいな目で見てくるから、電車に乗るのが怖い!」

と、息子は言うのです。

怖いということの比喩なのか、それとも、本当に息子には見えているのでしょうか?

 

「そんなのおったら怖いなぁ・・・。

でも、見えてるような気がするだけで、絶対何もしてけえへんで。

もし、見えたらママに言い!

ほんまにおるかどうか確かめたるから!」

 

そう言って、4~5時間目の「社会と情報」の授業を受けるために二人で学校に向かいました。

 

けれど、学校に着く前に息子の調子が悪くなってしまったので、授業に出ることは諦め、以前申し込んだままになっていた「割引普通回数券」を買うための学割証明書だけ受け取って帰ろうと思いました。

 

ところが、受付窓口で、

「授業を受けた後でしか学割証はお渡しできません!」

と、ぴしゃりと断られました。

 

「授業を受けたくてここまで来たのに、調子が悪くなって授業を受けられなくなって・・・、それなのにもらえないのですか?」

と、私が聞くと、

「規則なんです。

不正に学割証を使うことを防ぐために出席回数と照合して発行しているので、今回の授業を受けてからしかお渡しできないことになっています。」

と・・・。

 

それを聞いて、息子はパニックになって、

「ふざけんな~!」

と叫んで、窓口に置いてあった学割証受付のバインダーを投げつけ、そのまま学校を飛び出して行ってしまいました。

 

事務の方も、先生方も、登校してきた生徒さん達も、何が起こったのかと驚いているようでした。

パニックになって怒りだすようなことではないけれど、私には息子の悔しさや苦しさが分かります。

 

「すみません、すみません。

でも、やっとの思いでここまでたどり着いたんです。

調子が悪くて授業を受けられる状態じゃないのは、どうしようもないじゃないですか!」

謝りながら、私は言いました。

 

「お母さん、レポートの問題は持って帰られましたか?」

 

「はい、先日。」

 

「レポートを持って帰ったり、提出したりでも構わないんです。

特別活動等の受付でも構いません。

規則で、ただ学校に寄っただけではお渡し出来ないのです。」

 

「今週から受付開始の動物園(特別活動)は申し込むつもりでした。」

 

「それで学割証の発行をさせていただきます。」

 

「すみません、息子を探してきますので。」

 

私が手続きしてもよかったのですが、このままだと息子はこの学校に通えなくなると思いました。

 

とはいえ、再び息子と会えたのはおよそ1時間後、それからさらに息子の気持ちを落ち着けるまでに30分以上かかりました。

 

「どんな理由があっても、物を投げつけるのは良くないよな。」

 

「でも、あいつら、何を言っても聞いてくれへんもん!」

 

「そんなことないよ。

ママは、気持ちを伝えたよ。

物に当たって、それで誰かや物を傷つけでもしたら、警察ごとやで。」

 

「それでもいい!」

 

「いいことない!

あんたが傷つく!

暴力で何も伝われへん!

考えてみてよ。

生徒が学校に来て、『授業受けへんけど、学割証ください。』って言われたら、事務員さんは、『授業受けてからしか渡せません。』って、言わんなしょうがないと思えへん?

でも、〇〇は、死ぬような思いをしてここまで来たのに、悔しいよな。

そのままの言葉で伝えたらいいねん。

規則は変えられへんかもしれへんけど、思いは伝わる。

動物園、申し込むんやろ?

物を投げつけたことは謝っとこう。」

 

元より素直な子なので、息子は私と一緒に学校に戻りました。

 

「先ほどは、すみません。」

と、私が窓口に声をかけ、学割証明書の発行と動物園(特別活動)の申込みが始まりました。

 

チューター(担任)の先生が、

「落ち着いたか~?」

と、声をかけにきてくれたので、息子も、

「ほんま、すみませんでした。」

と、謝ることができました。

 

帰宅後も息子は調子が悪いままでしたが、仕方がありません。

気持ちを切り替えることが難しいので、どうにもならない思いをひきずったままでした。

 

息子のことは、先生の間では情報を共有していただいているはずですが、事務員さんはどうだったのでしょうか?

情報を共有していただいていても、一瞬のやり取りの中で息子だと気付くことは無理なことかもしれません。

それでも、親と一緒に登校している時点で事情有りなことを察して、もう少し丁寧な応答をしていただけたらなぁと思いました。

 

今回のことで、事務の方や先生方にも息子のことがしっかりと知れ渡ることになりました。

もちろん、息子が投げ付けて壊したバインダーは弁償することになりました。

 


後期授業が始まる

2022年10月09日 | 日記(息子・高校生)

息子の通う通信制高校の後期授業が始まりました。

 

5日、始業式と薬物講習会。

この日、私は5度目のリュープリンの注射を受けることになっていました。

 

病院に行く前に

「(始業式も薬物講習会も)座ってるだけでだいじょうぶやから!」

と、半ば強引に息子を駅まで送っていきました。

 

私が病院から帰ってすぐ、息子も学校から帰ってきました。

 

「疲れた~!」

息子はそう言いながらも、ほっとしたような表情をしていました。

 

学校で幼なじみのY君に会い、一緒に帰ってきたそうです。

電車に乗ると不安が強くなる息子ですが、Y君とウルトラマンの話をしているときは不安がましだったようです。

 

後期の最初の授業は、7日、4~5時間目の英語でした。

息子は週に1~2日、主に昼からの授業を1~2時間受けるようにスクーリングの時間割を組んでいます。

それでも通えない授業があると思うので、その分はNHK高校生講座を観て視聴レポートを提出し、代替えしてもらうことになっています。

 

7日、息子は、

「人が怖い! 電車に乗るのが怖い!」

「でかい図体して何も出来へんやつって、白い目で見てくる。」

と、朝から絶不調でした。

 

この日は、後期のレポート問題を取りに行くことになっていたので、

「ママと一緒やったら行ける?

とりあえず、レポートを取りに行こ!

英語は、教室の入り口近くに座っといて、無理やと思ったらいつでも出たらいいし、そのままいけそうやったら1時間でも2時間でも授業受けたらいい。

ママは7階(生徒サロン)で待ってるから。」

と、とりあえず一緒に学校へ行きました。

 

昼下がりの電車は人もまばらで、

「誰も人のことなんか気にしてないで~。」

と、私は言いましたが、息子は自分がどんな風に思われているのか気になるようです。

特に制服姿の高校生が乗ってくると、息子の表情が強張るのが分かりました。

 

授業は、始まって20分ぐらい経つと頭の中が真っ白になって、何も頭に入らなくなってしまったようです。

それでも、息子は1時間だけ最後まで授業を受け、生徒サロンにやってきました。

 

「上等!上等!

よう頑張った!」

 

それから、どこに寄ることもなく、即帰宅です。

 

家から最寄り駅までは車なので駐車料金が1000円と私の電車賃が往復1200円程かかります。

せっかく都会に出てきたので買い物とかしたいなぁと思うのですが、息子は1分1秒でも早く家に帰りたそうなので叶いません。

 

帰りの車中、息子がばあば(義母)と電話で話をしていたのですが、

「気負わず通っていけそう!」

という言葉が聞こえました。

 

それでいい!

 

始業式が私の注射の日と重なり、後期の始まりということもあって、息子の背中をちょっと強めに押した感じになりましたが、これからは、息子が気負わずに通い、気負わずに休めるよう、おおらかに接してあげたいと思います。

 

 


「虫を殺したくない」

2022年10月01日 | 日記(息子・高校生)

10月が始まりました。

 

通信制高校の後期始業が近づくにつれ、息子の調子はますます悪くなってきました。

私から離れられず、手を握ったり、本当にすぐ傍に私がいないと落ち着かない時間が増えました。

 

それと同時に、

「虫を踏むかもしれないから、外に出るのが怖い。」

などと言い始めました。

 

先日、息子は、家の中にいた小さなクモを外に逃がしたのですが、

「爪が伸びているから、爪で殺してしまったかもしれない。」

と言って、庭に確認に行きました。

 

クモは見つからず、今度は、

「僕が踏んで、ほんまに殺してしまったかもしれない。」

と、言い出しました。

 

それから、延々と、

「クモを守りたいっていう自己満足のために、逆にクモを殺してしまったかもしれない。

クモにとってはいい迷惑や!」

とか、

「殺してないって思いたいがために、確認に行って踏んだかも!

ますます死に追いやってしまった。」

と、何時間も悔やんでいました。

 

「自然のものは自然に任せた方がいいってことや。

〇〇が何もしなくても、そのクモは死んだかもしれへんし、生きてるかもしれへん。

虫は、たくさん生まれても、生き残るのはほんのごく一部や。

だから、一度にたくさん生まれるんやけどな・・・。

もし、普通に歩いてて、虫を踏んで殺してしまったとしても、それは死ぬ命やったんやと思う。

でも、虫を踏んで殺す確率って、かなり低いと思うで~。」

 

私はそんな風なことを話しました。

 

「そやけど、一つの命が絶たれたかもしれへんのやで!

何でそんな平気なん!?」

 

「人間はたくさんの命のおかげで生きているやん。

豚とか魚も食べてるし・・・。

虫を好んで食べる国もあるし、害虫やったら、ママは殺すで。

殺虫剤でシューっと。」

 

「目の前の虫のことだけ考えるのは変かもしれへんけど、僕は殺したくないと思っちゃう。」

 

「〇〇は優しいから。

それに、そこだけに考えが集中してしまうのも辛い原因かもしれへん。

もっと大きくおおらかに考えることが出来れば、楽になるかもしれへんよ。」

 

「〇〇みたいに虫のことを真剣に考える人がいたから、虫を寄せ付けへんだけで殺さへん防虫剤や、殺すにしても苦しまずに一瞬で凍死させる殺虫剤が出来たのかもしれへんなぁ。

〇〇も虫のために何が出来るか考えてみたら?」

 

実は、息子は虫が大の苦手です。

車の中に羽虫が入って飛んでるだけで、パニックになったことがありました。

 

クモも、恐る恐るつまんで慌てて外に逃がしたため、殺してしまったかもしれないと思ったようです。

 

この一週間は息子の気分の落ち込みが激しいので、余計に自分を責めているのかもしれません。

 

10月5日、特別活動となる後期の始業式と薬物講習会があります。

 

果たして息子は登校出来るのでしょうか・・・?