19日、息子は朝から調子が悪く、朝食と服薬のために6時半に起きてきましたが、ほとんど食べることが出来ませんでした。
その後、息子は昼過ぎまでずっと眠っていて、1時過ぎに起き出し、おにぎり1個と卵焼きと味噌汁を1時間程かけてなんとか食べることが出来ました。
「落ち着かへん。」
を繰り返し、息子は何度もハグしに来ます。
「ぎゅっとして。」
「背中さすって。」
私が思いっきり力を入れても、満足せずに、
「もっと強く、力入れて。」
と、要求します。
その日の息子は不安で何も手に付かない様子で、午後2時、6時、8時(この時は、夕食後にリスパダールOD錠、レクサプロ錠と共に)、3回クロチアゼパム錠(リーゼ)を服用しました。
夕食後に薬を服用後、「気持ち悪い」を繰り返していた息子でしたが、なんだか一気に調子が悪くなっていくようでした。
「吐きそう!」
「苦しい!」
ふらふらと体を揺らして物に当たったかと思うと、足をどんどん踏み鳴らしたり、
「頭から記憶が消されていく~!」
と言いながら、頭を右に左に揺らして、その目は焦点が定まらず、私は怖くて怖くて仕方がありませんでした。
もがき苦しむというのでしょうか、息子はふらふらと暴れた後、ぐた~っと床に寝そべって、しばらく放心状態になりました。
そうかと思うと、またいきなりスイッチが入ったように叫び出しました。
「なんで俺だけ、頭の中に何かがおるん?」
「なんで俺だけ、食べ物の中に何か入ってるかも?とか、気になるん?」
「なんで俺だけ、だいじょうぶやって分かってんのに気になるん?」
「なんで俺だけ、みんなが普通に出来ることが出来ひん?」
「なんで俺だけ、こんなにしんどいん?」
「だいじょうぶやで。
今は病気やからこういう状態やけど、絶対に治るで! 絶対に乗り越えられるで!」
私がそういうことを言うと、
「そんなこと聞きたいんとちゃう!」
そう言って、
「うわ~~っ!」と、叫んで、わめいて・・・。
気が付けば10時を回っていて、息子も私もぐったりと疲れ果ててしまいました。
息子は風呂にも入れず、服も着替えないまま、這うように階段を昇って寝室へと向かい、そのまま眠ってしまいました。
息子の苦しみを、代わってやることも助けてやることもできない自分の無力さ。。。
その日の交換日記に、息子の問いかけの答になるかは分かりませんが、こう記しました。
【〇〇は「広汎性発達障害」と診断され、今は、「自閉症スペクトラム障害」という名前に変わっているけど、それは、まだまだ研究が途中で、原因とかもはっきり分かっていなくて、これから先も何か分かって変わることがあるかもしれへんねんて。
どんな障害かっていうと、脳の機能が関係しているらしい。
情報を受け取ったり、逆に情報を発信するやり方が他の人とはちょっと違うらしい。
目で見たこと、耳で聞いたこと、感覚として伝わってきたことを脳で理解するんやけど、ちょっと違うやり方やから、他の人と考えがずれたり、時間がかかったり、フリーズして真っ白になったりしやすいんやて。
情報の発信の方は、喋り方とか、体の動かし方に関係しているらしい。
思い当たることがあるんちゃう?
みんなのように出来ひんと、不安が大きくなってしまうよね。
みんなと同じやり方やったら、出来ひんでも当たり前のことが多いねん、実は・・・。
ママは眼鏡があるから普通に生活出来てるけど、眼鏡がなかったら、どんな生活になると思う?
目が悪くてよく見えへんから、きっと出来ひんことも多くて、ストレスたまりまくりやろうし、そもそも勉強も仕事も出来ひんと思う。
〇〇には〇〇のやり方が必要やし、眼鏡のような支援グッズや、システムみたいなものがあったら生活しやすくなると思うねん。
東田直樹さんって、知ってる?
NHKの番組観たかな?
重度の自閉症で言葉もうまく喋られへんし、ぴょんぴょん、くるくる動き回ったり、奇声を上げたりしてたね。
でも、お母さんが文字の指示盤を作って、書けなくても話せなくても気持ちを発信できるように支援され、それがワープロで文章を作ることに繋がって、素晴らしい本を何冊も出されることになった。
何が言いたいかっていうと、〇〇には〇〇のやり方が見つかって、もっと楽になれるし、素晴らしい人生を送れるってこと。
今はその途上やから、失敗したり苦しい思いもするけど、それはいつか「経験」という宝に変わっていく。
病院の先生や、学校の先生、友達とか、色んな人達の力を借りながら、一緒に〇〇の不安をなくす方法や充実した生活を送れる方法を考えていこう。
だいじょうぶやで!
必ずまた、楽しく生活出来るようになるからね!】