7月31日水曜日、25日から延期した息子のメンタルクリニックに行ってきました。
この日、息子は、15分ぐらいでカウンセリングをリタイアしてしまいました。
息子がそわそわと落ち着かない様子だったので、カウンセリングの先生が、
「何か焦ってる?」
と、声をかけたそうです。
息子は、
「焦ってない!」
と、声を荒げ、居心地の悪さを感じたのか、
「今日は、無理!」
と言って、部屋を出てしまいました。
カウンセリングの先生は、本人は無意識なのかもしれないけど、息子の話す言葉と表情や態度が一致していないと言っていました。
「先週の25日にクラブの遠征があって、『もしかしたらメンバーに選ばれるかもしれないから、カウンセリングをキャンセルして』って、〇〇に頼まれたのですが、やはりメンバーには選ばれなくて、私は当然のことだと思いましたが、〇〇はショックだったみたいで、それからずっと調子が悪いです。」
「それでも、居残り組のメンバーの中では自分は2年生やし中心にならないといけないと思ったのか、調子が悪い中、学校での練習に参加しました。
『不安で仕方ないから、学校に待機しといて。』と言うので、サッカー部の練習を見学していたのですが、〇〇に全く不安な素振りはなく、声を出してみんなを引っ張っていました。」
「次の日の練習は、待機しなくてもいいと言うので、私は一旦帰ったのですが、1時間ぐらいで『調子が悪いから迎えに来て』と、電話がありました。
後で、先生から電話があって分かったのですが、どうやら先生に何も言わずに勝手に抜け出してしまったそうです。
ちょうど先生が用事でその場にいなかったせいもあるのですが、同じ学年の子に声をかけただけで、水筒やタオルも置いたまま帰ってしまったそうです。
『もう、限界やってん。』と、〇〇は言っていました。」
「その次の日の練習は、自分から休むことを決めました。
先生に電話をしているのを聞いたのですが、
『昨日は無断で帰ってしまって、ごめんなさい。』
と謝って、それから、
『今日、練習に行ったら、自分が崩れてしまうような気がするから、休ませてください。明日は必ず行きます。』
と、言っていました。
学校での〇〇の様子を見ていると、本当に全く不安な素振りが見られず、調子が悪いとは絶対に分からないと思うのですけれど、本人は限界ギリギリのところまで頑張っているんだと思いました。」
「頑張りたくても、調子が悪くなってしまうんです。
『3年生の先輩達と一緒に試合に出たい』というのがあの子の目標だったので、引退まで1ヶ月を切ってしまった今、ものすごく焦っていると思います。
遠征のメンバーに選ばれなかったとき、『もう、先生の信頼を失ってしまった?』って、泣いていました。
『そんなわけないやん!
朝早くからの長時間になるから、〇〇の体調を心配して、先生は選べへんかったんやと思うで。』
と、〇〇に言ったんですけど、試合のメンバーは上手な子より真面目に練習に参加している子が選ばれるらしく、『休みがちな自分は、もう試合に出ることは出来へんかもしれない』という不安があるのかもしれません。
たとえ試合に出れなくても、3年生達と一緒に部活を、自分の精一杯頑張ってやってきたと思えればいいんですけど、3年生が引退した後、あの子はどうなるのかと、私も不安に思っています。」
カウンセリングの先生に話しながら、こんなぎりぎりに追いつめられた状態で頑張っていたら、夏休みに入ったからといって調子が良くなるわけがないし、落ち着かないのも当然かもしれないと思いました。
先生も、
「3年生の引退までは落ち着くのは難しいかなと思われますし、これから、彼が『もう限界だ』と思うような状況になることも予想されます。
引退後に、彼になんらかの変化があるかもしれませんね。」
と、言われました。
どんなときも、ただただ息子に寄り添って、見守っていくことしか出来ません。
診察では、息子は、長い沈黙の後、
「頑張ろうと思ってるのに、学校に行く前になったら、不安でどうしようもなくなってしまう。」
と、言っていました。
「不安なんやね。
今は夏休みで、学校はお休み?」
「はい。部活だけ。」
「部活はやってて、楽しい?」
「はい。楽しいです。」
「楽しいなら良かった。
お母さんと話をするから、ちょっと待っててくれるかな。」
息子だけ先に診察室を出ることになりました。
「今までの所に戻るというのは、難しいのかもしれません。
実は、こういう学校があるのですが・・・。」
と、「N中等部」という学校をパソコンの画面を使って紹介されました。
「〇〇は、『他の所に通えるんやったら、学校に行ってる』と、言ってますが・・・。」
「誰もがそう言うんじゃないでしょうか。
僕だってそう言うと思います。
本当にそこに通うことが出来るかも分からないのに、親に負担をかけたくないと思って・・・。」
「でも、〇〇は、サッカー部に行きたがってます。」
「そこなんですよね、彼が違うのは・・・。
一概に言えないとは思いますが、選択肢は多い方がいいと思います。
高校なら色んな学校があるのですが、中学校はなかなかないんですよ。
今の中学校に在籍しながら、通うことになるみたいです。
面白そうな授業がありますよ。」
「一度検討してみます。」
「将来のことを心配されていたので、紹介させていただこうと思いました。
楽しいことを見つけて、楽しく過ごしてくれたらいいんですけどね。」
この日も、これまで通り「リスパダールOD錠1mg(0.5mgを2錠)と、レクサプロ錠10mg(1錠)、ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒5g(2包)、頓服としてエチゾラム錠(デパス)を一日4錠まで」を処方されました。
次の診察は1週間後です。