やっぱり幸せ♪

日常の色んなこと、特に発達障害を持つ息子との素晴らしき日々を綴っていきたいと思います。

息子の本音

2021年10月21日 | 日記(息子・高校生)

メンタルクリニック受診の翌日、始業から最後の7時間目まで学校で過ごした息子でしたが、さすがにその翌日は欠席することになりました。

 

その後、中間テストに突入。

始業時間が30分遅くなり、2科目のみが4日間続きました。

 

授業はほとんど出ていないし、教科書等は学校に置いたまま。

試験範囲も分かりません。

 

教室の息子の机にはプリントがどっさり入っているようで、恐らくそこには試験範囲のお知らせや授業で使うはずだったプリントもあるはずです。

息子に何度も持って帰ってくるように声を掛けましたが、とうとう試験が終わるまで持って帰ってきませんでした。

 

試験を受ける。

今の息子にはそれが精一杯で、勉強する余力は無いようです。

 

何のための試験か?

そういう気はしますが、まだこの学校に通う気持ちがあるという息子の意思表示のように思います。

 

先日、息子とこんなやり取りをしました。

 

「クラスで、『あれ?、何かやらかした?』って空気になるときあるけど、俺からしたら、クラスのやつに『あれっ? それはおかしいで!』って、思う時ある。

何で俺だけ、はじかれなあかんねん?

俺に合ったとこに通ったらいいって言うけど、俺はここがいいねん!

学校に行かれへんくても、学校に行きたくないんじゃない!

ほんまにしんどくって、だいじょうぶかな?って、不安になって行かれへんねん。

けど、負けたくない!

(発達?)障害があるからって、それに負けて転校するのが嫌やねん!」

 

そう言って、息子は泣き出しました。

 

「誰も、はじこうなんて思ってないで~。

先生も、『出来ることは何でもする。』って、言ってくれてるやん。

ただ、しんどくて不安になって通われへんのは、〇〇が無理してるからちゃうか?って、心配はしてる。

本田先生も講演で言ってたやろ、『ASDの中学生の不登校率は54%ぐらいで、定型発達の子の7%よりずっと高い』って。

それは、学校が、ASDの子にとってしんどい環境やから

(全日制の)高校も同じやと思う。

そやけど、しんどいのを承知で、〇〇がこの学校に通いたいって思うんやったら、通えばいいんやで。

ただ、通わんな、単位が取れな、進級出来へんからな・・・。

あんたの中で、留年するのはありなん?」

 

「留年はない…かな。」

 

「じゃあ、今は、ぎりぎりのところにおるやん。

『自分に合った』っていうのは、〇〇の体調に合ったっていう意味でもあるねん。

毎朝、出席せなって、苦しい思いするより、自分のペースで登校して、4~5年かけてゆっくり単位を取る方法もあるってこと。

選ぶのは、〇〇や。」

 

「ほんまに選んでいいの?」

 

「ずっとそう言ってるやん!

それに、『障害に負ける』っていうのは違うと思うで。

『障害』ってな、社会や学校側にもあるねん。」

 

「自分じゃなくて、向こう側にあるってこと?」

 

環境によって、障害って、どんどん小さくなるねん。

だから、先生は、「こうしてほしいって要望があったら教えて。」って言ってくれてる。

世の中も、障害を持ってる人や家族とかサポートする人が、『こんなことに困ってる!』『こんなサポートがあったら!』って発信して頑張ってきたから、ちょっとずつ変わってきた。

今は、『どんな人も、自分らしく生きられるように!』っていう世の中や。

まだまだ理想で、そうはなってないけど、高校は色んな学校の中から選ぶことが出来る。

〇〇に合った環境の学校を探すのは、負けどころかプラスやと思ってる。

もちろん、このままここで頑張るのもありやで。」

 

「俺は、自分に合えへんからって諦めたくないねん。

中学のときに、こいつ絶対合えへんって思ってたやつとうまくいったことがある。」

 

「サッカー部の子やろ?

〇〇とじっくり付き合ったら、絶対に〇〇のいい所は分かってくれる

高校では、〇〇と一緒にいる時間が少なすぎるから、誰もまだ〇〇のいい所は分からん。」

 

「無理していい所探そうとせんでいいねん。

悪いとこあったっていいやん。

悪いとこは悪いって言ってほしい。

変なとこあったって、別にいいやん

俺は、悪いとかおかしいと思ったことは言う。

何も言わんと変な空気作らんといてほしい。」

 

変な空気を作るのは、息子の言動なのか、受け止める周りなのか?

 

「もし、ママが、あんまり付き合いがない人に、『悪い』とか『変や』とか指摘されたらびっくりするかな。

『あんたに言われたくない!』って、思うかもしれへん。

仲のいい人には、逆に言ってほしいこともある。

言いたいことを言ったり言わんかったり、言葉を選んで言うのがマナーやねん。」

 

「でも、思ったこと言えへん方がきもち悪くない?

心の中で思ってることと言ってることが違うんやで。

『これ言ってもだいじょうぶ?』って考えると、俺は何も話されんくなる。

どこまでやったら言ってよくて、どこからがあかんのか教えてほしい。」

 

「広汎性発達障害のある人の苦手なところや。

思った通りに話して、相手を怒らせてしまったり、逆に『こう言った方がいいのか?』って、色んな可能性を考えてしまって、話に付いていかれへんようになったり・・・。

どこまでならいいとか、正解はないねん。

時と場合や立場、そのときの状況によって違うから。

ただ、相手も自分も傷付けへんようにって、ママは思ってる。」

 

空気を読んで話すことが、必ずしも正解ではない。

おかしいことはおかしいと、はっきり言うことによって良い方向に変わっていくこともあるはず、と、息子と話しながら思いました。

 

「それに、クラスの子らも、〇〇とどう話したらいいかって悩んでるかもしれへんで。

〇〇がすぐ調子悪くなって、クラスにおらんようになるから、『もしかして自分の接し方が悪かったんちゃうか?』って、思ってるかもしれへん。」

 

「そうやなぁ。

それはあるかもしれへん。

俺だけちゃうんかもなぁ・・・。」

 

少しだけ息子の本音が見えた気がしました。

 

転校するのは負けだと思っていて、苦しくてもこの高校に通いたいと思っている。

クラスに馴染めていない寂しさ。

コミュニケーションの不得手。

悪いとこ、変なとこっていうのは、何かやらかしてしまったことや苦手なことを言ってるのかな?

それを見ないふりせず、ありのままの自分と向き合ってほしいという思い。

本音で話せる友達が欲しいよね。

 

親は、何もしてあげることが出来ません。

息子を信じて、ただ見守るだけです。