醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより  816号  白井一道

2018-08-09 12:54:34 | 随筆・小説


 安倍晋三はファシストだ②


 自民党第二次安倍政権は特に沖縄に住む人々の人権を軽視している。安倍政権は日本国民の人権より在日米軍の存在を大事にしている。最近こんな出来事があった。
 2008年、1月17日、 米海兵隊員2人がタクシー運転手を殴って怪我を負わせ、料金を払わず逃走した。強盗致傷容疑で米兵は逮捕された。この十年前の事件について那覇地方裁判所が判決を言い渡した。経過は次のようなものである。
 家族は沖縄防衛局を通じて米軍側に損害賠償を求め続けてきたが、米軍側からは何の回答もなかったという。 
 昨年、ようやく慰謝料を支払う旨の示談書が示された。
 慰謝料は約145万円。加害者を永久に免責するとの条件が付けられていた。家族は損害賠償請求訴訟を起こした。
 那覇地裁沖縄支部は2018年7月5日、請求をほぼ認め、米兵2人に遅延損害金を含む計約2640万円の支払を命じた。米軍は145万円以上びた一文も支払わない。残りの2495万円は日本政府が支払うことになった。
 米軍の沖縄駐留が日本国民の生活を不安にしている。日本の国民生活の安全をそこなっている。日本国民が安全に生活することを保障する日本国憲法を破壊する安倍政権と言わざるを得ない。
 日本国民が米兵に危害を加えられ訴えていることに耳をかすことをせず、米軍の言いなりになる。これが日本国の政府なのか。安倍政権はアメリカの傀儡政権なのか。疑わざるを得ない。
 日米地位協定によると日本政府は米軍駐留経費を一切支払う必要はないようだ。
 米国防総省が公表した「共同防衛に関する同盟国の貢献度報告」(2004年版=これでも最新版)によると、02年度に日本が負担した米軍駐留経費負担額は44億1134万ドル(5382億円、1ドル=当時の122円で計算)とされ、同盟国27ヵ国中でダントツの1位。続くドイツと比べ2.8倍、韓国と比べて5.2倍もの巨費を投じている。負担割合でみると、74.5%で、こちらも堂々のトップのようだ。
 駐留米兵一人当たり、1293万円もの額を日本政府は提供していたようだ。
 日本国民より日本駐留米兵を篤くもてなしていると言わざるを得ない。なぜなら現在日本国民は70歳を超えると医療費は二割負担となっている。75歳を超えると後期高齢者医療となる。後期高齢者保険料は75歳未満より高くなったと聞く。さらに追い打ちをかけるように現役世代の負担を軽くするよう現役世代と同じように3割負担にしてはどうかということを安倍政権は検討を始めたと聞く。
 私は主張したい。安倍政権が日本国民の人権を大事にするというのなら、駐留米兵への思いやり予算を減額し、日本国民への思いやり予算を増額しろと言いたい。
 東京都のような予算規模の大きな強大な地方自治体と比べて沖縄県は人口、経済規模が弱小である。日本で一番弱小な地方自治体なのかもしれない。後期高齢者、75歳以上の老人は成人の中にあって一番弱い人々であろう。一番弱い人々、一番弱い地方自治体に最も厳しい安倍政権。弱きを挫き、強きを助く安倍政権。
ユダヤ人という弱者を苛め抜いたドイツのナチス党。弱者を虐めるのがファシズムの特徴なのだろう。安倍晋三は日本の弱者を虐めている。
「ファシズムの初期症候」には「性差別の横行」という特徴があるという。
最近話題になっている杉田水脈自由民主党衆議院議員の発言である。7月18日発売の月刊誌「新潮45」で杉田氏は同性カップルについて「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」と主張。日本社会は歴史的に「寛容な社会だった」とし「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」などと記していた。
ここ数年、新潮45を含めた右派系総合雑誌に登場する「常連」の論者のひとりとして、昨年9月号では、シングルマザーについて、離婚の理由が相手の暴力でも「そんな男性を選んだのはあなた」「ある程度は自己責任」と批判。今年6月号では、「不用意に女性を持ち上げた結果」、「日本がずっと大切にしてきた価値観が失われた」などと主張している。
このような性的少数者や離婚した女性に対して厳しく虐めることを容認する安倍政権はファシズムの特徴なのだろう。強い者へ、強い者へと靡き、弱いものを苛め抜いていくのが安倍政権かもしれない。