醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより  818号  白井一道

2018-08-11 10:56:04 | 随筆・小説



 安倍政権は民主主義を破壊している



 民主主義とは話合い、合意を得て、政治的決定をするという政治思想をいう。
 ところが沖縄県民の意思を代表する翁長県知事との話し合い、合意形成をすることなしに、国が決めたことを沖縄県に強制している。これは民主主義に反する。独裁政治である。日本国憲法をないがしろにする政治的決定を安倍晋三総理はしている。
 安倍政権に苛め抜かれて翁長沖縄県知事は癌を病み、亡くなられた。心の底からお悔やみ申し上げたい。
 安倍総理は翁長沖縄県知事を苛め抜いたことを反省するどころか、蛙の面にションベンとは、このことか言う顔をして次のような談話を出している。「安倍晋三首相は9日、長崎市で記者会見し、8日に死去した沖縄県の翁長雄志知事について「沖縄の発展に尽くされた貢献に敬意を表したい」と述べ、哀悼の意を表明した。その上で、沖縄県の基地負担軽減と経済振興に全力を挙げる方針を強調した」と新聞は報じている。また菅官房長官は次のように述べている。辺野古新基地建設については「唯一の解決策にかわりはない」と従来通りの考えを示した。
 辺野古新基地建設は沖縄の民意ではないということを翁長県知事は述べている。にもかかわらず、安倍総理や菅官房長官は普天間米軍基地を閉鎖するには、辺野古に新基地建設を建設する以外に道はないということを繰り返し述べている。
 沖縄の民意はもちろん普天間米軍基地の閉鎖、辺野古新基地建設はしない。米軍基地を限りなく閉鎖、無くしていきたいというのが沖縄の民意である。
 日中平和友好条約が1978年に締結されて、今年で40年になる。中国との平和友好を深めていくことが日本国の経済の発展になる。沖縄の経済の発展になる。なぜ安倍晋三氏や菅義偉氏など自民党政治家は中国や北朝鮮との平和友好関係を深めようとしないのか、不思議である。
 最近、恐ろしい発見がありました。日本ジャーナリスト会議のホームページを見て、次のような記事を発見した。共産党、赤旗記事がJCJ賞を受賞した。その記事が次のようなものであった。
「核態勢見直し」策定に向けて米議会に設置した諮問機関が行った意見聴取での在米日本大使館関係者の発言記録を赤旗記者が入手。当時の駐米公使(秋葉剛男・現外務次官)が核巡航ミサイル・トマホークの退役に関して代替兵器の配備を要請したり、核弾頭の最新鋭化を促していた事実を報じました。また、沖縄への核兵器貯蔵庫建設の打診に対して「そうした提案は説得力があるように思える」と肯定発言をしていたことを暴露しました。
 JCJは、授賞理由として「独自に入手した米側の文書をもとに、オバマ政権が標榜(ひょうぼう)していた『核のない世界』の強大な妨害勢力の一つが、唯一の戦争被爆国で非核三原則をもつ日本政府であった事実を告発している」と評価。「この報道は沖縄地元2紙、共同、時事などで相次ぎ、国会では共産党だけでなく他の野党も追及し大きな反響を呼んだ」ようだ。
 日本の外務官僚が非核三原則を無視するようなことをしている。これは日本国民を愚弄するものだ。日本国民の生命、財産を危機に晒すようなことをするのが外務官僚なんだ。
 「とことん共産党」をyou tube で見た。ゲストが法政大学教授山口二郎氏だった。山口氏は外務官僚を宦官だと切り捨てた。中国皇帝に仕えたのが去勢された官僚、宦官である。日本の外務官僚が仕える皇帝とはアメリカ政府なのかもしれない。オバマ元アメリカ大統領は「核なき世界」を唱えたがここにアメリカ政府の本流があるとは、見なさず、核によるアメリカの世界支配、ここにアメリカの本質があると現外務省事務次官秋葉剛男氏は考えていたのであろう。秋葉氏の考えが総理大臣安倍晋三氏の考えでもあろう。このような日本国民の民意よりアメリカ政府の方針に忠実であることが大事なことであると考えている以上、沖縄の民意を尊重する民主的な政治決定はあり得ないのかもしれない。
 その時の中米大使秋葉氏の発言はアメリカ共和党政治家を励ましたとも言われている。日本の野党政治家の中には民主主義を大事にする人がいる。アメリカにも民主主義を守ろうとする人々がいる。日本とアメリカの民主主義を守り、育てていこうする政治家が協力し、平和を守りたい。