「総務省が29日発表した6月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は27万2791円と物価変動を除いた実質で前年同月比3・0%減少しました。消費税増税前の駆け込み需要の反動減で3カ月連続のマイナスとなりました。 減少幅は5月(8・0%減)に比べ縮小したものの、1989年4月の消費税導入時、97年4月の税率引き上げ時と比べ、5~6㌽大きくなっています」(「しんぶん赤旗」30日付)
「6月時点の実質消費支出指数は、消費税が導入された1989年99・7、消費税率を3%から5%へ引き上げた97年は99・1でした。 それに対し、今年は93・9でした。 89年に対しては5・8㌽、97年比では5・2㌽も低くなっています。 とりわけ、光熱・水道代や教養・娯楽代で減少が目立ちます。 実質消費支出指数とは、前年平均を100とする消費支出の季節調整指数です」(同紙)
「消費支出の落ち込みが大きい背景には、所得の伸び悩みがあります。 勤労者世帯の6月の実収入は前年同月に比べて1万8303円減少し、名目でマイナス2・5%、物価変動を考慮に入れた実質で6・6%の大幅減少でした。 実収入から税や社会保険料を除き、家計が自由に使えるお金とされる可処分所得は、実質8・0%の減少です」(同紙)
「賃金が伸びないもとで、物価ばかりが上昇しています。 この家計の苦しさをかえりみず、来年10月に消費税増税をねらう安倍晋三内閣は退陣に追い込むしかありません」(同紙)
「総務省が29日発表した労働力調査によると、6月の全国の完全失業率(季節調整値)は前月比0・2㌽悪化し、3・7%となりました。 悪化は10カ月ぶりです。 完全失業者数は244万人で同11万人増加しました。 完全失業率を年齢別にみると15~24歳の若年層で7・2%と、前月比0・9㌽悪化しました。 とりわけ男性では、1・1㌽悪化の8・6%と深刻な水準です」(同紙)
「役員を除く雇用者数(原数値)は5260万人と前年同月比34万人増加しました。 しかし、正規雇用は同2万人の減少です。 とりわけ男性の正社員は同15万人も減少しました。 一方、非正規雇用は同36万人増加し、1936万人となりました。 雇用者に占める非正規雇用の割合は36・8%となりました」(同紙、以下同じ)
「雇用者数を従業上の地位別にみると、『常雇い』のうち『有期の契約』は1054万人。 『臨時雇い』の345万人、『日雇い』67万人と合わせ、有期雇用労働者は1466万人でした」
「正社員の有効求人倍率は0・68倍と前月比0・01㌽上昇したものの、いまだに求職者3人に対し2人分程度の求人しかない状況です」
安倍首相は、通常国会閉会後の記者会見で、「この国会は、まさしく好循環実現国会でありました。企業の収益が雇用の拡大や所得の上昇につながり、まさに経済の好循環が生まれようとしています」と自画自賛しました。
日本共産党の志位和夫委員長は、15日の記念講演会で「経済の好循環なるものは現実にはどこにも存在しておりません。 首相の頭のなかにだけ存在する、『幻』にすぎません」と厳しく指摘しました。