英会話ブームと呼ばれる状況が日本にもかってありました。15年近く前、大学生やビジネスマンが我先に英会話教室の門を叩いたバブル期前後のことです。その頃に比べればブームは去ったと言えるでしょうが、2005年の今も英会話ビジネスは拡大を続けています。児童英会話、テレビ電話やウェブを使った在宅レッスン等々の新サーヴィスを導入しつつ、大手の英会話スクールは拠点数の拡大を進めています(★)。
また、小規模の個人経営的な英会話教室も(『タウンページ』をベースにした調査では、)この15年間でけして減少してはいません。あるいは、起業家セミナーやアントレプレナーフェアでのアンケート調査を見ても(これは企業秘密であり詳細の数字は書けませんが、初期投資額の大きい「飲食系」を避けて比較的少ない開業資金で起業できる)学習塾等の「スクール系」に関心のあるフランチャイズオーナー希望者の間では、投資対象としての英会話スクールの人気はけして低くないです。要は、英会話研修のニーズは、ブームなどという一過性のものではなくなり、この15年間で日本の社会にビルトインされたのだと思います。
★註:英会話スクールの規模
各スクールが公表している生徒数などは実はあまり参考になりません(笑)。よって、ここでは、児童英会話を除いたアダルトの生徒が通学するための拠点数で各スクールの規模を比べてみたいと思います。いずれも2005年7月5日の各社のホームページで確認したもの。それによれば、ECC(150拠点);NOVA(620拠点);ジオス(510拠点);イーオン(250拠点);gabaマンツーマン英会話(27拠点);ラド・インターナショナル(4拠点)。
拠点の坪数や間取りの雛形(とそのパターン)は各社の企業秘密であり正確な所は何とも言えませんが、各スクールの想定平均顧客単価と家賃の推定平均坪単価と人件費ならびに広告宣伝費から逆算すると、(大教室・中規模教室の差を捨象して大雑把に推計すると)損益分岐点を越え初期投資を3年で回収するためには各拠点には最低でも常時150人の生徒数が必要になると思います。つまり、NOVAだけでも真水で90,000人の受講生を抱えており、入退会を含めた述べ生徒数が年間200,000人というのも満更嘘ではないのです。
英会話への日本人の関心は底堅い。それ自体は悪いことではないでしょう。しかし、日本の英会話には一種<歪な常識>が絡みついているのではないか、日頃から私はそう感じています。それは次のような<常識>です。
・英会話は英語のネーティブスピーカーに習わなければ身につかない。
・少人数であれば少人数であるほど英会話のレッスンは効果がある。
・英会話は「勉強」するものではなく「トレーニング」によって始めて身につくものだ。
・受験勉強のように嫌々勉強するのではなく、話したいことが話せるようになる喜びを
感じながら楽しくトレーニングすることが英会話上達のコツである。
・英会話能力の開発のためには留学が理想だ。よって、留学するのと同じような環境を
準備した「英会話スクール」が良いスクールである。
このような<常識>について皆さんのご意見をうかがいたいと思います。その議論の叩き台にすべく以下にNOVAとgabaマンツーマン英会話の主張を収録しておきます。何故この両スクールを取り上げたかというと、NOVAは最大手の英会話スクールというだけでなく、「英会話は英語のネーティブスピーカーに習わなければ身につかない」という思想を明確に打ち出した最初の全国区のスクールであること、そして、gabaマンツーマン英会話はかなり後発ながらも(1995年創業。しかも、そのビジネス展開も現在は首都圏に限定しているものの)、「少人数であればあるほどレッスンは効果的である」という理念を勇敢にも他者との差別化ポイントにした始めての英会話スクールということによります(★)。
★註:NOVAとgabaマンツーマン英会話を選択した理由の補足
ECCやラド・インターナショナル、ジオス、イーオンは日本人講師と英語のネーティブスピーカーの講師を併用しています。講師は原則全員が外国人ではあっても例えばシェーン英会話スクールのようにフランチャイズ展開に頼るブランドは本部の思想が末端の現場まで行き渡っているとは限らない。消去法から言っても、上に述べた<常識>を全国規模で、かつ、思想的に考えるためにはNOVAとgabaマンツーマン英会話の主張を取り上げるのが最も適切と思いました。
尚、私は、おそらく日本で始めて「実用英会話のレッスン」を「どの拠点スクールでも」、ということは「日本人講師でも」、かつ、「一定水準の品質を確保」しながら「教えられる教務マニュアルを整備した」という点で、日本の英会話スクールの歴史の中でECCが果たした功績はけして忘れられるべきではないと考えています。地方を中心にした堅調なECCジュニアビジネスの成功は偶さかの成功ではないと思います。
◆NOVAの主張
『なぜ、日本人は英語を話せないのか?』(nova:駅前留学NOVAが発行するミニフリーマガジンVol.1)からNOVAの主張を要約引用しておきます。
(1)「勉強」では身につかない英会話力
中学・高校で6年間も英語を勉強したのに、それだけでぺらぺらしゃべれるようになった人はほとんどいないはず。それは文法を丸暗記したり、単語を詰め込んだりするような“読む・書く”を重視した方法で、読み書きに必要な知識は得られても、外国語を聞き・話す力を習得するのに適した方法ではないから。
(2)英会話力習得の鍵は海外留学
外国語を身につける近道は、みなさんご存知の通り「海外留学」。海外留学の環境では、自らの意志とは関係なく、生活していく上で外国語を聞き、話さざるを得ません。実際のコミュニケーション・経験を通して覚えた外国語は、なかなか忘れないもの。だから自然に無理なく身につくのです。(中略)国内で身につけるにはどうしたらいいでしょうか?
(3)NOVAは、海外留学の環境を国内で再現!
NOVAは、海外留学並みにたくさんの外国語を聞き・話せ、レッスンを無理なく続けられるため(には次のポイントを英会話スクールは備えるべきだと考えます)。
・ネーティブスピーカーと少人数でレッスンすること
・多くの量の外国語を聞き・話せる環境であること
・カリキュラムが一人ひとりに対応していること
・続けられる環境であること
(4)上達のヒミツは「第二言語習得法」
・外国語を第二の母国語(ママ)として身につける方法
これに対して、これまで多くの日本人がしてきたのは、外国語を外国語として学習するという「外国語教授法」でした。
・講師はネーティブスピーカーでなければならない。日本人の講師は絶対に不か
これに対して、これまでの英会話学校では、日本人の先生。または日本人と外国人のペアティーチングが主流でした。
・ネーティブスピーカーが英語で、英語を教えるスタイル
これに対して、これまでは日本人の先生が、日本人の生徒に、日本語で、外国語を教えるスタイルでした。必然的に、文法・構文・発音などが中心となっていました。NOVAのスタイルでは、身振り手振りを交えた片言から始め、“実践的”なトレーニングでだんだんきれいで流ちょうな話し方に仕上げていきます。
・子どもが言葉を自然に身につける順番で英語を習得していきます
話す→聞く→書く→読む。これに対して、これまでは文法・構文の学習が中心で、読む→書く→聞く→話す の難しい順番に習得してきました。
◆gabaマンツーマン英会話の主張
各種英語学習雑誌に2005年3月-4月に出稿された広告『gabaの理由』から引用します。
(1)これまでの英語教育は嘘だと思う。
日本人は中学と高校の授業だけで、少なくとも1,100時間という途方もない英語学習量に拘束されているにもかかわらず、皆からっきし話せないから。
(2)語学をグループレッスンで勉強するのは、どうも摩訶不思議な方法だと思う
他の日本人がしどろもどろ話すのを聞く時間の方が、講師が話す時間より長かったりして、率直にそれは逆効果だから。
(3)英会話業界を根底から覆していきたいと思う
各社とも大差ない(と、我々の目には映る)サービスで、イメージだけの競争に甘んじてきたから。カウンセラーとよく相談した上で、優れたマンツーマン専門講師との1対1レッスンを行うことが、最も効果的な英会話の学習形態であると思う。そこでは、あなた自身がよく聞きよく話す、しかないから。
◆KABUのコメント
私は、先に<歪な常識>と書いたようにNOVAとgabaマンツーマン英会話の主張には疑問があります。それは煎じ詰めれば、英語のネーティブスピーカーから英語を英語で学ぶスタイルで果たして(挨拶や道案内、あるいは、青い目や褐色の肌の恋人と愛を語らったり、買い物をして公共交通機関を利用することに必要な英会話力を越えた:私はこの程度の英会話力のことを「進駐軍の通訳の英会話力」と言っていますが、)ビジネスを英語で行える英会話力が身につくのか? もし、身につくとしてもそれは効率的な方法だろうか? という疑問です。留学予備校の経営管理者として学部正規留学生や大学院留学生の留学前後の英語力を万人単位で知る者として、私は留学自体にも英会話力の向上に絞ればそう過大な期待をすべきではないと考えています。まして、ダイレクトメソッドの英会話スクールの効果においておや、です。
元来、中学や高校の英語の授業は英会話力養成を元来目標にしてはいない。よって、日本の中学・高校の英語の授業を受けても英語が「それだけでぺらぺらしゃべれるようになった人はほとんどいないはず/皆からっきし話せない」というのは、(少なくとも今までの)英語教育に対する過大なクレームであり不当な非難だと思います。約束していないことを達成していないからと言って誰も非難されるはずはないからです。私に言わせれば、NOVAとgabaマンツーマン英会話の批判は「八百屋でマグロが売っていない」と詰るようなものです。
社会権的基本権の実現をはかるべく教育の機会均等を全国規模で具現することこそ初等中等教育の目的であり、そのための資源の合理的配分を考えた上で、「英語が話せるようになること」を公的な英語教育はその達成目標にしてこなかったのです。そして、それが達成目標にしてきた単語や文法と構文の知識の習得は、子供達が将来英会話を習得することを考えても大切なものだと思います。
最後に、英語のネーティブスピーカーから習えば英語が身につく(そうしなければ身につかない)というのは妄想ではないでしょうか。ラドのホームページでこういう文章を見つけました。
「日本人だからといって、誰でも正確な日本語を教えられはしないのと同じで、英語の先生はネイティブなら誰でもいいというわけではない。きちんと英語教授法について学んだことのある講師に教わらなければ、間違った英語が身についてしまう恐れがあるのだ」、と。
その通りだと思います。そして、所詮物理的に限られたレッスンにおいて、目一杯ネーティブ講師と英語で話すのも一興ではありますが、他の日本人の無様なたどたどしい英語を聞いて「他人の振り見て我が振り直す」のも効果的なレッスン時間の使い方ではないでしょうか。皆さんはどう考えられますか?
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また、小規模の個人経営的な英会話教室も(『タウンページ』をベースにした調査では、)この15年間でけして減少してはいません。あるいは、起業家セミナーやアントレプレナーフェアでのアンケート調査を見ても(これは企業秘密であり詳細の数字は書けませんが、初期投資額の大きい「飲食系」を避けて比較的少ない開業資金で起業できる)学習塾等の「スクール系」に関心のあるフランチャイズオーナー希望者の間では、投資対象としての英会話スクールの人気はけして低くないです。要は、英会話研修のニーズは、ブームなどという一過性のものではなくなり、この15年間で日本の社会にビルトインされたのだと思います。
★註:英会話スクールの規模
各スクールが公表している生徒数などは実はあまり参考になりません(笑)。よって、ここでは、児童英会話を除いたアダルトの生徒が通学するための拠点数で各スクールの規模を比べてみたいと思います。いずれも2005年7月5日の各社のホームページで確認したもの。それによれば、ECC(150拠点);NOVA(620拠点);ジオス(510拠点);イーオン(250拠点);gabaマンツーマン英会話(27拠点);ラド・インターナショナル(4拠点)。
拠点の坪数や間取りの雛形(とそのパターン)は各社の企業秘密であり正確な所は何とも言えませんが、各スクールの想定平均顧客単価と家賃の推定平均坪単価と人件費ならびに広告宣伝費から逆算すると、(大教室・中規模教室の差を捨象して大雑把に推計すると)損益分岐点を越え初期投資を3年で回収するためには各拠点には最低でも常時150人の生徒数が必要になると思います。つまり、NOVAだけでも真水で90,000人の受講生を抱えており、入退会を含めた述べ生徒数が年間200,000人というのも満更嘘ではないのです。
英会話への日本人の関心は底堅い。それ自体は悪いことではないでしょう。しかし、日本の英会話には一種<歪な常識>が絡みついているのではないか、日頃から私はそう感じています。それは次のような<常識>です。
・英会話は英語のネーティブスピーカーに習わなければ身につかない。
・少人数であれば少人数であるほど英会話のレッスンは効果がある。
・英会話は「勉強」するものではなく「トレーニング」によって始めて身につくものだ。
・受験勉強のように嫌々勉強するのではなく、話したいことが話せるようになる喜びを
感じながら楽しくトレーニングすることが英会話上達のコツである。
・英会話能力の開発のためには留学が理想だ。よって、留学するのと同じような環境を
準備した「英会話スクール」が良いスクールである。
このような<常識>について皆さんのご意見をうかがいたいと思います。その議論の叩き台にすべく以下にNOVAとgabaマンツーマン英会話の主張を収録しておきます。何故この両スクールを取り上げたかというと、NOVAは最大手の英会話スクールというだけでなく、「英会話は英語のネーティブスピーカーに習わなければ身につかない」という思想を明確に打ち出した最初の全国区のスクールであること、そして、gabaマンツーマン英会話はかなり後発ながらも(1995年創業。しかも、そのビジネス展開も現在は首都圏に限定しているものの)、「少人数であればあるほどレッスンは効果的である」という理念を勇敢にも他者との差別化ポイントにした始めての英会話スクールということによります(★)。
★註:NOVAとgabaマンツーマン英会話を選択した理由の補足
ECCやラド・インターナショナル、ジオス、イーオンは日本人講師と英語のネーティブスピーカーの講師を併用しています。講師は原則全員が外国人ではあっても例えばシェーン英会話スクールのようにフランチャイズ展開に頼るブランドは本部の思想が末端の現場まで行き渡っているとは限らない。消去法から言っても、上に述べた<常識>を全国規模で、かつ、思想的に考えるためにはNOVAとgabaマンツーマン英会話の主張を取り上げるのが最も適切と思いました。
尚、私は、おそらく日本で始めて「実用英会話のレッスン」を「どの拠点スクールでも」、ということは「日本人講師でも」、かつ、「一定水準の品質を確保」しながら「教えられる教務マニュアルを整備した」という点で、日本の英会話スクールの歴史の中でECCが果たした功績はけして忘れられるべきではないと考えています。地方を中心にした堅調なECCジュニアビジネスの成功は偶さかの成功ではないと思います。
◆NOVAの主張
『なぜ、日本人は英語を話せないのか?』(nova:駅前留学NOVAが発行するミニフリーマガジンVol.1)からNOVAの主張を要約引用しておきます。
(1)「勉強」では身につかない英会話力
中学・高校で6年間も英語を勉強したのに、それだけでぺらぺらしゃべれるようになった人はほとんどいないはず。それは文法を丸暗記したり、単語を詰め込んだりするような“読む・書く”を重視した方法で、読み書きに必要な知識は得られても、外国語を聞き・話す力を習得するのに適した方法ではないから。
(2)英会話力習得の鍵は海外留学
外国語を身につける近道は、みなさんご存知の通り「海外留学」。海外留学の環境では、自らの意志とは関係なく、生活していく上で外国語を聞き、話さざるを得ません。実際のコミュニケーション・経験を通して覚えた外国語は、なかなか忘れないもの。だから自然に無理なく身につくのです。(中略)国内で身につけるにはどうしたらいいでしょうか?
(3)NOVAは、海外留学の環境を国内で再現!
NOVAは、海外留学並みにたくさんの外国語を聞き・話せ、レッスンを無理なく続けられるため(には次のポイントを英会話スクールは備えるべきだと考えます)。
・ネーティブスピーカーと少人数でレッスンすること
・多くの量の外国語を聞き・話せる環境であること
・カリキュラムが一人ひとりに対応していること
・続けられる環境であること
(4)上達のヒミツは「第二言語習得法」
・外国語を第二の母国語(ママ)として身につける方法
これに対して、これまで多くの日本人がしてきたのは、外国語を外国語として学習するという「外国語教授法」でした。
・講師はネーティブスピーカーでなければならない。日本人の講師は絶対に不か
これに対して、これまでの英会話学校では、日本人の先生。または日本人と外国人のペアティーチングが主流でした。
・ネーティブスピーカーが英語で、英語を教えるスタイル
これに対して、これまでは日本人の先生が、日本人の生徒に、日本語で、外国語を教えるスタイルでした。必然的に、文法・構文・発音などが中心となっていました。NOVAのスタイルでは、身振り手振りを交えた片言から始め、“実践的”なトレーニングでだんだんきれいで流ちょうな話し方に仕上げていきます。
・子どもが言葉を自然に身につける順番で英語を習得していきます
話す→聞く→書く→読む。これに対して、これまでは文法・構文の学習が中心で、読む→書く→聞く→話す の難しい順番に習得してきました。
◆gabaマンツーマン英会話の主張
各種英語学習雑誌に2005年3月-4月に出稿された広告『gabaの理由』から引用します。
(1)これまでの英語教育は嘘だと思う。
日本人は中学と高校の授業だけで、少なくとも1,100時間という途方もない英語学習量に拘束されているにもかかわらず、皆からっきし話せないから。
(2)語学をグループレッスンで勉強するのは、どうも摩訶不思議な方法だと思う
他の日本人がしどろもどろ話すのを聞く時間の方が、講師が話す時間より長かったりして、率直にそれは逆効果だから。
(3)英会話業界を根底から覆していきたいと思う
各社とも大差ない(と、我々の目には映る)サービスで、イメージだけの競争に甘んじてきたから。カウンセラーとよく相談した上で、優れたマンツーマン専門講師との1対1レッスンを行うことが、最も効果的な英会話の学習形態であると思う。そこでは、あなた自身がよく聞きよく話す、しかないから。
◆KABUのコメント
私は、先に<歪な常識>と書いたようにNOVAとgabaマンツーマン英会話の主張には疑問があります。それは煎じ詰めれば、英語のネーティブスピーカーから英語を英語で学ぶスタイルで果たして(挨拶や道案内、あるいは、青い目や褐色の肌の恋人と愛を語らったり、買い物をして公共交通機関を利用することに必要な英会話力を越えた:私はこの程度の英会話力のことを「進駐軍の通訳の英会話力」と言っていますが、)ビジネスを英語で行える英会話力が身につくのか? もし、身につくとしてもそれは効率的な方法だろうか? という疑問です。留学予備校の経営管理者として学部正規留学生や大学院留学生の留学前後の英語力を万人単位で知る者として、私は留学自体にも英会話力の向上に絞ればそう過大な期待をすべきではないと考えています。まして、ダイレクトメソッドの英会話スクールの効果においておや、です。
元来、中学や高校の英語の授業は英会話力養成を元来目標にしてはいない。よって、日本の中学・高校の英語の授業を受けても英語が「それだけでぺらぺらしゃべれるようになった人はほとんどいないはず/皆からっきし話せない」というのは、(少なくとも今までの)英語教育に対する過大なクレームであり不当な非難だと思います。約束していないことを達成していないからと言って誰も非難されるはずはないからです。私に言わせれば、NOVAとgabaマンツーマン英会話の批判は「八百屋でマグロが売っていない」と詰るようなものです。
社会権的基本権の実現をはかるべく教育の機会均等を全国規模で具現することこそ初等中等教育の目的であり、そのための資源の合理的配分を考えた上で、「英語が話せるようになること」を公的な英語教育はその達成目標にしてこなかったのです。そして、それが達成目標にしてきた単語や文法と構文の知識の習得は、子供達が将来英会話を習得することを考えても大切なものだと思います。
最後に、英語のネーティブスピーカーから習えば英語が身につく(そうしなければ身につかない)というのは妄想ではないでしょうか。ラドのホームページでこういう文章を見つけました。
「日本人だからといって、誰でも正確な日本語を教えられはしないのと同じで、英語の先生はネイティブなら誰でもいいというわけではない。きちんと英語教授法について学んだことのある講師に教わらなければ、間違った英語が身についてしまう恐れがあるのだ」、と。
その通りだと思います。そして、所詮物理的に限られたレッスンにおいて、目一杯ネーティブ講師と英語で話すのも一興ではありますが、他の日本人の無様なたどたどしい英語を聞いて「他人の振り見て我が振り直す」のも効果的なレッスン時間の使い方ではないでしょうか。皆さんはどう考えられますか?
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おお帰国してはったんですか。「ジオスのパンフレットを取り寄せたのですが、その中に載っている先生方は全てコーケージョンでした。たまたま作成時期などタイミングの問題かも」はですね。サイト見ても白人の先生が多いのは事実ですわ。上のレスと矛盾すると思われかねへんのやけど、やっぱ事実は事実で認めなあかん。まあ、煎じ詰めれば私の主張は、パンフレットから受ける印象が-15とすりゃ実態は-3という所になりますやろか。内情はそのパンフレットほど人種差別的やないちゅーことですわ。
「目標が何であるかを考える前に「どうやって勉強するか」が先に来ている感がします。目標によって勉強の仕方が大きく変わると思うのですが、いかがでしょうか」・・・同感です。異議なしや、ほんま心強い限りですわ。
「関西弁(私は神戸出身なので)を習得すべく、頑張っています」・・・私は九州出身で、学部・大学院・就職と10年間関西におりましてん。そやけど、関西離れて久しいさかい、話はできても文字で復元するとなるともうしんどい。まとまったコメントは別の機会にさせてもらいます。 なんせ、貧乏暇なしですねん。ほなまた。
コメント、ありがとうございました。確かに、「先生」という職種に関わらず、海外で仕事をするということに関しては様々な制約を受け、その制約の内容に関しては国によってマチマチであることは事実ですね。以前にコメントした際にはそこは抜けていました。私には娘がおり、家内の意見もあってジオスのパンフレットを取り寄せたのですが、その中に載っている先生方は全てコーケージョンでした。たまたま作成時期などタイミングの問題かも??
英会話の勉強についてですが、おっしゃられた通り米国人なりニュージーランド人などと面会することが「無意味」ではないと思います。ただ、「英会話を勉強する」という話になった時、目標が何であるかを考える前に「どうやって勉強するか」が先に来ている感がします。目標によって勉強の仕方が大きく変わると思うのですが、いかがでしょうか?(もちろん、「ある程度極める」となると結果同じになるですが・・・)
私は今日本語でも特に関西弁(私は神戸出身なので)を習得すべく、頑張っています。(笑)言葉は文化そのものであり、継承する必要性を疑っておりません。「標準語」という表現から「共通語」という表現に変わったことを嬉しく思っています。
語学習得への心得をKabuさんのコメントとして頂ければ嬉しいです。
宜しくお願いします。
投稿ありがとうございました。現在も米国滞在中でしょうか? 私は長期滞在経験はありませんが、10年近く毎年、3ヶ月から半年米国に滞在しておりました。時々、むしょうにアメリカに帰りたくなります(笑)。この本編記事の画像は、その主な滞在先の一つミネソタ州のDuluthです。そこの数少ない観光資源の昇降型の橋。スペリオル湖を見ながらこの辺りを散策すると気分爽快です。と、雑談はさて置き、貴投稿にコメントしますね。一言でいうと、「差別とか意識に関しては、日本の英会話学校はそれほど酷くはないですよ」そして「英語のネーティブスピーカーの講師から英語を教わる経験は、百歩譲っても無価値ではないし、特に、東京・神奈川とかの都会ではない所に住んでいる人にとっては、間違いなくfantasticな経験でしょう」ということです。
奇麗事や一般論を述べているのではありません。私自身、英会話学校の内側でいろいろな経験をさせてもらってきたからです(笑)。特に、児童英会話の場合、例えば、そのスクールにマイノリティーやアジア系の講師が所属していること自体には、「まあ、この学校は国際的ですね。いい感じです。ホホホ♪」と大多数の父母は仰ってくれるのですが、自分の子供の担当が(金髪とは言わないが)コーケージアン(caucasian)でないとわかったとたん、目が三角になる方、スクールから総責任者の私の携帯番号を無理やり聞きだして泣きながら直訴する方、はたまた、無言留守電の嵐攻撃をしかけてこられる方も珍しくありません。
しかし、英会話スクールの講師採用の部署がコーケージアンを特に優先していることはありません。また、ネットだけでなく手元にある各社の広告を改めて見直しましたが<人種構成>は結構バラエティーに富んでいるのではないでしょうか? 正直に言えば、各社は独自に決めたあるエスニックの配分率を目標に採用していると思います。そして、人種差別的な顧客からの要望は例外なく却下します。何故ならば、そういう事実が存在しそれが明らかになれば、米国だけでなく国内でも講師採用が極めて難しくなるからですし、それに、レッスンが実際に始まってしまえば早晩、肌の色に関わらずアホで間抜けな講師は淘汰され腕も気もいい講師が人気を集めるからです。
問題は、むしろ、アメリカ英語というかアメリカのものの考え方も英会話レッスンを通じて身につけたいという(児童・アダルト両方の)顧客ニーズをどう処理するかです。率直に言えば、肌の色に関わらずアメリカ人講師の採用は、オーストラリア・ニュージーランド、カナダ、英国・アイルランドに比べ難しいですし、このニーズを「差別」と単純に言えるかという問題。
もちろん、普通にビジネスが英語でなんとかなるという方、あるいは、大学院レヴェルのマーケティングとかビジネスプレゼンテーションのクラスにはオーストラリア~アイルランドどころか、私も(ある資格条件を設けた上ですが)、英語のネーティブスピーカーとは言えない(が優秀な)インド・ネパール・バングラディゥシュ・フィリピン・イラン・エジプト等々の講師もどんどん採用しています(その理由は、suzuken98さんが述べられていることと同じだと思います)。問題はそれ以前なのです。これは既にアメリカで英語を身につけられた方(アメリカ流の英語のパラダイムができている方)にはピントこないことかもしれませんが、ゼロに近いところから英会話を始める方に「シングリッシュも広東訛りの英語も英語に変わりはないですよ」というのはそう説得的ではないと思います。もちろん、これを解決するガイドラインを私は持っていますが、正直、現実はそうすっきりいかないです。宜しければこれからもご意見をおきかせください。
英会話教室のパンフレットを見ると見事なまでに全て「金髪の白人男女」です。それだけでその会社の考えが分かってくるような・・・?