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【再掲】ゲーム理論から考える「不幸な報復の連鎖」あるいは「不毛な軍拡競争」という言葉の傲慢さについて

2021年06月12日 21時57分43秒 | 日々感じたこととか

2019年01月12日 10時30分26秒

 

北朝鮮に対する米国の、イランに対するイスラエルの先制核攻撃が――論理的には――「秒読み」段階のままであり、また、確立した国際法秩序を無視する田舎者の支那と南朝鮮をにらんだ、安倍首相の「積極的平和主義」による支那包囲網の強化、並びに、南朝鮮との国交断絶の実行と南朝鮮の孤立化へ向けた粛々とした手筋。これらのことを巡ってリベラル派が時に口にするコメントがあります。

そんな「不幸な報復の連鎖」あるいは「不毛な軍拡競争」はやめよう、と。

私は、そんな、リベラル派の使う「不幸な報復の連鎖」あるいは「不毛な軍拡競争」という言葉にかなりいかがわしいものを感じています。はたして、人間が「無意味」とか「不毛」とかを断定できるものなのかと。そこには、人間の万能感と国家権力の万能感、能天気な教条主義と性善説という傲岸不遜が横たわってはいないか。そう感じるのです。

ようは、リベラル派というのは常識がない天動説の方々なの、鴨

わたし、民進党とか朝日新聞とかのリベラル派を見ていると、
彼等は、口では、

>地球市民
>国際社会

とかしばしばおっしゃるけど、実は、自分を中心に世界と宇宙を廻してはるお子様ではないか。常識なしの天動説の人たちではないかと感じることがあります。少なくとも、保守派は「自国第一」なのだから、逆に、他国と自国の力関係とか過去の貸し借り関係とか真剣に考えているのに。いやー、これは冗談抜きにシュールな風景、鴨。

葢し、所謂「多様性」なるものの価値や素晴らしさというもの。それを保守派も必ずしも否定はしないでしょう。わが国も、古来、数多の「帰化人」の方々を<新しい仲間>として受け入れてきたし、日本の文化伝統なるものの多くは彼等とのコラボレーションの果実であることを否定するような向きは「保守」などではなく、単なる、「無知」なのだと思いますから。

しかし、「多様性」なるものを具現する道のりやスタイルは、リベラル派がしばしばそう口にするように、別に、すべての国が「その市民社会を<地球市民的>なる無国籍の色合いに染める」ものばかりではないのではなかろうか。個々の国家が、各々、独自の文化と伝統を競いあうことによって、世界の総体としては百花繚乱・千紫万紅の<コラージュ>状況を現出する道のりもありはしないか。而して、保守主義に親和性のある「多様性」は間違いなく後者のスタイルであろうと思います。

畢竟、いずれにせよ、リベラル派が主張するような「多様性」だけが<多様性>ではないことは明らかでしょう。閑話休題。

 

<再論>保守主義の再定義・・・占領憲法の改正/破棄の思想的前哨として

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/141a2a029b8c6bb344188d543d593ee2

取り扱い注意❗ 混ぜるな危険? ❤アメリカ合衆国憲法❤の目次的紹介(↖海馬之玄関ブログ内限定)

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/c4ebce035be3e025d326ba8924485f33

[再掲]戦後責任論の崩壊とナショナリズム批判の失速

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/eb5f9dd62bb13f021d085909baf4d1d2

 

 

而して、実際、冷戦を終結させたのはレーガンの軍拡でしょう。
グローバル化の昂進を背景とした「不毛な軍拡競争」に
旧ソ連が耐えられず社会主義陣営は崩壊したのでは
 なかったのですか。

つまり、

少なくとも、「1989-1991」に至る国際政治の局面では、
軍拡競争は「不毛」ではなく「妥当」だったということ。

蓋し、人間の有限さを自覚する保守派は「完全な平和」なるものや「恒久の平和」なるものが実現できるとは端から考えない。そんなお伽話の世界の<平和>ではなくて、各国が各々その時代時代で相対的により安全な状況を実現するしかない、と。そのために外交と防衛の両面で努力する。そして、例えば、「国連安保理」というシステムは安全保障においてそうそう効果的なものではないのだから、各国が多国間の軍事同盟関係を強化するのは寧ろ当然のこと

保守派とはそのように考えるタイプの人達だと思うのです。

ならば、近隣に「無意味」や「不毛」どころか「非常識かつ己の分をわきまえない」南朝鮮、および、確信犯的に「不気味」な軍拡を続けている支那があれば、また、その海洋進出の傾向が顕著であれば、資源を海外に頼る日本がシーレーンをより効果的に防衛するために行う自衛隊の増強と日米軍事同盟の再強化は「有意味」であり「妥当」なのではないでしょうか。繰り返しますけれども、一体、リベラル派はどういう根拠で「無意味」とか「不毛」などと断定しているのか。私にはそれが疑問なのです。

それは、ひょっとしたら、
ひょっとしたら、それは、

平和的な話し合いを通して国の安全をはかる道がある。
と、そう彼等は考えているのかしら。そして、相互の信頼関係の深化。

まさか、テロリストとの話し合い、例えば、「イスラム国」との話し合い。
例えば、4年前のヨルダン空軍パイロットの処刑がウェブ上で公開される現在、

また、パリでもロンドンでも繰り返されてきた自爆テロの連鎖・・・・
いかなイノセントなリベラル派も「イスラム国」とも話し合いを通じて、
かの地の紛争を解決できるなどとは言わないでしょう。

20160126「HKT48×NGT48 食少女」 田中美久↖6分過ぎからが参考になる、鴨❤
https://youtu.be/GAOkbtjwkzE

 

これは別稿でも書いたことですけれども、蓋し、「話せば分かる」といういうことは、根本的なイデオロギーを異にする、あるいは、お互いの国家の存続にとって死活的に重要な国益を巡っては成り立たない。分析哲学や現象学の小難しい認識を持ち出すまでもなく、このことは自明のことでしょう。だからこそ、逆に言えば、より価値中立的でより形式的な「相互の利害を調整するルール」としての実定国際法や確立した国際政治の慣習の値打ちが認められるのではないでしょうか。そして、南朝鮮はそれを踏みにじり続けている。日本に対してだけではなく、支那を除く欧米以外の国に対して。失礼でしょう、これは。違いますか?


ならば、根本的な歴史認識、ならびに、エネルギーや安全保障や感染症という国家にとって死活的に重要な国益、すなわち、そんなイデオロギーと国益を異にする国同士の対話の意味とは、皮肉ではなく真面目な話、①自国内の世論の動向や国際情勢の変化を睨んだ上での両国政府の時間稼ぎであるか、②どの地点までならイデオロギー的と国益的に折り合えるかの相互確認に収斂する

けれども、支那や南北朝鮮に関してはリベラル派は話し合いで
東アジア地域の安全保障問題を解決できる。と、そう考えている節がある。

もし、この私の想定が満更間違いではないとすれば、
なぜ彼等はそう考えるのか。蓋し、そのヒントは、これまた彼等が時に
口にする「囚人のジレンマ」の喩、鴨。

 

 

なにその「囚人のジレンマ」って、それ美味しいの?
美味しいかどうかはわかりませんがそれは大凡次のようなもの。

ある犯罪で共犯関係にある囚人Aと囚人Bが、
別々に取り調べられているイメージ。

そして、例えば、

①自分が黙秘しているのに相手が自分を裏切り自白すれば
自分は最悪の懲役で相手は自由の身になる
②自分も相手も双方ともに相手を裏切り自白すれば双方ともに2番目に重い懲役
③自分も相手も相互に信用して完黙すれば双方とも最も軽い懲役
になるという状況

そんな状況下に二人の囚人が置かれているとします。

詳細は割愛しますが--興味のある方は「ゲーム理論」とか「囚人のジレンマ」で検索していただければと思いますけれど--、囚人Aと囚人Bは自分なりには<合理的>なつもりで行動選択をした結果、②双方ともに相手を裏切って愚かにも「2番目に重い懲役」を受けることになる。両者が協調すれば③の「最も軽い懲役」を双方ともに勝ち取れたのにね、というストーリー。

この「囚人のジレンマ」の喩をしばしばリベラル派は
軍拡競争や報復の連鎖にからめて使っているようです。

つまり、報復や軍拡が愚かな「囚人のジレンマ」状況に陥ることに
警鐘を鳴らすリベラル派は、例えば、支那や「イスラム国」と他の
諸国が情報を開示しあい相互に相手を信用することができれば、
このジレンマ状況をより有利に切り抜けることができるのではないか。
と、そう想像しているの、鴨。

 

 

けれども、もともと、「囚人のジレンマ」は経済活動において合理的なはずのプレーヤーである企業や家計や国家が、なぜ、時に非合理な行動を取るのか、とり続けているのかを説明するゲーム理論のパラダイムの一つ。すなわち、それは、各プレーヤーが持っている情報の非対称性と有限性が介在するところでは、その非合理的な結果こそ各プレーヤーにとっては<合理的>な「最適解」だという指摘なのです。

つまり、

囚人のジレンマ状況の中ではプレーヤーたる囚人Aと囚人Bが行う②の行動選択は
あくまでも<合理的>であり「最適解」なのです。

要は、(1)囚人Aと囚人Bの間の情報が遮断されており、また、(2)双方ともに相手を信用していない状況ではそういえる。そこで「お二人には--③の「自分も相手も相互に信用して完黙して双方ともに最も軽い懲役」を勝ち取るという--もっと有利な選択肢もあったんですよ」と言うのは、このゲームをプレーヤーの目線ではなく、外からの目線、あるいは、すべてをお見通しの人ならぬ身の神様の目線からの発言。

畢竟、それは傲岸不遜というもの。


もちろん、国際政治はオールオアナッシングなものではないのでしょう。
ですから、テロリストとは話し合いもすべきではないにしても、
支那との話し合いは不可欠なのでしょう、多分。
支那と日米を始め他の諸国が話し合い、支那とそれ以外の国々が
可能な限り相互の行動の予測可能性を高める外交努力を積み重ねる
ことは貴重でしょう、多分。

そうすれば、支那の軍拡のスピードもある程度鈍化して、
日米を始めとした諸国の安全保障面でのコストも軽減できる、鴨。

けれども、

けれども、究極の所、国が違えば国益は対立する。
しかも、国が違えばその時点時点での国益も非対称的。

つまり、諸国家間では、(1)原理的に情報が遮断されており、また、
(2)現実的には、どの国も他の国を信用できない関係状況にあるということ。

例えば、そして間違いなく、

資源を求めて領土を拡張しようとしている支那、あるいは、
国内体制の維持のためには「人民解放軍」という名の中国共産党軍を
自転車操業的に拡大増強するしかない支那と、
シーレーンを安全に保ち自由な貿易が維持できる現状を確保しよう
としている日本の国益は対立するしそれは非対象的。

そして、国益の対立と非対象性という経緯は、日本とアメリカについても
言えること。それが厳然たる国際政治の現実なのだと思います

つまり、

究極の所、日本は自国を自分で守るしかないということ。
よって、日米軍事同盟をメンテナンスして再強化するためにも、
日本はもう唯一の超大国ではなくなったアメリカのできない部分を
一層積極的かつ効果的に担うしかないということ。


ことほど左様に、畢竟、「囚人のジレンマ」は寧ろ報復や軍拡が必ずしも愚ではないことを示唆する喩なのです。而して、「不幸な報復の連鎖」あるいは「不毛な軍拡競争」と述べる際に、リベラル派がもし「囚人のジレンマ」を念頭に置き援用しているのであれば、その議論はその前提からしてすでに破綻している。それは傲慢なだけでなく瓦解している。と、そう私は考えます。

 

 

最後に蛇足を。

極論すればですけれども、
白黒はっきり言えば、

蓋し、無意味な報復の連鎖こそ--神ならぬ身の人間にとっては--、
後から見れば、唯一意味のある<歴史>を作ってきたのではないでしょうか。

悲惨な宗教戦争と戦慄すべきフランス擾乱や魔女裁判の嵐を潜って近代の立憲主義が形成されたこと、ある意味、英本国政府による課税とアパラチア以西の領土獲得の権限およびそれに要する軍事費の負担分配を巡る――だって、7年戦争での英国の対フランス勝利の時点でも、ルイジアナ界隈のミシシッピーから西は、フランス・メキシコ≒スペイン、ロシアの縄張りだったのですから――謂わば報復の連鎖によってアメリカ合衆国が誕生したこと、そして、なくてもよかったかもしれない戊辰戦争を経て明治の日本国家が作られたこと。

宗教と憲法--アメリカ大統領選の背景とアメリカ建国の風景

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完版:保守派のための海馬之玄関ブログ<自家製・近代史年表>みたいなもの

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これらを想起するに私はそう考えないではないです。
これこそ保守派の穏当な認識ではないのかしらとも。

 

連帯を求めて孤立を恐れず、力及ばずして倒れることを辞さないが、
力尽くさずして挫けることを拒否する。共に闘わん!
万国の保守派よ団結せよ~! 
 
共に闘わん~!

 

 

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