前にも取り上げた小田急線の中の表示が気になっています。この英文です。
Be careful in case of an emergency stop being made to avoid an accident.
(電車は事故防止のため急停車することがありますのでご注意ください)
・街は英語教育の素材の<宝庫>(5)名詞の総称表現 Vs 不定冠詞
問題は次の二つの英文の意味はどう違うのかということです。
① Be careful ・・・an emergency stop being made to avoid an accident.
② Be careful ・・・an emergency stop made to avoid an accident.
文法的には前者が「受動態の過去分詞」、後者がシンプルな「過去分詞」でありともに限定用法に使われている。大学受験の英文法の授業なら、ここは対照実験のためには不定詞句を持ってきて同じ準動詞でも不定詞と分詞のニュアンスの違いを説明したくなるポイントだと思います。例えば、
② an emergency stop made to avoid an accident
③ an emergency stop to be made to avoid an accident
分詞は状況や事実をより客観的に述べる表現であるに対して、不定詞は「意志」や「義務」や「可能性」や「運命」などのどちらかと言えばウェットな情報を伴なう表現です。よって、少し強引にパラフレーズすると上の②③はこうなります、とかですね。
② an emergency stop made to avoid an accident
②’an emergency stop that will be made to avoid an accident/an emergency stop that is made to avoid an accident
③ an emergency stop to be made to avoid an accident
③’an emergency stop that may be made to avoid an accident /an emergency stop that we would make to avoid an accident
ところが、①②の違いを周りのアメリカ人やカナダ人、イギリス人やニュージーランド人に聞いても皆、"Exactly the same meaning." とか "Both correct and natural with no difference."と言うばかりなのです。
強いて言えば音のリズムが①の方が②より「美しいかな」とか、①が1語多い分「丁寧な感じ/下手に出た感じ」がする。
あるいは、文法的には「錯覚に近い」けれど「being made」はなんとなく「being being made」というか進行形の受動態を暗示させるかもしれない、その場合、単体の「made」に比べれば「being made」は「予定」や「可能性」を読者に示唆することもありうるかな・・・。でもやっぱ"They have the exact same meaning." だよな。「うんだ、うんだ」状態なのです。泰山雷同じゃなかった大山鳴動鼠一匹。
これは困った。「言語においては、形(=語形や発音)が違えば意味は違う」(なぜならば、意味とは形式の差異のことに他ならず、その形式が違うのだから意味は必ず異なってくるからだ)という命題の信奉者である私は大いに困ってしまいました。「言語においては、形が違えば意味は違う」など100回叫んでも一文にもなりません。どなたか教えてくだしゃんせ♪
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私には①の"in case of an emergency stop being made"の"being"は動名詞に思えます。
"in case of"の前置詞の後なので"be made"は動名詞に、そして"an emergency stop"は動名詞の意味上の主語なのかと。
②の方は単純に"made"という過去分詞が後ろから"an emergency stop"を修飾していますね。
・・・とすると意味は?
全く私の勝手な印象ですが、
②の方は"made"で少し「完了」のニュアンス。
「急停止がされてしまう際には・・・」
①の方は"if"や"when"で書き換えられるかんじか、、、
Be careful if/when an emergency stop is made --.
急停止がされる確率が少し低いような印象が・・・
うぅ~~ん、わかりません!!
ただ、こんなことを考えるのが楽しい♪
お邪魔しました。
Be careful in case of such a situation where an emergency stop is made. という感じでしょうか? そうなのでしょうか。少なくとも動名詞と考えても説明はつきますよね。前置詞句(in case of)の後ですしね。
ところでこれと直接の関係はありませんが、『ロイヤル英文法』の529頁にこんな例が載っています。
I don't like people talking loudly.
これをパラフレーズした場合、やっぱり私は、
I don't like people who talk loudly.
になると思うし、周りのネーティブの同僚に聞いてもやっぱそういいます。ところが、著者・綿貫先生の訳は限りなく、
I don't like the situation where people talk loudly.になっていますよね。
この辺、上の小田急ネタとあわせてもう少し考えてみます。
でもこんなこと考えるのは楽しい♪
結論より、プロセスが楽しい♪