英語と書評 de 海馬之玄関

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Four of the jelly beans と Four jelly beans の違い

2005年11月24日 16時13分39秒 | 英語の話題


英語の母語話者でない限り、どんな英語の名人上手でもどこまで行っても自信がもてないのが前置詞と冠詞の用法だと言います。これは日本語を学ばれている外国人にとって助詞の使い方(「て・に・を・は」の使い方)が<躓きの石>であることと同じかもしれませんね。いずれにせよ、英語の「名人上手」や「達人」になるのはとっくに諦めている私は前置詞と冠詞には(にも?)日々悩ませられています。そんな中で最近、前置詞の of の使い方について記憶に残る事例がありました。これです。

Take 4 of the jelly beans.

この英文と次の英文はどう違うのでしょうか?

Take 4 jelly beans.

どちらも「4個のジェリービーンズを取りなさい」と言っている点では同じですよね。この違いは前者が「他にも何個かのジェリービーンズがある中で4個だけ取ってね」という意味なのに対して、後者は「(他にも何個かジェリービーンズがあるかどうかはわからないけれども)、4個のジェリービーンズを取ってください」という意味になることにあります。前者に<補助線>を引いて敷衍しますね。

①Take 4 of the jelly beans out of the candy box.
②Take 4 jelly beans.


どうでしょうか? ①の英文を読んだり聞いたりすると、ガラスのキャンディーケースの中に色とりどりの甘くて美味しそうなジェリービーンズが目に浮かびませんか? 「ちぇっ、4個しかもらえないの? もっと欲しい!」と子供達が楽しそうに叫んでいるのが聞こえてきそうではないですか。

それに対して②の英文を聞いたり読んだりすると、ディケンズ(Charles Dickens)の『クリスマス・キャロル』 ("A Christmas Carol")に出てくる、幽霊に出会う前の因業なスクールジー(Scrooge)のようなおじさんがそっけなく「はい、ジェリービーンズ4個ね。用がすんだらさっさと帰んな」と陰鬱に呟いているイメージが浮かびませんか?


と、ボージョレーの飲みすぎか空想にふけってしまいました(笑)。この記事の復習というかポイントを述べます。上の①はこうも書き換えられると私は思うのです。

①’Take 4 jelly beans of the jelly beans out of the candy box.
② Take 4 jelly beans.


つまり、①の「4」は名詞句の「4 jelly beans」の省略された形であり、②の「4」は単なる数詞(=形容詞)である、と。また、「of the jelly beans」の「the」は「他にも何個ものジェリービーンズがある」ことを会話の当事者がともに知っていること;前にこのブログでも紹介した『THE がよくわかる本』と『a と the の物語』に出てくる標語を使わさせてもらえば、「何個もあるジェリービーンズ」は会話の双方の当事者にとって"one and only"な存在なのだと思うのです。

『THE がよくわかる本』と『a と the の物語』
 

「Take 4 of the jelly beans」の中の of は of の用法の中では一般的な「部分-全体の関係」を表すもの(語源的にはこれは12世紀から続くof の本来の用法に最も近いものの一つ)。以下of の用法を確認しておきます。特に、冠詞がからむ場合、「部分-全体の関係」と混同しやすい「同格の関係」の用法は要注意だと思います。

the city of London (ロンドン市:同格)
the City of London(ロンドン市の一部たるシティー:部分-全体)
the love of God (神の愛、神から与えられる愛:意味上の主語)
love of God (神への愛、神への献身的な帰依:意味上の目的語)

ここでも「定冠詞、あるのとないのと大違い」 (?)ですかね。本当に前置詞と冠詞は英語の<鬼門>ですよね。でも、頑張る♪



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