英語と書評 de 海馬之玄関

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書評☆向坂逸郎『わが資本論』(下)

2009年04月04日 09時13分52秒 | 書評のコーナー
  大正五年【向坂が高校二年生の1916年】の九月十一日より同年の十二月二十六日の『大阪朝日新聞』には、河上肇の『貧乏物語』が連続して載せられた。私はこの貧乏物語という題に強くひかれた。(中略)河上さんは、当時まだマルクシストではなかった。広い意味で社会主義者でもなかった。いわば人道主義的改良主義者であった。しかし、私はまだ社会主義なるものもよく知らなかった。なんの批判らしい批判もなく . . . 本文を読む

書評☆向坂逸郎『わが資本論』(上)

2009年04月04日 09時10分16秒 | 書評のコーナー
     【三井三池製作所の工場遺構:1895年】向坂逸郎(1897年-1985年)は、旧社会党左派、所謂「社会主義協会派」の総帥にして、日本のマルクス=レーニン主義思想の最高峰と目されたマルクス経済学者でした。向坂先生の論壇活動は戦前の所謂「日本資本主義論争」における労農派の論客としてのデビューに始まり(★)、また、我が国へのマルクス主義思想の「輸入」の部面でもこれまた戦前の『マルクス・エンゲル . . . 本文を読む