土曜日、日曜日、テニス。
今日は風もなく、少し日も陰って、絶好の日よりなり。
出演する音楽イベントが8日間のうちに3つ続いた。
うち2つは 運営、裏方もやった。
どれも朝から夜までの長丁場だった。
やっと訪れた休息の休日、今日は静かに過ごしたいと思っていたら、
豊田市美術館の面白いプログラムが目にとまった。
盲目の人に美に関する視覚イメージを問うのだという。
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2015/special/Sophie_Calle.html
人間は情報の90%を視覚から得ていると聞いたことがある。
見えることがあたりまえの者にとって、見えないとはどういうことかはよくわからない。
ひととき目を閉じて視覚を遮断することと、常に見えないということは本質的に違う。
しかし、何らかの視覚イメージ、もしかしたらそこには、豊かな色や形のイメージがあるのかも
しれない、そんな想像をしたことがある。
高橋竹山、長谷川きよし、辻井伸行、スティービーワンダー、里国隆、レイチャールズ、
彼らの音楽が素晴らしいことの要素のひとつは盲目であることかもしれないと思ったこともある。
しかし、そういった思いは通り過ぎた。良くない想像であるという弱い罪悪感を伴っていた。
フランスの現代芸術家がそれを盲人へのインタビューと写真で芸術として表現するという。
先の想像と通底していると思うと昂った。
とても直接的な手法で表現されたそれら作品は、かつて感じたことのないインスピレーションを
示した。美術館のポートレイトで見た写真の人たちの心の中を垣間見たのだ。視覚情報を介さず
想像力でなら、たったそれだけの接点でも伝わることが少なくないのだと思った
思いがけず、素晴らしい美術体験をした。