「夏休みに別荘へ?」
差し込む日差しが確実に夏を知らせる一学期末の教室。その日差しを受けて、キラキラと輝く金髪の眩しさに目を細めるようにして、アスランが頷いた。
「あぁ、高校生活最後の夏休みだし、折角だから…その…一緒に…過ごせないかと…」
「…」の辺りは、アスランが俯いてモジモジと小声になってよく聞こえなかったカガリだが、差し出された学生手帳のカレンダーには『別荘へ』と日付がしっかり赤丸でつけられている。
夏休みとはいえ、難しい家庭環境にいるカガリには、色々とスケジュールが詰まっているが、きっちりとそこは空けてある。無論、アスランによる入念に入念を重ねた下調べがあったことは、カガリは全く気が付いていない。
「うん…その辺りは別に用事は入っていないから大丈夫だけど…」
「っ!じゃあ―――」
たちまち翡翠がその喜びに輝きだし、勢い込んで立ち上がったアスラン。だがカガリは慌てて両手を振った。
「うん、行きたいのは行きたいんだ。けど。」
「…けど?」
輝いていたはずの翡翠が、急に光を失って潤んでいる。カガリを見つめるその瞳が、なんか雨の中道端に捨てられている子犬の目のようで、<キュン>となってしまう上に罪悪感を感じてしまうカガリだが、こちらも人生がかかっている。
「いや、その、『ダメ』っていうんじゃないんだ。ただ、私たち受験生だろ?そりゃアスランはこの国の最高学府の大学どころか、世界ランキング上位の大学だって余裕で行けるんだろうけど、私はその…今のところ偏差値60前後だし、行きたい大学の政経学科はもうちょっと学力欲しいところだから…。」
もちろん、カガリの行こうとしている大学はチェック済みだ。アスラン自身は確かに今ならどこの大学だろうがお墨付きで合格できるだろうが、行きたい大学は決まっている。当然カガリの第一希望だ。
「だったら、昼は遊んで、夜一緒に勉強、っていうのはどうだ? うちの別荘はプライベートビーチだから、周りの雑音はないし、夜は海風が涼しいから、勉強するにももってこいの環境だし。」
力強く見つめ返されれば、吸い込まれそうな碧。
「う・・・うん。じゃぁ、行ってみようかな。」
「やった!」
珍しいほど感情をあらわにするアスラン。
気が付けば、いつの間にか手が重ねられている。それに気が付いてちょっとドキッと心臓が高鳴るカガリだが、自分より大きくたくましいその手は、カガリの細い手をぎゅっと握ろうか、握るまいか、その中間地点でウロウロしている感じ。
既に数回キスはしたけれど、体に触れられることは殆どない。あえて言うならあの交通事故(未遂)のとき、お姫様抱っこされ、抱きしめられたとき、くらいだろうか。紳士的なアスランは間違いは犯すことは考えられないが、この触れそうで触れない距離感を縮めるにはどうしたらいいのか、カガリにはわからない。それが何だかモヤモヤする。
そして、もう一つ・・・
「あら、あなたたち、別荘に行くの?私もよ~v」
「へ~、フレイも行くんだ。」
フレイ・アルスターは、自慢の赤い髪を優雅に指でかき流した。カガリの親友でもあり、別荘の一つや二つあってもおかしくない、アルスター家の御嬢様なのだ。
今更そのことに感心するカガリではないが、なんか、気になるのだ。妙にアスランと自分が一緒の時に絡んでくる気が。
「ということで、今日の放課後、買い物に行きます。あんたも一緒よ!」
フレイにビシッと指さしされたカガリは「へ?」と自分でもわかるほど間の抜けた顔で返事をすると、フレイが頭を抱えた。
「あ~~、もうっ!! だからアンタはおニブなのよっ!さぁ、行くわよ!!」
「ちょ、ま、待てって、フレイ~~~!!」
半ば強引に引きずられるようにして教室を出るカガリ。
ふと、その時、その金眼に映ったのは、指を立てるフレイだった。しかも、アスランに向かって。
***
「ふ~ん、ザラ君と一緒に別荘かぁ。いいなぁ~」
真夏の太陽みたいな笑顔で言うのはミリアリア。
「そんな、ミリアリアだってトールと一緒に遊びに行ったりする予定立てているんだろ?」
「でも、きっと今年も花火大会が関の山かな。」
苦笑するミリアリア。それを打ち消すかのように、フレイがぴたりと足を止めた。
「フレイ?」
「さぁ、着いたわよ!」
仁王立ちで構えるフレイの見上げた先は、デパート。高級品ばかりを扱う専門店街だ。
「え~と、フレイさん…デパートで何を…?」
まだ意図がつかめないカガリに、フレイは思いっきり指をそのカガリの鼻の頭に突き付けた。
「カガリ。アンタ確か「海に行く」って言ってたわよね。海に行くのに必要なものは何でしょうか?」
「え?えっと・・・スイカ!だって『スイカ割り』は大事なイベントだよな!!」
「・・・ったく・・・どこまでお子ちゃまなのよ、あんたってば・・・」
フレイ、はおろか、ミリアリアまで頭を抱えている。
「んじゃ・・・『花火』とか・・・」
「そうじゃないでしょ!!」
ついにしびれを切らしたフレイがカガリを引きずっていくと、ある店の前に立ち止まった。そしてそこにある一商品を掴むと、カガリの鼻っ面に突き付けた。
「こ、こ、これって、『水着』…?」
「見りゃわかるでしょ!アンタ、彼氏と海に行くのに、何着るつもりなのよ!」
「…学校指定の『スクール水着』。」
「・・・・・・。」
キョトンと答えるカガリに、またも二人は頭を抱えた。まぁ一部の男子は『スク水』に萌えるらしいが、アスランはともかく、それはよほど特殊な場合だろう。ましてやカガリはフレイやミリアリアからの目から見てもスタイル抜群なのに、全くその自覚はない。体育の水泳の授業で、他の女子からも羨望のまなざしを送られているくらいなのに、カガリと来たら「私の泳ぎがかっこよかったんだな!」と全く違った方面に勘違いしてくれる。この天然のおめでたさを、セクシーな水着で少しは教育せねば。
「カガリ、あんた馬鹿ぁ!?この世のどこに、プライベートビーチにまでスク水着ようとする思春期女子がいるのよ!今日はこれから一日かけてでも、あんたに似合うセクシーな水着を決めて見せるわ!」
「え?え?ちょ、ちょっと待って、フレイ―――」
戦に出陣ずる武将のごとく突進するフレイを、慌ててカガリが追う。しかし、既にフレイはその手に一着収めていた。
「カガリ、まずはこれ。試着してきなさい!」
たちまちカガリの顔が赤面する。
「こ、これって―――///」
・・・続く(?)
***
先日、カガリの夏休み計画はどんなだろう?金持ちの夏休みの過ごし方を、ぼそっと呟いたら、お友達のU様が「プライベートビーチのある別荘持っていそうv」というので、妄想した結果の一部分をUPしてみました(笑)
ちなみに、前の部分ちょっとと、続きが途中まで書きましたが、続き書ければ気が向いたらUPするかもです。
夏休みか。かもしたは今年も夏コミ行くくらいで、後はウダウダゴロゴロするだけです。
アイスの食い過ぎでまた太りそうですが^^;
あと、8月25日になったらBASARAのユッキー伝やるつもり。
でもまだどこか行きたい。ご飯も食べに行きたい。誰か遊んでくれー♪
差し込む日差しが確実に夏を知らせる一学期末の教室。その日差しを受けて、キラキラと輝く金髪の眩しさに目を細めるようにして、アスランが頷いた。
「あぁ、高校生活最後の夏休みだし、折角だから…その…一緒に…過ごせないかと…」
「…」の辺りは、アスランが俯いてモジモジと小声になってよく聞こえなかったカガリだが、差し出された学生手帳のカレンダーには『別荘へ』と日付がしっかり赤丸でつけられている。
夏休みとはいえ、難しい家庭環境にいるカガリには、色々とスケジュールが詰まっているが、きっちりとそこは空けてある。無論、アスランによる入念に入念を重ねた下調べがあったことは、カガリは全く気が付いていない。
「うん…その辺りは別に用事は入っていないから大丈夫だけど…」
「っ!じゃあ―――」
たちまち翡翠がその喜びに輝きだし、勢い込んで立ち上がったアスラン。だがカガリは慌てて両手を振った。
「うん、行きたいのは行きたいんだ。けど。」
「…けど?」
輝いていたはずの翡翠が、急に光を失って潤んでいる。カガリを見つめるその瞳が、なんか雨の中道端に捨てられている子犬の目のようで、<キュン>となってしまう上に罪悪感を感じてしまうカガリだが、こちらも人生がかかっている。
「いや、その、『ダメ』っていうんじゃないんだ。ただ、私たち受験生だろ?そりゃアスランはこの国の最高学府の大学どころか、世界ランキング上位の大学だって余裕で行けるんだろうけど、私はその…今のところ偏差値60前後だし、行きたい大学の政経学科はもうちょっと学力欲しいところだから…。」
もちろん、カガリの行こうとしている大学はチェック済みだ。アスラン自身は確かに今ならどこの大学だろうがお墨付きで合格できるだろうが、行きたい大学は決まっている。当然カガリの第一希望だ。
「だったら、昼は遊んで、夜一緒に勉強、っていうのはどうだ? うちの別荘はプライベートビーチだから、周りの雑音はないし、夜は海風が涼しいから、勉強するにももってこいの環境だし。」
力強く見つめ返されれば、吸い込まれそうな碧。
「う・・・うん。じゃぁ、行ってみようかな。」
「やった!」
珍しいほど感情をあらわにするアスラン。
気が付けば、いつの間にか手が重ねられている。それに気が付いてちょっとドキッと心臓が高鳴るカガリだが、自分より大きくたくましいその手は、カガリの細い手をぎゅっと握ろうか、握るまいか、その中間地点でウロウロしている感じ。
既に数回キスはしたけれど、体に触れられることは殆どない。あえて言うならあの交通事故(未遂)のとき、お姫様抱っこされ、抱きしめられたとき、くらいだろうか。紳士的なアスランは間違いは犯すことは考えられないが、この触れそうで触れない距離感を縮めるにはどうしたらいいのか、カガリにはわからない。それが何だかモヤモヤする。
そして、もう一つ・・・
「あら、あなたたち、別荘に行くの?私もよ~v」
「へ~、フレイも行くんだ。」
フレイ・アルスターは、自慢の赤い髪を優雅に指でかき流した。カガリの親友でもあり、別荘の一つや二つあってもおかしくない、アルスター家の御嬢様なのだ。
今更そのことに感心するカガリではないが、なんか、気になるのだ。妙にアスランと自分が一緒の時に絡んでくる気が。
「ということで、今日の放課後、買い物に行きます。あんたも一緒よ!」
フレイにビシッと指さしされたカガリは「へ?」と自分でもわかるほど間の抜けた顔で返事をすると、フレイが頭を抱えた。
「あ~~、もうっ!! だからアンタはおニブなのよっ!さぁ、行くわよ!!」
「ちょ、ま、待てって、フレイ~~~!!」
半ば強引に引きずられるようにして教室を出るカガリ。
ふと、その時、その金眼に映ったのは、指を立てるフレイだった。しかも、アスランに向かって。
***
「ふ~ん、ザラ君と一緒に別荘かぁ。いいなぁ~」
真夏の太陽みたいな笑顔で言うのはミリアリア。
「そんな、ミリアリアだってトールと一緒に遊びに行ったりする予定立てているんだろ?」
「でも、きっと今年も花火大会が関の山かな。」
苦笑するミリアリア。それを打ち消すかのように、フレイがぴたりと足を止めた。
「フレイ?」
「さぁ、着いたわよ!」
仁王立ちで構えるフレイの見上げた先は、デパート。高級品ばかりを扱う専門店街だ。
「え~と、フレイさん…デパートで何を…?」
まだ意図がつかめないカガリに、フレイは思いっきり指をそのカガリの鼻の頭に突き付けた。
「カガリ。アンタ確か「海に行く」って言ってたわよね。海に行くのに必要なものは何でしょうか?」
「え?えっと・・・スイカ!だって『スイカ割り』は大事なイベントだよな!!」
「・・・ったく・・・どこまでお子ちゃまなのよ、あんたってば・・・」
フレイ、はおろか、ミリアリアまで頭を抱えている。
「んじゃ・・・『花火』とか・・・」
「そうじゃないでしょ!!」
ついにしびれを切らしたフレイがカガリを引きずっていくと、ある店の前に立ち止まった。そしてそこにある一商品を掴むと、カガリの鼻っ面に突き付けた。
「こ、こ、これって、『水着』…?」
「見りゃわかるでしょ!アンタ、彼氏と海に行くのに、何着るつもりなのよ!」
「…学校指定の『スクール水着』。」
「・・・・・・。」
キョトンと答えるカガリに、またも二人は頭を抱えた。まぁ一部の男子は『スク水』に萌えるらしいが、アスランはともかく、それはよほど特殊な場合だろう。ましてやカガリはフレイやミリアリアからの目から見てもスタイル抜群なのに、全くその自覚はない。体育の水泳の授業で、他の女子からも羨望のまなざしを送られているくらいなのに、カガリと来たら「私の泳ぎがかっこよかったんだな!」と全く違った方面に勘違いしてくれる。この天然のおめでたさを、セクシーな水着で少しは教育せねば。
「カガリ、あんた馬鹿ぁ!?この世のどこに、プライベートビーチにまでスク水着ようとする思春期女子がいるのよ!今日はこれから一日かけてでも、あんたに似合うセクシーな水着を決めて見せるわ!」
「え?え?ちょ、ちょっと待って、フレイ―――」
戦に出陣ずる武将のごとく突進するフレイを、慌ててカガリが追う。しかし、既にフレイはその手に一着収めていた。
「カガリ、まずはこれ。試着してきなさい!」
たちまちカガリの顔が赤面する。
「こ、これって―――///」
・・・続く(?)
***
先日、カガリの夏休み計画はどんなだろう?金持ちの夏休みの過ごし方を、ぼそっと呟いたら、お友達のU様が「プライベートビーチのある別荘持っていそうv」というので、妄想した結果の一部分をUPしてみました(笑)
ちなみに、前の部分ちょっとと、続きが途中まで書きましたが、続き書ければ気が向いたらUPするかもです。
夏休みか。かもしたは今年も夏コミ行くくらいで、後はウダウダゴロゴロするだけです。
アイスの食い過ぎでまた太りそうですが^^;
あと、8月25日になったらBASARAのユッキー伝やるつもり。
でもまだどこか行きたい。ご飯も食べに行きたい。誰か遊んでくれー♪