KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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輝く!日本マラソン大賞2012 第1部

2012年12月31日 | 日本マラソン大賞
2012年もあと1時間。なんとかギリギリで日本マラソン大賞の発表に間に合いそうだ。

例によって、今年も独断と偏見で選ぶ、日本マラソン大賞。賞を授与した人には、何も差し上げませんのでお許しを。


◎功労賞

尾方 剛(中国電力) 2005世界選手権銅メダル 2008北京五輪代表
入船 敏(京セラ~カネボウ) 1999年世界選手権10000m代表、2005年&2009年世界選手権マラソン代表、2006年アジア大会4位
土佐礼子(三井住友海上) 2001年世界選手権銀メダル、2004年アテネ五輪5位、2007年世界選手権銅メダル、2008年北京五輪代表
嶋原清子(資生堂~セカンドウインドAC) 2006年アジア大会銀メダル、2007年世界選手権6位、2010年アジア大会5位


昨年、フライングで尾方に賞を授与し、後で取り消す、という失敗をしてしまったが、ゼロ年代に日の丸を胸につけて走ったランナーたちがずらりと揃った。彼らの平均年齢が36.75歳と、長きにわたって競技生活を続けた人たちであることも特筆すべきことだ。

山梨学院大学の1994年の箱根駅伝優勝に貢献した頃から応援していた尾方が、中国電力のユニフォームを着て走った最後のマラソンが愛媛マラソンだった、というのは本当に感慨深い。そして、その大会のスタートラインに立てなかった悔しさは、忘れられないだろう。テレビの画面では写らなかったが、あの「泣き虫」の土佐が「ラストラン」の名古屋では笑顔でゴールしたのだという。入船も、いろんな意味で「惜しい」ランナーだった。嶋原も、「ママさんランナー」としてロードに戻ってくるのを楽しみにしている。


◎カムバック賞

野口みずき(シスメックス) 名古屋6位
那須川瑞穂(ユニバーサルエンターテイメント) 名古屋12位 デンバー優勝 横浜2位

あの野口みずきが、ギリギリでロンドンの選考レースに間に合った。一度は先頭集団から遅れながらも、粘りの走りで6位でゴール。日本人トップの尾崎よりもインパクトを与える走りと評価する声もあったほどだ。2009年の東京優勝以来、低迷していた那須川が8大会ぶりにセカンドベストをマークして日本人トップの2位。これも「カムバック」と評価したい。

◎外国人特別賞

サムエル・ドゥング(愛知製鋼) びわ湖優勝 シカゴ7位
リディア・チェロメイ(ケニア) ドバイ6位 プラハ棄権 横浜優勝

日本の実業団在籍のケニア人選手のマラソンでの活躍が目立つが、2大会続けて結果を出すランナーは意外と少ない。それこそ、あのサムエル・ワンジルくらいであろうか。その同じ「サム」が、びわ湖、シカゴと2大会続けて2時間7分台でゴールしたのだ。両者の共通点はファーストネームだけではない。指導者がワンジルは森下広一さん、ドゥングは児玉泰介さん、と旭化成出身のランナーであることだ。今年の横浜で独走して優勝したチェロメイ。彼女の飛び出しにつこうとしなかった日本勢を批判する声もあったが、今年のドバイで2時間21分台で走っていて、それでもケニアの五輪代表になれなかったランナーだ。格が違い過ぎる。

◎ベスト市民ランナー賞

松本 翔(DREAM) 勝田8位 びわ湖棄権 大井川優勝 福岡23位
田畑郁恵(三重陸協) 大阪女子15位、東京17位 奈良優勝

駅伝の古豪、宮崎県立小林高校から東京大学に進学。学連選抜として箱根駅伝に出場。卒業後は母校の先輩である谷口浩美さんが監督を務める東京電力の陸上部に入部。そんな「赤門箱根ランナー」として注目を集めるべきところが、昨年の東日本大震災で運命が変わった。陸上競技部は活動を停止したが、一人きりのトレーニングでマラソンデビュー。今年の福岡が初のサブ20をマークした。松本翔。もっとメディアに取り上げられるべきランナーだと思っている。松山商業高校陸上部の女子駅伝チームの主将を土佐礼子が務めていた時、エースだったのが一学年下の黒星郁恵。1996年の都道府県対抗女子駅伝。愛媛がアンカー真木和さんの激走で初の8位入賞を果たした際にも、松山大に進学していた土佐、後に四国電力入りする真鍋裕子さん、黒澤奈美さんらとともにメンバー入り。卒業後は三井海上(現在は三井住友海上)入りするも、競技者生活は短かった。

引退後の消息を知らなかったのだが、昨年の奈良マラソンの前に走ったハーフマラソンの記事で、結婚し出産後にマラソンデビューしていたことを知った。今年の奈良では自己ベストの2時間43分16秒の自己ベストをマーク。いつか、愛媛マラソンも走って欲しい。





◎新人賞

森田知行(カネボウ) びわ湖6位
松村康平(三菱重工長崎) 別府大分4位
出岐雄大(青山学院大) びわ湖9位

今の日本マラソン界の「男高女低」ぶりを最も象徴するのがこの部門。女子ランナーの、国際マラソンでの初マラソンでトップ10入りが皆無だった!その一方で、男子の森田は初マラソンでサブテン、堀端宏行や川内優輝と同学年の松村は、五輪イヤーの別大での日本人ランナーのベストタイム(五輪選考対象外でありながら、2時間11分台)。そして、大学3年生(びわ湖の時点で)出岐は、大学生のマラソン歴代3位。さらには、同じびわ湖で13位だが、「32歳での初マラソンの日本最高タイム」となる2時間11分13秒の石川末廣にも賞を授与しようかと思ったほどである。学生の出岐は無理でも、森田と松村は秋の海外マラソンを走るかと思ったら、不出場だった。来年のレースに期待したい。そして、出岐の進路と今後も気になるところだ。


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