KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

マラソンを愛する皆様、こんにちは。
2022年は積極的に更新していく心算です。

ザ・・ジャパニーズ・ランナーズ・オブ・2001~2010

2011年01月02日 | マラソン時評
このサイトの前身を立ち上げたのが、2001年の1月1日(!)だったので、満10周年を迎えたこととなる。自分でも、こんなに長く続けられるとは思っていなかったし、ずっと愛読してくださっている方もいらっしゃると思う。皆様の長年のご愛顧に感謝します。

毎年選出してきた「日本マラソン大賞」も10年を迎えたわけである。そこで、新春特別企画、というわけでもないが、ちょうど21世紀の最初の10年が過ぎたところで、「この10年の日本人マラソンランナーのランキング」を作ってみた。

自己ベスト記録、優勝歴、五輪&世界選手権での成績を考慮し、そこに若干の「独断と偏見(爆)」を交えて作成してみた。


まずは男子から。所属チーム名の後の数字は誕生年である。

1位 高岡寿成(カネボウ・1971)※
2位 尾方 剛(中国電力・1973)
3位 油谷 繁(中国電力・1976)
4位 諏訪利成(日清食品グループ・1977)
5位 佐藤敦之(中国電力・1978)
6位 森下由輝(旭化成・1971)※
7位 大崎悟史(NTT西日本・1976)
8位 国近友昭(エスビー食品・1973)※
9位 清水康次(NTT西日本・1968)※
10位 藤原 新(JR東日本~レモシステムRC・1981)

※は既に現役競技者を退いている人である。もし、同様のランキングを他の人が選んだとして、油谷を1位に推す人もいるかもしれない。世界選手権と五輪に合計3度入賞しているからだ。しかし、ここでは今なお破られぬ、もしかしたら当分破られないかもしれない日本最高記録2時間6分16秒を32歳でマークし、4大会連続サブ8(2時間8分以内)をマークした高岡をこの10年で最高の日本人マラソンランナーに推した。尾方を油谷より上にしたのは、この10年で日本人男子唯一のメダリストであるからだ。

世界選手権の入賞者をランキングの上位にしたが、福岡国際で高岡と諏訪を破って優勝した国近が8位、というのは自分でも迷った。結局、サブテンがこの時1回しかないということで、この順位に落ち着いた。

それにしても、1980年代生まれが藤原しかいない、というのがなんとも寂しい。ちなみに、11番目の選手は、1980年生まれの藤原正和である。


女子もととのいました(無理矢理流行語を使う。)

1位 野口みずき(グローバリー~シスメックス・1978)
2位 土佐礼子(三井住友海上・1976)
3位 千葉真子(豊田自動織機・1976)※
4位 尾崎好美(第一生命・1981)
5位 坂本直子(天満屋・1978)
6位 高橋尚子(積水化学~佐倉AC~ファイテン・1972)※
7位 渋井陽子(三井住友海上・1978)
8位 弘山晴美(資生堂・1968)※
9位 原裕美子(京セラ~ユニバーサルエンターテイメント・1982)
10位 嶋原清子(資生堂~セカンドウインドAC・1976)

男子以上に悩みぬいた末のランキングである。トップ3はすんなり決まった。悩んだのは高橋をどこに入れるかである。世界初の女性のサブ20、をどう評価すべきか。五輪や世界選手権のメダルより上にすべきではないかとも思った。選ぶ人によっては、野口に次いで2位にランクさせるかもしれない。ちなみに、このランキングの評価は、2001年以前の実績は対象にしていない。もし、1991年~2000年の10年間のベストを選ぶとしたら、迷うことなく彼女がナンバー1である。

こうしてみると、女子の方が層が厚かったといえる。'09年の世界選手権入賞者である加納由理や大南姉妹がベストテンに入れないくらいだから。しかし、ここでも、最年少が1982年生まれの原なのだから、男女ともども若手の台頭が見られないのが寂しい。(ちなみに、原は早生まれなので尾崎とは同学年)

今年の大邸での世界選手権、来年のロンドン五輪の代表に、この中の※をつけていないランナーから何人選ばれるだろうか。本来なら、ここからは選ばれない方が望ましいのだが、選ばれて欲しい人もいる。言わずもがなだろうけど。

ともあれ、この10年の「マラソンにっぽん」の屋台骨を支えた、20人のランナーたちに深い敬意を表したい。空前のランニング・ブームとか言われるが、某大手出版社の有名なスポーツ誌が、ランニング専門の特別号を刊行していたが、唖然とした。表紙が中田英寿だったからだ。一体どういうことなんだ。日本を代表するランナーたちに対する、一般マスコミの扱いの寒さを痛感した。もし、このランキングを見て、半分以上が知らない名前だったという方は、このサイトをすみずみまで見て、勉強してください。

もし、10年後もこのサイトが存在し、2011年~2020年のランキングを発表できるとしたら、その中に、佐藤悠基や柏原竜二、宇賀地強、高林祐介、岩井勇輝、といった名前があって欲しいし、女子の中に松山大学女子駅伝部出身者の名前があって欲しい。






コメントを投稿