KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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北京国際マラソン雑感vol.2~もうひとつの失望

2005年11月19日 | マラソン観戦記
今回の北京国際マラソンについて、今頃になって新たな疑念が生じた。いまさら声高に主張しても手遅れかもしれないが、これを記しておかないと、僕のもやもやした気分にけりをつけることができないと思い、あえて記すことにした。

レースが終わった後、表彰式の模様が映し出された。最も高い位置にいるのは、チェロノである。一方、中継テレビ局がテロップで紹介したレース結果では、2番目にゴールしたモイベンが優勝となり、チェロノは失格となっていた。

これは、テレビ局が独自の判断で出したものだったのであろう。しかし、ある意味では異様な光景だった。

新たに生じた疑問はまさにこのシーンだった。
前回のチャンピオンでもあるモイベン、

なぜ、この結果に異議を唱えなかったのか?

同じケニア人同士でケンカをしたくなかったのか?

そして、「優勝者」のチェロノ。

なぜ、
「こんな結果は不服だ。」
として、優勝を返上しなかったのか?優勝賞金がそんなに惜しいのか?

金銭の価値観が歪んだこの国においては、「負け組」や「下流」になるとは言え、ケニアの大半の人々に比べると遥かに富裕な生活をしている人間が、こんな事を要求するのは、筋違いかもしれない。チェロノが獲得した賞金も何割かは代理人と陸連のモノになるのだろう。

それでも、僕はチェロノには、優勝を辞退して欲しかった。それをしなかったチェロノ(もしくは、させなかった代理人=ガブリエラ・ローザ?)に対して、僕は大いに失望していたのだし、今になって気づいたのだった。なんともマヌケな話であるが。

金が欲しいなら、主催者に賠償金を請求すれば良かったのではないか?こんな結果を受け入れて欲しくなかった。

今や世界各地のメジャー・マラソンにおいて、圧倒的な強さを見せているケニア勢。独占禁止法違反状態と言ってはいけないが、現在の世界のマラソンをリ-ドしている存在と言ってもいいだろう。だからこそ、今回のようなルールを無視したような結果を正すアピールをして欲しかったのだ。3年後のオリンピックのためにも、主催者に猛省を促す契機となったのに。

賞金を稼ぎさえすれば、それでいいというものでもないだろう?王者にふさわしい、毅然とした品格を身につけて欲しいものである。(なんだか、朝青龍に対する、相撲ファンの要望みたいになってきたな。)



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