KANCHAN'S AID STATION 4~感情的マラソン論

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60年目のびわ湖毎日マラソン展望(日本人選手篇)

2005年03月06日 | マラソン時評
今回も、日本人メンバーは充実している。と言うよりもほぼ「独占禁止法状態」である。

東京国際で、高岡寿成との直接対決を嫌ったのか、持ちタイムが2時間10分以内の選手が11人も揃った。注目は、3年ぶりのマラソン出場となる藤田敦史(富士通)。20世紀最後の福岡を当時の日本最高記録で優勝した、「日本男子マラソン希望の星」ながら、シドニー、アテネと五輪には、選考会のスタートにさえ立てなかったランナーが、復活の場に、6年前の初マラソンで、当時の大学生マラソン最高記録をマークしたびわ湖のコースを選んだ。

あえて、チームを離れ、母校の駒澤大学の近くに居をかまえ、学生たちとともにトレーニングを続けているというが(それを許可した、福嶋正監督もエライ!)、はたして、どのような結果を出してくるか。

旭化成からは7年前の優勝者、小島宗幸ら4人が出場。パリ世界選手権、アテネ五輪と途絶えてしまった旭化成の代表入りを復活させてもらいたい。

双子の兄、隆行の30km世界新記録に、大いに刺激を受けたであろう松宮祐行(コニカミノルタ)にも注目したいし、チーム初の日本代表入りを目指す高塚和利(小森コーポレーション)も、印刷関連業界で禄をはむ者としてはエールを送りたいところだ。

その高塚、昨年のこのレースで、それまでのベストを4分以上も更新する2時間8分56秒でゴールしているわけだが、今回もそのような「大幅更新」選手が現れるかもしれない。個人的には、今回に備えて昆明合宿まで組んだ三菱重工長崎の徳永考志、原和司らにチーム初のサブテンを期待したいところだ。

初マラソン組で注目が高いのは、瀬戸智弘(カネボウ)。別大の入船敏、東京の高岡に続いて、「カネボウV3」を狙っているだろう。チーム事情が苦しいだけに、今のカネボウの選手たちは毎週、どこかで必死に走っている。先週も愛媛出身である稲垣孝一が、祐徳ロードレースで2位に入賞していた。

瀬戸にも頑張って欲しいが、昨年の熊日30kmで瀬戸に次いで2位でゴールした太田崇。NEC時代の同期生で同じ北海道出身の高塚への対抗心も出してくれば面白い。そして、その熊日で30kmの学生記録を出している清水将也
。旭化成入り以後は目だった活躍が見られなかったが、いきなり大金星!も期待したい。

大阪国際女子マラソンで、世界選手権代表入りを内定させた小まりの指導者であり、往年の名ランナーだった上岡忠明監督の息子、上岡宏次もマラソン・デビューを果たす。父の記録、2時間13分37秒6を越えることができるか?

この大会の参加資格タイム、2時間30分を越えることは、「真のアマチュア」である市民ランナーたちにとっての大きな目標である。その当落線上のランナーたちの中では、個人的に親交のある、村井啓一君(NTT西日本愛媛)からの、嬉しい報せも待っている。こういう大会に彼が出続けることは、彼の妻、土佐礼子にとってもプラスになっていることだろう。

さて、この大会は今夏の世界選手権ヘルシンキ大会の代表選考レースでもある。(忘れていたわけではない。)
現時点で、代表内定者は福岡優勝の尾方剛(中国電力)に、東京国際優勝の高岡。当落線上にあるのが別大優勝の入船。

入船には、誠に申し訳無く、かつ失礼な言い方になるが、彼が代表から漏れてしまうくらいになることを望んでいる。彼の別大優勝には敬意を表しているのであるが。

そのためには、今回のびわ湖から、内定者が3人出るような結果が出る、ということだが、今回の「日本人3位」が入船より高く評価されるには、

1.ゴールタイムが2時間9分以内であること。
2.レース終盤まで優勝争いに加わり、トップとの差が10秒以内でゴールすること。

一昨年の福岡のような接戦であることが条件なのだ。4年前の世界選手権の代表選考で、2時間8分52秒でびわ湖の日本人3位の帯刀秀幸が選に漏れ、東京で2時間10分51秒の高橋健一が選ばれたことに僕は不満を漏らしたが、今にして思えば、これは妥当な選考だった。高橋と帯刀が同じチームの先輩と後輩の関係だったせいで、誤解したところもある。帯刀は優勝したペーニャに1分18秒も差をつけられていた。

実にわかりやすいじゃないか!いいかげんに、代表選考に「わかりにくい」という枕詞をつけるのはやめなさいよ、サ○ケイ・スポーツさん。




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