いよいよ、大賞(MVP)と主要な賞の発表である。ここからは、各賞毎にコメントしていきたい。
☆新人賞
久保田満
森本 友
吉田香織
女子は、初マラソンの大阪で5位、5月のウイ-ンで優勝の森本か、北海道で初マラソン初優勝の吉田か迷ったあげくに、両方を選ぶことにした。この2人のうちいずれかは、来年の大阪での世界選手権に選ばれる可能性も大だ。(吉田は名古屋を走るだろうか?)昨年は該当者なしだった男子の新人賞だが、延岡で4位、北海道で2位の久保田を(タイムは物足りないが)選んだ。
☆敢闘賞
諏訪利成
渋井陽子
諏訪というランナーはどこか捕らえ所がない。アテネ五輪の前にも某局のスポーツニュースでは、指に大きなリングをはめ、ピアスも光らせる彼を「マラソン界の新人類」と紹介していた。闘志を表に出すタイプではないが今年の福岡も期するものがあったのだろう。アテネの時を思わせる粘りで、4位の奥谷を脅かした。アテネ6位という結果に決して満足していないし、燃え尽きてもいないことを見せた。先行し独走するのが渋井の持ち味だが、これまでの渋井は負けたレースの内容が良くなかった。今年の名古屋は弘山に敗れたとはいえ、持ち味は出し切っての負けだったと僕には見えた。
☆殊勲賞
関屋良一
稲垣寿美恵
今年のマラソン大賞最大のサプライズのつもりだ。
「誰やねん?」
と思われる方が大半だろう。彼らは今年の2月、まさに日本で多くの人々が荒川静香のイナバウワ-に魅せられていた頃、台湾で開催された24時間走の世界大会で、男女アベック優勝した日本代表選手である。
「そんな競技があるのか!?」
と驚かれる方も多いだろう。簡単に大会の概要を説明すると、一周0.5km~2.5kmのコースを24時間で多く周回したランナーが勝ち、という競技である。(今回の台湾は0.9887km)エイド・ステーションも充実していて、休憩や食料の補給も自由に行える。モーター・スポーツ好きの方なら、ル・マンのような24時間耐久レースをマラソン・ランナーが行っているものと思えば、イメージしやすいと思う。世界最高記録はギリシャのウルトラ・ランナー、クーロスが持つ303.306km。日本(アジア)最高は関屋が持つ272.936km。これは世界歴代9位に相当するという。
「そんなもの、陸上競技じゃない。」
と思われる方もいらっしゃるだろう。国際陸連が公認しているロードレースの最長距離は100kmである。日本代表とはいえ、日本陸連からの支援はない。(他国の代表ランナーはその国の陸上競技ナショナルチームのユニフォームを着用している。)代表選手と言えども、遠征費やユニフォーム代も自腹であり、自ら企業を回ってスポンサーを見つけている。
今回、彼らに殊勲賞を贈ろうと思ったのは、月刊ランナーズ誌の2006年11月号に掲載された、24時間走日本代表チーム(団体戦もあり、台湾の大会で日本男子は団体優勝、女子は準優勝)のメンバー、岩本能史の寄稿文を読んだからである。
「本来報道媒体は競技選手を呼び捨てにするのが普通だが、我々は『〇〇さん』と報道される。世界と戦う現役アスリートなので呼び捨てでもかまわない。」
「我々は10分間でホットドックを42個食べる超人ではない。ギネスブック的扱いはいらない。野球やサッカーや実業団のランナー同様、アスリートとして競技をしている。同じ視点で見てほしい。24時間寝ないで走ることや、走りながら食事することにでなく、勝利したことや、距離やタイムに対して感動を覚えて欲しい。」
「オンリー・ワンのランナーたちにエールを贈る」サイトの管理人として、岩本(呼び捨てにさせていただきます。)の呼びかけに応えよう。今後も、24時間ランナーたちを折に触れて取上げていこうと思う。なお、稲垣は来年の大阪国際女子にも出場する。(フルマラソンのベストは3時間5分)
さて、ここまで来たら、優秀選手とMVPはおよそ想像つくだろう。
☆優秀選手賞
奥谷 亘
嶋原清子
☆最優秀選手賞(MVP)
土佐礼子
弘山晴美
男子の優秀選手は該当なしも考えた。あるいは、「大甘」と見る人もいるかもしれない。ともあれ、自己ベストを更新しての今年の日本ランキング1位は評価しようと思う。トップランナーのフルマラソン出場回数が年に1~2度が普通になっている中、嶋原は大阪、ボストン、アジア大会に出場し、全て5位以内でゴール、アジア大会では銀メダルを持ち帰った。今後のレースでまだまだ自己ベストを更新する可能性も大きい。30歳過ぎてまだ、伸び代が残っていそうだ。
そして、今回初めてMVPを2人選んだ。土佐と弘山、どちらも優劣つけ難かった。
全体として、今年のレベルが低調だったことは否めない。来年の世界選手権、先のアジア大会でも、短距離やフィールド種目の第一人者はしっかりと金メダルを持ちかえった。女子長距離でも福士加代子が金メダルを持ちかえったが、男子の長距離や女子マラソンでまだ、「大阪の顔」が見えてこないのが現状だ。
来年はいい年でありますように。
☆新人賞
久保田満
森本 友
吉田香織
女子は、初マラソンの大阪で5位、5月のウイ-ンで優勝の森本か、北海道で初マラソン初優勝の吉田か迷ったあげくに、両方を選ぶことにした。この2人のうちいずれかは、来年の大阪での世界選手権に選ばれる可能性も大だ。(吉田は名古屋を走るだろうか?)昨年は該当者なしだった男子の新人賞だが、延岡で4位、北海道で2位の久保田を(タイムは物足りないが)選んだ。
☆敢闘賞
諏訪利成
渋井陽子
諏訪というランナーはどこか捕らえ所がない。アテネ五輪の前にも某局のスポーツニュースでは、指に大きなリングをはめ、ピアスも光らせる彼を「マラソン界の新人類」と紹介していた。闘志を表に出すタイプではないが今年の福岡も期するものがあったのだろう。アテネの時を思わせる粘りで、4位の奥谷を脅かした。アテネ6位という結果に決して満足していないし、燃え尽きてもいないことを見せた。先行し独走するのが渋井の持ち味だが、これまでの渋井は負けたレースの内容が良くなかった。今年の名古屋は弘山に敗れたとはいえ、持ち味は出し切っての負けだったと僕には見えた。
☆殊勲賞
関屋良一
稲垣寿美恵
今年のマラソン大賞最大のサプライズのつもりだ。
「誰やねん?」
と思われる方が大半だろう。彼らは今年の2月、まさに日本で多くの人々が荒川静香のイナバウワ-に魅せられていた頃、台湾で開催された24時間走の世界大会で、男女アベック優勝した日本代表選手である。
「そんな競技があるのか!?」
と驚かれる方も多いだろう。簡単に大会の概要を説明すると、一周0.5km~2.5kmのコースを24時間で多く周回したランナーが勝ち、という競技である。(今回の台湾は0.9887km)エイド・ステーションも充実していて、休憩や食料の補給も自由に行える。モーター・スポーツ好きの方なら、ル・マンのような24時間耐久レースをマラソン・ランナーが行っているものと思えば、イメージしやすいと思う。世界最高記録はギリシャのウルトラ・ランナー、クーロスが持つ303.306km。日本(アジア)最高は関屋が持つ272.936km。これは世界歴代9位に相当するという。
「そんなもの、陸上競技じゃない。」
と思われる方もいらっしゃるだろう。国際陸連が公認しているロードレースの最長距離は100kmである。日本代表とはいえ、日本陸連からの支援はない。(他国の代表ランナーはその国の陸上競技ナショナルチームのユニフォームを着用している。)代表選手と言えども、遠征費やユニフォーム代も自腹であり、自ら企業を回ってスポンサーを見つけている。
今回、彼らに殊勲賞を贈ろうと思ったのは、月刊ランナーズ誌の2006年11月号に掲載された、24時間走日本代表チーム(団体戦もあり、台湾の大会で日本男子は団体優勝、女子は準優勝)のメンバー、岩本能史の寄稿文を読んだからである。
「本来報道媒体は競技選手を呼び捨てにするのが普通だが、我々は『〇〇さん』と報道される。世界と戦う現役アスリートなので呼び捨てでもかまわない。」
「我々は10分間でホットドックを42個食べる超人ではない。ギネスブック的扱いはいらない。野球やサッカーや実業団のランナー同様、アスリートとして競技をしている。同じ視点で見てほしい。24時間寝ないで走ることや、走りながら食事することにでなく、勝利したことや、距離やタイムに対して感動を覚えて欲しい。」
「オンリー・ワンのランナーたちにエールを贈る」サイトの管理人として、岩本(呼び捨てにさせていただきます。)の呼びかけに応えよう。今後も、24時間ランナーたちを折に触れて取上げていこうと思う。なお、稲垣は来年の大阪国際女子にも出場する。(フルマラソンのベストは3時間5分)
さて、ここまで来たら、優秀選手とMVPはおよそ想像つくだろう。
☆優秀選手賞
奥谷 亘
嶋原清子
☆最優秀選手賞(MVP)
土佐礼子
弘山晴美
男子の優秀選手は該当なしも考えた。あるいは、「大甘」と見る人もいるかもしれない。ともあれ、自己ベストを更新しての今年の日本ランキング1位は評価しようと思う。トップランナーのフルマラソン出場回数が年に1~2度が普通になっている中、嶋原は大阪、ボストン、アジア大会に出場し、全て5位以内でゴール、アジア大会では銀メダルを持ち帰った。今後のレースでまだまだ自己ベストを更新する可能性も大きい。30歳過ぎてまだ、伸び代が残っていそうだ。
そして、今回初めてMVPを2人選んだ。土佐と弘山、どちらも優劣つけ難かった。
全体として、今年のレベルが低調だったことは否めない。来年の世界選手権、先のアジア大会でも、短距離やフィールド種目の第一人者はしっかりと金メダルを持ちかえった。女子長距離でも福士加代子が金メダルを持ちかえったが、男子の長距離や女子マラソンでまだ、「大阪の顔」が見えてこないのが現状だ。
来年はいい年でありますように。
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