観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

帰ってきました。

2019-04-23 21:50:54 | 日記

※本日の藤前干潟の記事「チュウシャクシギが近くに」はこの記事の下にあります。

 

今春も行ってきました。7回目の自費研修旅行。

業務を定時に終わって、市高速に乗って40分かからない県営名古屋空港へ。滑走路内にポケストップもあるし、駐車場も無料ではなくなったけど、車を4日間停めても2千円です。

20時10分発のFDAで21時35分には福岡空港、そこからレンタカーで1時間ちょっとで佐賀市内の宿に到着です。

佐賀の大潮の満潮時間は朝9時前後。藤前干潟での探鳥とは違って、大潮の満潮前後2時間が見どころなので前泊です。

朝6時過ぎにはホテル前に集合、即出発。

ホテルの朝食は6時半からなので、3日間とも朝食はコンビニのパンでした。

佐賀駅近くの宿から30分弱、今年もまた来たよ大授搦!!(ラムサール条約に登録されている湿地名は東よか干潟です。)5か月ぶりの訪問です。

まだ干潟が広がっていて、満潮時間の2時間ほど前。鳥たちはまだ遠くの水際です。

それでも、この時間でも、藤前干潟の庄内川河口の導流堤脇の鳥たちよりも近いですが・・・

潮が満ちてくると鳥たちが岸近くに移動してきます。

そして干潟が無くなると、潮に浸からない堤防下や、水際の柵に集まってきます。

ここ大授搦では、春の藤前干潟では観察する機会の少ない赤い夏羽のオオメダイチドリやオオハシシギ、コオバシギを見ることが出来ます。(右端2羽コオバシギ)

二日目にはツクシガモの群れの近くにアカツクシガモの姿も。

 そして、あの〇〇シギの情報も。

そして最終日の日曜日、早朝から干潟に人が集まって来ています。

皆のいるとこから20m先、自分たちがいる堤防の上から約80m先にあのシギがいます。寝ている時は識別がかなり困難です。一度確認できても目をそらすと分からなくなります。

80m先を1200mmでノートリミング。プロミナーで見つけた後でないと解りません。
赤丸の中の手前1羽はトウネンです。

この写真では解らないので、近くにいったスタッフが人の群れの外れに行くと、目の前に来たらしいです。

それがこれ。トウネンの後ろのヘラシギです!

ここ大授搦では3年ぶりに確認されたそうです。(その時も偶然ここに来てました。)

 
庄内川左岸からの観察と同じで、大授搦でも日が昇り始めると陽炎が出てきます。

9時を過ぎて陽炎が目立ち始めてユラユラな写真ばかりで、これ↑が唯一比較的まともな写真でした。

本当は5月の大型連休に大授搦に来ると、野鳥の数も種類も多いと思いますが、5月の潮の良い時は藤前干潟での愛鳥週間イベントや調査(カウント)が重なって無理なので、毎年春は今頃にここへお邪魔してます。秋の渡りは9月に行くと暑いし、春と同じでイベントやカウントが重なってしまい10月にお邪魔してます。

この干潟のすぐ隣には佐賀国際空港があるものの、名古屋から空路が無くて少々不便ではありますが、今では国内でシギ・チドリを最もたくさん見られる素敵な場所です。

でも、大授搦は諫早の埋め立てが始まるまでは、藤前干潟よりもシギ・チドリの飛来数が少ない所でした。諫早のシギ・チドリがすべて大授搦に移動した訳ではありませんが、諫早の干潟の偉大さを改めて感じます。

藤前干潟の鳥たちも昭和40年代まではシギ・チドリが極めて少ない場所でしたが、木曽岬や名港4区、5区の埋め立てが始まってから藤前への飛来数が増えてきました。そして藤前の保全が決まる前に、諫早のギロチン(閉め切り)のショッキングな映像がニュース等で広まり一般市民の方にも埋め立て反対の機運が高まり、藤前干潟は保全の方向へ動いていったと思っています。

そして、その藤前干潟ではここ数日でチュウシャクシギやオオソリハシシギの飛来数が増えてきました。もう少ししたらトウネンの群れの飛来も確認できるはずです。

藤前でもトウネンの群れと一緒にもしかしたらヘラシギが来るかもしれません(過去には近辺で確認されたことがあります)。

トウネンがいたらぜひ1羽ずつ識別してみてください。(寝ているとかなり難しいです。)

このブログでも度々お伝えしているように、藤前干潟ではシギ・チドリの飛来数が減っていますが、大授搦でもピーク時に比べるとシギ・チドリの飛来数が減っているとのお話を大授搦の鳥の飛来数を調べている地元の方にお聞きしました。

希少種であるヘラシギを見る機会も減っているとの話もあり、今回、ヘラシギを見られたことは地元の方にとっても非常に嬉しいことだったようです。

また、とても豊かに見える有明海の干潟や海の生きもの(下の番外編で紹介しています)の中にも、実は激減している生きものがいるそうです。

大授搦と藤前干潟。干潟も鳥の飛来数も規模が違うので、並べて語ることはおこがましいかもしれませんが、渡り鳥たちにとって、特に長い距離を渡るシギ・チドリにとってどちらも大切な干潟です。

どちらの干潟も、渡り鳥が飛来し続ける場所であるよう願います。

 

今回の大授搦(だいじゅがらみ)で観察できた主な野鳥 カワウ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、ヘラサギ、クロツラヘラサギ、アカツクシガモ、ツクシガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、シマアジ、ハシビロガモ、ホシハジロ、ミサゴ、トビ、ハヤブサ、ミヤコドリ、シロチドリ、メダイチドリ、オオメダイチドリ、ムナグロ、ダイゼン、キョウジョシギ、ヨーロッパトウネン、トウネン、ヒバリシギ、ウズラシギ、ハマシギ、サルハマシギ、コオバシギ、オバシギ、ミユビシギ、ヘラシギ、エリマキシギ、オオハシシギ、コアオアシシギ、アオアシシギ、ソリハシシギ、キアシシギ、イソシギ、オグロシギ、オオソリハシシギ、ダイシャクシギ、ホウロクシギ、チュウシャクシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、ズグロカモメ、クロハラアジサシ、コアジサシ他 

 

【以下、番外編】佐賀で出会った干潟の生きもの・海の生きもの

シオマネキ。ここではヤマトオサガニと同じ環境に生息しています。

そしてトビハゼ(手前右1匹)とムツゴロウ。

ムツゴロウは有明海で代表的な種類です。藤前干潟でも見られるトビハゼと違い、植物食で泥の表面に付着している珪藻類を食べています。もう少しすると繁殖期だそうで、繁殖期には背びれを立てて威嚇し合ったりして活発に干潟を動き回ったり、飛び上がったりします。

そしてトビハゼやムツゴロウと同じくハゼ科の仲間ワラスボです↑(干潟よか公園に展示されていた迫力ある模型です)。上向きに開く大きな口が特徴で泥の中に生息しています。
佐賀県では「有明海のエイリアン」と呼ばれていますが、アオサギにも食べられていて見かけと違って弱いです。

ワラスボは刺身や煮つけの他、干物がお土産屋さんでも売られています。

そして藤前干潟でも観察できるアナジャコ。有明では「まじゃく」と言われています。天ぷらは、とてもおいしかったです↑。

アゲマキ。以前は藤前干潟(庄内川河口)にも生息していたそうですが、現在は絶滅となっています(貝殻だけは今も干潟の泥の中からみつかります)。有明海沿岸の干潟でも少なくなり、現在では輸入や養殖が主のようです。焼いて食べると美味しいです。

干潟に住む代表的なシタビラメの仲間、クチゾコです。クツゾコが訛ってクチゾコと呼ばれるようになったそうです。

写真は干潟の幸定食です。写真ご飯のヨコ小皿の右側は地元ではワケノシンノスと呼ばれるイシワケイソギンチャクの酢味噌和えです。ワケノシンノスとは「若い人の尻の穴」と言う意味だそうです(驚)。

そして有明海では無いですが、佐賀県は唐津市呼子のイカが有名です。
佐賀市内でも居酒屋さんに行くと活き作りが食べられます。げその天ぷらもフワフワなくらいやわらかくておいしかったです。

そして一番おいしかったのがサバの刺身、一匹捌いてもらいました。

今回では一番高額な贅沢な一品でした。

以上が佐賀県の干潟の生きものと、海の生きものです。

ワケノシンノス(イシワケイソギンチャクの酢味噌和え)は是非こちらに来たときは一度ご賞味ください。
個人的には、一回食べたら二回目は無いと思いますが。

 

おしまい

 

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おはようございます

2019-04-19 07:27:20 | 日記

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明日の藤前干潟は9時ぐらいからおすすめです。

2019-04-18 19:54:29 | 日記

行ってきます。

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