観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

干潟で遠くの鳥たちを見るために

2018-06-30 17:17:09 | 観察機材

藤前干潟

今日の満潮時間 6時26分 潮位234cm

今日の干潮時間13時11分 潮位 38cm

週末なのに来館者が少ないので昨日の記事で書いた、興和光学㈱様から新たにお借りしたスポッティングスコープTSN-774 PROMINARTSN-664M PROMINAR、それと以前からお借りしているTSN-884 PROMINARTSN-502、さらにスッタフ所有のスポッテングスコープ(すべて生産中止、手前の左から三台目からTSN-604 PROMINAR、TSN-4N PROMINAR、TS-2)を見比べてみました↓。

450m先の導流堤のミサゴを見るだけなら全機種ともさほど差を感じませんが、対岸1.6km先の名古屋市南陽工場の外壁タイルを見ると明らかに差を感じました。スッタフ所有の古いスポッティングスコープでは、はっきりタイルの目地が見えなかったのに、TSN-664M 、TSN-774 、TSN-884 では陽炎が厳しい中でもコントラストが高く、1km以上離れた識別には大きな威力を感じました。

また、ノーマルレンズのTSN-502も低倍率で使う分にはさほど差を感じませんでした。

今回見比べた中で一番古いTS-2↓は、1952年から1988年までの長い間販売されていました。

私が鳥を始めた頃は、みんな使っている機材は一緒で、双眼鏡はポロプリズムが主流でnikonの8×30、望遠鏡はkowa のTS-1やTS-2ばかりで、三脚はフリーターン雲台の着いたスリックのマスターシリーズが多かったです。

そして、PROMINARは元はkowaのカメラレンズの商品名でしたが、古くからバードウォッチングをしている人たちは野鳥観察に使う望遠鏡を全てプロミナーと呼んでいました。

その後発売されたnikonさんのフィールドスコープや他社の望遠鏡の事も、全部プロミナーと言ってました。なので当館のスタッフは未だに望遠鏡のことは全て〇〇社のプロミナーと呼んでしまいます。

現在、野鳥観察館では、興和光学㈱さんから発売されている機種のうち、スポッティングスコープ4機種双眼鏡5機種テレフォトレンズ/スコープPROMINAR500mmf5.6FLをお借りしてデモ機として揃えています。

今はまだ鳥の少ない時期ですが、あと1か月後に始まる秋のシギ・チドリの渡り、2か月後に始まる秋のタカの渡りに向けて、望遠鏡等に興味のある方は、一度覗き比べに野鳥観察館までお越しください。

 

例年よりかなり早いですが、東海地方も梅雨明けが近いようですね。

蒸し暑くなった今日の稲永公園は週末なのに人は少なく、この時期の干潟の鳥たちと同じく比較的静かでした。

ただ夏鳥のササゴイは、岸辺で小魚を探す姿を頻繁に見ることが出来、巣で餌を待つ雛たちのために何度も干潟と巣を往復するため飛び回る姿を観察できました。

明日から7月。もう2~3週間すれば少数ですが繁殖地からシギ・チドリが藤前干潟に戻って来るはずです。

 

☆★☆秋の写真展の展示作品を募集中☆★☆

今年の秋も一般の方から写真作品を募って、写真展を開催します。→昨年度の野鳥観察館での秋の写真展示の様子はこちら(2017年8月26日の日記)。

今回の募集する写真展は以下の2つです。
①秋の野鳥写真展 「鳥のいる水辺の風景」 【主催】名古屋市野鳥観察館
②藤前干潟写真展 「藤前干潟の魅力~風景・生き物~」 【主催】藤前干潟ふれいあ事業実行委員会


どなたでも応募できますので、ぜひ、両方の写真展へ応募ください。

応募締め切りは【8月19日(日)】までとなっています。

写真展の応募方法・写真展開催予定等はこちらのチラシ(PDF)をご覧ください。 

多くの方からのご応募をお待ちしております。

 

今日観察できた主な野鳥 カワウ826、ササゴイ3、ダイサギ28、コサギ1、アオサギ16、マガモ20、カルガモ28、ホシハジロ1、スズガモ4、ミサゴ2、コチドリ1、ケリ4、イソシギ1、ウミネコ83

 

明日の満潮時間 6時59分 潮位231cm

明日の干潮時間13時43分 潮位 43cm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しい望遠鏡を設置しました。

2018-06-29 19:54:56 | 観察機材

藤前干潟
今日の満潮時間 5時54分 潮位235cm
今日の干潮時間12時39分 潮位 36cm

 

まずはお知らせです。

ありがたいことに、先日、kowaさんから新たに3台の望遠鏡をお借りすることができ、本日、この望遠鏡を常時使用できるように、今まで設置してあった望遠鏡3台と交換、設置しました(残り27台はそのままです)。

↓の写真の手前の3台です。

今回お借りしたのは、TSN-774(対物レンズの口径77mm、XDレンズ)+20~60×ズームTE-11WZを1台と、TSN-664M(対物レンズの口径66mm、XDレンズ)+30×TE-14WDを2台。

今回お借りした望遠鏡は今までの望遠鏡よりも対物レンズの口径が大きいことなどから、遠い鳥をよりはっきりと見ることができます。

特に野鳥までの距離が比較的長い干潟の野鳥観察では、望遠鏡があると野鳥観察の楽しみがぐっと広がります。

ぜひ、来館された際は、望遠鏡を見比べてみてください。

 

昨晩から風が強く吹いていましたが、今朝も南東の風が強く吹き、午前中には一時、強い雨が降りました。

今日は野鳥観察館から、庄内川河口で5羽のミサゴを観察することができました。

さらに、強い風に流されて、数回、野鳥観察館の上空まで飛んで来ていました。

 

 

また、野鳥観察館の目の前では、カワウの群れが追い込み漁をして、次々と魚を捕まえていました。

夏を代表する高級魚として知られる「マゴチ」と思われる魚を捕まえたカワウ(↓の手前)を、数羽のカワウが追いかけていたり・・・、

「ウナギ」を取り合ったりする様子(↓の右上の2羽)も観察できました。

この他、今日の庄内川河口では、ササゴイ1羽、ウミネコ64羽、コアジサシ2羽なども観察できました。

 

そして、今日は夏休みに藤前干潟ふれあい事業実行委員会が開催する「夏休み、干潟体験プログラム」の中の、「干潟を音であそぼ(8月8日開催)」の打合せを稲永ビジターセンターで行いました。 

この「干潟を音であそぼ」では、干潟にある貝殻やヨシなどで楽器を作った後、その楽器を使って干潟の波の音・鳥やカニなどの生きものの音を奏でて、干潟を楽しみます。

今日の打合せでは、講師である本多”taco-bow”正典さん(パーカッショニスト)と一緒に、干潟の鳥のクイズや作る楽器、奏でる音などについて話し合いました。

当日作る予定の楽器「カキ殻とヨシの茎のウィンドチャイム」↓。右側が講師のtaco-bowさんです。

きっと楽しいイベントになるはずです。ぜひお申込みください。

「干潟を音であそぼ~貝殻やヨシで打楽器づくり~」 
  ★昨年の「干潟を音であそぼ」の様子はこちら(環境省AR日記(2017年8月29日))、または2017年8月22日の観察館日記)。
  日時:8月8日(水)10:00~12:00
  講師:本多”taco-bow”正典さん(パーカッショニスト)
  場所:稲永ビジターセンター
   対象:小学校1~3年生(保護者同伴)
   定員:20名(定員を超えた場合は抽選)
  申込締切:7月31日(火)
  申込み先:環境省名古屋自然保護官事務所     
         【はがき】〒455-0845名古屋市港区野跡4-11-2稲永ビジターセンター内
      【F A X 】052-389-2878
      【メール】WB-NAGOYA@env.go.jp
   問合せ先:環境省名古屋自然保護官事務所(TEL:052-389-2877)
  主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会 

 

明日の満潮時間 6時26分 潮位234cm
明日の干潮時間13時11分 潮位 38cm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋の写真展の作品募集を開始しました!

2018-06-28 19:28:59 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間12時06分 潮位 38cm
今日の満潮時間18時44分 潮位243cm

 

今日は午前中は雲が厚く、日はあまり差しませんでしたが、蒸し暑い日でした。

お隣の稲永ビジターセンターには、地元の小学生が来館して、近くの干潟・ヨシ原で生きもの探しを楽しそうにしながら、藤前干潟について学んでいる姿が見られました。

 

今日も潮が良く、お昼頃に大きく干潟が広がりました。

その干潟には、今日は2組のカルガモの親子を観察できました。

そのうちの1組である4羽の雛と親のカルガモは護岸の比較的近くから観察できました。

最近は、親ガモと同じくらいの大きさまで成長したカルガモの幼鳥も見かけますが、この雛たちはまだとても小さく、親のすぐ後ろを歩いていました。

干潟を横断中、親ガモが急にくちばしを突出し鳴き始めました。 

2羽のハシボソガラスが後ろから追いかけてきたので、威嚇していたのでした。その間に、雛たちは水の中へ入って・・・、

親ガモと一緒に泳いで、干潟を去って行きました。

 

護岸近くでは、藤前干潟の夏の主役、ササゴイの姿も観察できました。

今日は大きな獲物を捕まえているのを発見。ハゼの仲間のチチブと思われます。 

飲み込むのに少し苦労していたようです。

獲物を飲み込んだ後は、身体を震わせていました。

この後もエビや魚を捕えていました。

(※カルガモとササゴイの写真は地元のHさんに提供いただきました。)

 

そして、野鳥観察館前の水たまりには今日もやってきました、アオダイショウ。

今日は水たまりに入った後、近くの松の木をスルスルとあっという間に上って、かけてあった巣箱に入っていきました。(※この巣箱には鳥は入っていません。)

 

巣箱に鳥などがいないかを確認しに行ったのでしょうか。しばらくして、巣箱の穴から顔を出して辺りを伺っていたようですが、その後、木を降りて去って行きました。

 

そして、秋の写真展の作品募集開始のお知らせです。

今年の秋も一般の方から写真作品を募って、写真展を開催します。→昨年度の野鳥観察館での秋の写真展示の様子はこちら(2017年8月26日の日記)。

今回の募集する写真展は以下の2つです。
①秋の野鳥写真展 「鳥のいる水辺の風景」 【主催】名古屋市野鳥観察館
②藤前干潟写真展 「藤前干潟の魅力~風景・生き物~」 【主催】藤前干潟ふれいあ事業実行委員会


どなたでも応募できますので、ぜひ、両方の写真展へ応募ください。

応募締め切りは【8月19日(日)】までとなっています。

写真展の応募方法・写真展開催予定等はこちらのチラシ(PDF)をご覧ください。 

多くの方からのご応募をお待ちしております。

 

  

今日観察できた主な野鳥 カワウ517、ササゴイ1、ダイサギ9、コサギ1、アオサギ14、マガモ27、カルガモ39(内、雛7)、ホシハジロ2、スズガモ7、ミサゴ1、コチドリ1、ケリ1、ウミネコ19

明日の干潮時間12時39分 潮位 36cm
明日の満潮時間19時17分 潮位243cm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の水たまりに現れたのは・・・

2018-06-27 18:49:13 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間11時31分 潮位 42cm
今日の満潮時間18時09分 潮位239cm

 

今日も暑い日となりました。湿度の高さが身に堪えますね。

今日は潮が良く、お昼頃に広い干潟が現れました。

野鳥観察館前に干出した干潟には、ウミネコの群れが飛来し、休んでいました。今日の庄内川河口には、34羽のウミネコを確認できました。

 

今日、野鳥観察館の水たまりとその周辺では、終日、カニたちが姿を見せており、餌を食べるなど活発に活動していました。

この蒸し暑さが、カニたちにとっては過ごしやすいのでしょうか。

水たまりから出て松林の中を歩いていったアカテガニ↓。

水たまりには、今日もシジュウカラが何度も姿を見せました。

水を飲んだ後、熱心に水浴びをしていきました。

 

そして、ふと、夕方近くに水たまりを覗いてみると、細長いものが水たまりに浮かんでいるのをみつけました。

1m強の長さのアオダイショウでした。

舌をペロペロ出しながら、水たまりの外周をゆっくり3周ほどして去って行きましたが、涼みに来たのでしょうか。

 

 

【藤前干潟に関わるイベント等のご案内】 

☆6月1日(金)~7月1日(日)環境省レンジャー写真展2018「中部の自然」@碧南海浜水族館(主催:中部地方環境事務所)
国指定藤前干潟鳥獣保護区、伊勢志摩国立公園、白山国立公園で働く環境省職員「レンジャー」と「アクティブ・レンジャー」が撮影した写真が展示されています。→詳細はこちら(環境省AR日記

☆7月8日(日)藤前干潟のベンケイガニに触れてみよう@南陽交流プラザ(藤前干潟クリーン大作戦実行委員会)→詳細はこちら(南陽交流プラザのHP)

☆7月22日(日)野鳥とトビハゼのペーパーキャップを作ろう!@名古屋市博物館(藤前干潟ふれあい事業実行委員会)
名古屋市博物館では、7月14日(土)~9月17日(月)に特別展「海たび 尾張・知多の海とひとびと」 が開催されます。
この特別展では、盛りだくさんの展示品で尾張(名古屋周辺)・知多地方の海の文化などを知ることができるそうです。
特別展期間中の7月22日には藤前干潟のワークショップ「野鳥とトビハゼのペーパーキャップを作ろう!」が行われます。ぜひ、足をお運びください。
→特別展「海たび」および関連イベントの詳細はこちら(名古屋市博物館HP)

☆7月28日(土)藤前干潟の渡り鳥調査隊~7月~@名古屋市野鳥観察館
毎月1回、野鳥観察館で行っている「渡り鳥調査隊」。藤前干潟の野鳥の観察をしながら、種類と数の調査にチャレンジします。初心者大歓迎です。→詳細はこちら(PDF)

☆7/28(土)、8/8(水)、8/10(金)、8/23(木)「夏休み、干潟体験プログラム」(主催:藤前干潟ふれあい事業)
 藤前干潟ふれあい事業実行委員会では、夏休みに藤前干潟を体験・体感するイベント(①~④)の参加者を募集中です。
 イベントの内容や申込み方法等の詳細はチラシ(PDF)、または名古屋市HPをご覧ください。
 
 ①「干潟体験」 ※対象:小学校4年生~大人(小学生は保護者同伴)
    日時:7月28日(土)10:00~12:30(7月18日申込み締切)
    場所:藤前活動センター
    ★昨年の「干潟体験」の様子はこちら(2017年7月22日の観察館日記)

 ②「干潟を音であそぼ~貝殻やヨシで打楽器づくり~」 ※対象:小学校1年生~3年生(保護者同伴)
    日時:8月8日(水)10:00~12:00(7月31日申込み締切)
    講師:本多”taco-bow”正典さん(パーカッショニスト)
    場所:稲永ビジターセンター
    ★昨年の「干潟を音であそぼ」の様子はこちら(環境省AR日記(2017年8月29日)、または2017年8月22日の観察館日記)。

 ③「干潟体験とごみ処理工場見学」 ※対象:小学校4年生~大人(小学生は保護者同伴)
   日時:8月10日(金)10:00~15:00(7月31日申込み締切)
   場所:藤前活動センター、名古屋市南陽工場

 ④「ひがたにくるトリ、どんなトリ?~野鳥観察とミニ模型の色塗り~」 ※対象:小学校1年生~3年生(保護者同伴)
   日時:8月23日(木)10:00~12:00(8月15日申込み締切)
   講師:Cha Chattoさん(ハンドメイド作家)
   場所:名古屋市野鳥観察館、稲永ビジターセンター

☆コアジサシ営巣誘致募金実施中!(日本野鳥の会愛知県支部)→詳細はこちら(2月14日の日記)
 野鳥観察館でも募金の受付をしています。 

 

明日の干潮時間12時06分 潮位 38cm
明日の満潮時間18時44分 潮位243cm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暑い!

2018-06-26 20:32:30 | 夏の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間10時55分 潮位 50cm
今日の満潮時間17時32分 潮位233cm

 

昨日、今日ととても暑くなりましたね。特に昨日の名古屋は暑かったですが、最高気温は33.9度だったとか。

さらに、今日はクマゼミが稲永公園で鳴いているのを今季初めて確認しました。

野鳥観察館では、少しでも館内の暑さをやわらげようと、日曜日に日除け用のよしずを張りました。(手伝ってくれたHさん、ありがとうございました。)

 

暑い中でしたが、日曜日も、そして今日も、ササゴイが庄内川護岸に訪れ、魚を何匹も捕えていきました。

ササゴイが捕まえるボラやハゼの稚魚の大きさが春よりも大きくなっており、これらの魚が成長していることが分かります。

日曜日に飛来したササゴイ↓(地元のHさんから写真を提供いただきました)。

ボラの稚魚を捕まえていました。

 

ここから先は、今日、飛来したササゴイ↓。2羽でやってきて、狩りをしていました。

ハゼの稚魚を捕まえた後は・・・、

ボラの稚魚をゲット。何度も狩りに成功していました。

そして、護岸を飛び去ったササゴイ。きっと、餌を待つ雛の元へ飛んで行ったのだと思われます。

 

暑かった今日は、小鳥たちが盛んに野鳥観察館前の水たまりにやってきました。

ツユクサの向こうにはシジュウカラの姿が。

2~3回、水浴びにやってきていました。

この他、スズメ、カワラヒワ、ヒヨドリ、キジバトなどを水たまりで観察できました。

 

明日の干潮時間11時31分 潮位 42cm
明日の満潮時間18時09分 潮位239cm

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする