観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

平成から令和へ

2019-04-30 19:22:24 | 春の藤前干潟

※本日、お電話いただきましたカトウ様へ※

お電話をいただいた際に電話番号を聞き忘れたため、お返事の連絡をすることができなくなっております(メールボックスも確認しましたが、メールが受信できていないようで、ご連絡先を確認できませんでした)。

誠に申し訳ありませんが、このブログをご覧になられましたら、再度、野鳥観察館までお電話いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます(野鳥観察館TEL:052-381-0160)。

 

藤前干潟

今日の干潮時間 9時38分 潮位 91cm

今日の満潮時間15時25分 潮位175cm

 

今日、平成最後の日は雨の一日でした。

個人の日常には区切りがあるわけではなく、今までどおり続いていくと思いますので、時代が変わるという実感はわきませんが(実感するのは書類の日付けを書くときくらいでしょうか)、明日から令和の時代になります。

名古屋市野鳥観察館が開館したのは平成の前の時代の昭和60年(1985年)4月です。

その直後に藤前干潟の埋め立て計画が持ち上がります(その頃、藤前干潟という名前はまだなく、西一区と呼ばれていました)。

そして、ほどなく平成の時代に突入。

市民の埋め立て反対運動が広がり、今から20年前の平成11年(1999年)に埋め立てが断念されました。

その後、平成14年(2002年)には、国指定鳥獣保護区となり、ラムサール条約に登録され、今も藤前干潟を、そしてそこに訪れる鳥たちを見ることができます。

平成が終わる現在の藤前干潟の生きものの状況、そして渡り鳥の飛来数は、埋め立てが断念された頃よりも悪くなっているのではないかという懸念はあります・・・。

しかし、いや、だからこそ、平成の時代に多くの人の力によって守られた藤前干潟の野鳥の魅力などを、令和の時代も野鳥観察館は伝えていきたいと思っています。

新しい時代も、名古屋市野鳥観察館をどうぞよろしくお願いします。

 

今日は朝から雨で、藤前干潟周辺は霞んで真っ白。

鳥たちを数えることもままならないくらいでしたが、ハマシギをはじめとするシギ・チドリが多数飛来していました。

今日も1,000羽近いハマシギが飛来していたと思われます。

また、30羽以上のコアジサシが餌を探しているのも観察できました。

 

そして、すでに何度もブログ上でお知らせしていますが、5月4日(土・祝)~6日(月・休)の3日間は令和初めての「名古屋市野鳥観察館の愛鳥週間イベント」を開催します。→詳細はこちら(PDF)

 

5月4日(土・祝)と5月6日(月・休)に開催する「野鳥のおはなし」では、スライドプロジェクターで、昭和と平成の時代にスタッフが撮影した野鳥のスライドフィルムを投影しながら、当時の藤前干潟周辺の野鳥の様子をお話します。

スライドを変えるときのガシャッという音が懐かしいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

現在のようにクリアな画像を投影できるわけではないですが、スライドフィルムならではの風合いも楽しんでいただけたらと思います。

 

「野鳥のおはなし」も、「渡り鳥調査隊」、「探鳥会」も参加をまだ受付けています。 

ぜひご参加ください。 

 

 

昨日(4月29日(月))に観察できた主な野鳥 カンムリカイツブリ10、カワウ141、ダイサギ21、コサギ28、アオサギ7、マガモ4、カルガモ20、コガモ70、オナガガモ1、ヒドリガモ24、ハシビロガモ3、キンクロハジロ24、スズガモ193、ミサゴ4、ダイゼン60、キョウジョシギ2、トウネン29、ハマシギ922エリマキシギ1(♂、首回りに白色の羽が少し)、オバシギ2、アオアシシギ5、オオソリハシシギ14、ホウロクシギ2、チュウシャクシギ28、セグロカモメ1、カモメ4、コアジサシ6

 

 

明日の干潮時間10時13分 潮位 73cm

明日の満潮時間16時08分 潮位192cm

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ゴールデンウィークはじまりました!

2019-04-28 23:53:23 | 春の藤前干潟

藤前干潟

今日の干潮時間 7時44分 潮位127cm

今日の満潮時間12時30分 潮位150cm

 

昨日から10連休のゴールデンウィークが始まりましたね。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

昨日は暴風と言って良いのではないかと思うほど強い風が一日吹いていて、藤前干潟に来たものの早々に引きあげたバードウォッチャーもいたそうです。

しかし、今日は曇りだったものの穏やかな日で、バードウォッチャーも多く訪れていました。

(なお、荒天後だったからか、今日、木曽岬(三重県)で行われていた探鳥会では、サシバやハチクマなどのタカの渡りがよく見られたそうです。)

 

今日は潮が悪く、朝の干潮時と昼の満潮時の潮位の差が非常に少なく(予定では30cm以下)、お昼の間は干潟の広さが大きく変化しなかったので、満潮時も干潟がなくなることはありませんでした。

干潟には約1,000羽のハマシギなどが飛来していましたが、ハヤブサの襲来もなかったようで、開館中はずっと野鳥観察館の正面の導流堤の脇の干潟にいるのを観察できました。

シギ・チドリの多くは導流堤の脇の干潟にいましたが、庄内川護岸近くの干潟でもダイゼン、チュウシャクシギ、オオソリハシシギ、ハマシギを観察できました。

おや、トウネン(↓の左)も混じっていました。トウネンは、これから飛来数を増やしてくるはずです。

アオアシシギの姿も。2羽で水際を走りながら、魚を狙っていたようです。

 

稲永公園では、オオルリ、シロハラ、ツグミ、アカハラ、オオルリ、キビタキなどが観察できました。

オオルリ↓。

シロハラ↓。

野鳥観察館前の水たまりには、シジュウカラ、カワラヒワ、ヒヨドリ、ツグミが頻繁に姿を見せました。

水浴びするシジュウカラ↓。

シジュウカラの水浴び中にやってきたカワラヒワ↓。

 

さらには、稲永公園ではこんな光景も↓。おそらく、今日、巣立ったと思われる子ガラスです。もう巣立ちの時期なんですね。

もっとちょうだい!、とばかりに甘える姿が愛らしいです。

子ガラスはまだしっかり飛べずに地面にうずくまっているかもしれませんが、親鳥がしっかり見張って餌もあげているので、みつけてもそっと見守ってください。

(※今日のシギ・チドリ、オオルリ、シロハラの写真は、来館者(お二人)の方に提供いただきました。)

 

さて、名古屋市野鳥観察館では、現在、愛鳥週間写真展「藤前干潟の野鳥」を開催中です。→詳細はこちら(PDF)※応募は締め切りました。 

さらには、この10連休の最後の3日間(5月4日~6日)には、愛鳥週間イベントを開催します。→詳細はこちら(PDF)

「渡り鳥調査隊」、「野鳥のおはなし」、「探鳥会」はまだまだ参加を受け付けています。

ゴールデンウィーク前半の天気は不安定のようですが、後半は天気が良さそうです。

参加をお待ちしています。

 

【名古屋市野鳥観察館のイベント等】

☆4月27日(土)~5月26日(日)愛鳥週間写真展「藤前干潟の野鳥」@名古屋市野鳥観察館2階詳細はこちら(PDF)※応募は締め切りました。

☆5月4日(土祝)~5月6日(月休)「愛鳥週間イベント2019」@名古屋市野鳥観察館詳細はこちら(PDF)

 

 

 【その他の藤前干潟に関連するイベント等】

☆5月5日(日祝)「藤前干潟生きものまつり」@藤前活動センター(主催:NPO法人藤前干潟を守る会)→詳細はこちら(NPO法人藤前干潟を守る会HP)

 名古屋市野鳥観察館も出展します。※少雨決行。荒天の場合は5月6日(月休)に順延。

  

☆4月16日(火)~5月12日(日)「環境省レンジャー写真展2019」@農業文化園・戸田川緑地 フラワーセンター(主催:中部地方環境事務所)→詳細はこちら(中部地方環境事務所HP)

 中部地方の国指定藤前干潟鳥獣保護区、伊勢志摩国立公園、白山国立公園で働く環境省職員「レンジャー」と「アクティブ・レンジャー」が撮影した自然の風景や生き物たちの写真が展示されています。

 

☆5月18日(土)藤前干潟クリーン大作戦2019春(主催:藤前干潟クリーン大作戦実行委員会)→詳細はこちら(藤前干潟クリーン大作戦のHP)

 第30回目となる「藤前干潟クリーン大作戦」です。午前中の清掃活動の後には、「干潟観察会」と「ヨシ原復元・ヨシ植栽会」も開催されます。

 

☆5月18日(土)あおなみウォーク2019春「第2回 頂点へ。名古屋オーシャンズをみんなで応援しよう!」(主催:名古屋臨海高速鉄道株式会社・あおなみ線沿線活性化協議会)→詳細はこちら(PDF・あおなみ線HP)

 コース:野跡駅 → 稲永公園 → 藤前干潟 → 武田テバオーシャンアリーナ(ゴール ※金城ふ頭駅が最寄りです。)【約 5 ㎞】

 

☆「第2回あおなみ線沿線お散歩フォト」募集中(主催:あおなみ線沿線活性化協議会)→詳細はこちら(名古屋市のHP)

 募集期間:(第1期)3月1日(金)~5月31日(金)

       (第2期)6月1日(土)~9月30日(月)

 

※あおなみ線沿線活性化協議会に協力する関連施設等のイベント→こちら(名古屋市HP) 

 

☆2019年度の藤前干潟ふれあい事業の案内→詳細はこちら(名古屋市のHP)

2019年度の藤前干潟ふれあい事業全体の案内ちらしが掲載されています。

 

 

 

昨日(4月27日(土))に観察できた主な野鳥 カワウ201、ダイサギ16、コサギ18、アオサギ1、マガモ3、カルガモ53、コガモ14、ヒドリガモ30、オナガガモ2、スズガモ36、ミサゴ2、ダイゼン49、トウネン1、ハマシギ818、オバシギ2、オオソリハシシギ17、ホウロクシギ2、チュウシャクシギ16、セグロカモメ25、コアジサシ1

 

今日観察できた主なシギ・チドリなど ダイゼン67、トウネン10、ハマシギ985、オバシギ2、アオアシシギ2、オオソリハシシギ16、ホウロクシギ2、チュウシャクシギ65、タシギ1

キジバト、ツバメ、オオルリ、シロハラ、アカハラ、ツグミ、シジュウカラ、カワラヒワ、スズメ、キビタキ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ、ハシボソガラス など

 

 

明日の干潮時間 8時55分 潮位110cm

明日の満潮時間14時24分 潮位159cm


明後日の干潮時間 9時38分 潮位 91cm

明後日の満潮時間15時25分 潮位175cm

 

※野鳥観察館は、ゴールデンウィークは(5月6日(月)までは)毎日開館します。

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明日からゴールデンウィーク!

2019-04-26 16:31:51 | 春の藤前干潟

藤前干潟

今日の満潮時間 9時14分 潮位175cm

今日の干潮時間16時30分 潮位 70cm

 

早朝は雨が降っていましたが、ほどなく止み、風は強かったですが、天気のいい一日となりました。

今日は午後から干潟が出てきて、シギ、チドリの仲間を多く観察することができました。

ハマシギの群れが庄内川左岸側に近くまで飛んできました!オオソリハシシギも混ざっています。↑

群れで飛んでいる姿を見ると圧巻ですね!↑

メダイチドリも近くで見られました。↑

チュウシャクシギとオオソリハシシギもいました。↑

チュウシャクシギも今日は近くで飛んでいる姿をよく見ることができました。

ミサゴの狩りも見られました。写真撮影時のこの狩りは失敗に終わりましたが。↑

そして、ササゴイがやってきました!ササゴイはこの周辺で子育てをする夏鳥です。ササゴイを見るとこれから暑くなるかなぁ~なんて思います。↑

明日からいよいよゴールデンウィークが始まりますね。シギ・チドリの仲間が見られるシーズンになりますので、ぜひ藤前干潟にお越しください。

野鳥観察館前の目の前まで来てくれたチュウシャクシギ。↑

(※最後の写真3枚は地元Hさんより、その他の写真は常連Mさんより提供いただきました。)

 

そして野鳥観察館内では、明日からの写真展の展示が完了しました!

今年は「藤前干潟の野鳥」というテーマで募集させていただき、2Fで展示させていただいています。応募いただいたみなさま、ありがとうございました。

おかげさまでシギ・チドリ、サギ、カモメ、カモ、タカなど藤前干潟でお馴染みの野鳥から珍鳥までご覧いただけます。

明日4月27日(土)から5月26日(日)まで展示しておりますので、ぜひ野鳥観察館にもお越しください。(※休館日を除きます。)

 

明日の満潮時間10時17分 潮位158cm

明日の干潮時間17時59分 潮位 82cm

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ハマシギが900羽を超えました。

2019-04-25 23:35:58 | 春の藤前干潟

藤前干潟

今日の満潮時間   8時36分 潮位191cm

今日の干潮時間 15時34分 潮位 53cm

 

今日は朝は非常に湿度が高く、名古屋港周辺は真っ白に霞んでいました。

その後は、雨がぱらつくかと思えば、急に晴れ間が広がったりして不安定なお天気でした。

 

そんな中でしたが、今日は市内の小学生(約200名)が稲永公園内でオリエンテーションをし、お弁当を食べた後、野鳥観察館と稲永ビジターセンターを訪れ、にぎやかな日となりました。

 

一方、今日は干潟もシギ・チドリで賑わっていました。

ハマシギが900羽を超え、977羽をカウントできましたし、干潟のあちこちでチュウシャクシギが餌を探しているのを観察できました。

チュウシャクシギは、42羽を確認できました。

 

庄内川護岸近くの干潟にもチュウシャクシギの姿が。干潟が現れるとチュウシャクシギが一番に飛来していました。

干潟の上で大好物のカニを探します。

そして、しばらくすると、干潟にはオオソリハシシギ、ダイゼン、そしてハマシギもやってきました。

さらには、少し遠かったですが、アオアシシギが水際を走っているのも観察できました。アオアシシギも観察しやすくなってきています。

(※今日のシギ・チドリの写真はMさんから提供いただきました。)

 

春のシギ・チドリの渡りも本格的になってきました。

明後日からはいよいよ10連休のゴールデンウィーク。

お天気が少々不安定のようですが、シギ・チドリの飛来数や種類がこのまま増えていくことを期待しています。

 

最後は、昨日のご報告です。

5月18日に開催される「藤前干潟クリーン大作戦」の勉強会が中部大学(春日井市)で行われたので、参加し、藤前干潟の歴史や生きものについて簡単に紹介してきました。

この勉強会は、藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の構成団体である中部大学ボランティア・NPOセンターで活動する大学生が開いたもので、藤前干潟クリーン大作戦を前にしたこの時期に毎年行われています。

クリーン大作戦の概要、意義などを説明する実行委員会事務局の鈴木さん↓。

大学生のみなさんはとても熱心に話を聞いていました。

藤前干潟への知識や、クリーン大作戦に携わるモチベーションが少しでも高まっていると良いなと思います。

クリーン大作戦当日は、実行委員会のメンバーとしてこの大学生のみなさんに受付やグループリーダーなど運営の一部を担っていただいています。

若い力が継続的に藤前干潟の活動に関わってくれるのは嬉しいことです。

5月18日(土)の藤前干潟クリーン大作戦は、第30回目となる節目の大作戦です。

ぜひ、みなさんもご参加ください。→詳細はこちら(藤前干潟クリーン大作戦のHP)

 

 

昨日(4月24日)に観察できたシギ・チドリとコアジサシ ダイゼン66、キョウジョシギ2、ハマシギ523、オバシギ3、オオソリハシシギ14、ホウロクシギ2、チュウシャクシギ49、コアジサシ5

 

今日観察できた主な野鳥 カンムリカイツブリ109、カワウ337、ダイサギ20、コサギ17、アオサギ8、マガモ5、カルガモ15、コガモ116、ヒドリガモ43、オナガガモ3、ハシビロガモ4、キンクロハジロ28、スズガモ245、ミサゴ3、トビ1、ダイゼン53、ケリ1、トウネン2、ハマシギ977、オバシギ2、アオアシシギ9、オオソリハシシギ9、ホウロクシギ2、チュウシャクシギ42、ユリカモメ1、セグロカモメ3、オオセグロカモメ1、コアジサシ1

 

明日の満潮時間   9時14分 潮位175cm

明日の干潮時間 16時30分 潮位 70cm

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帰ってきました。

2019-04-23 21:50:54 | 日記

※本日の藤前干潟の記事「チュウシャクシギが近くに」はこの記事の下にあります。

 

今春も行ってきました。7回目の自費研修旅行。

業務を定時に終わって、市高速に乗って40分かからない県営名古屋空港へ。滑走路内にポケストップもあるし、駐車場も無料ではなくなったけど、車を4日間停めても2千円です。

20時10分発のFDAで21時35分には福岡空港、そこからレンタカーで1時間ちょっとで佐賀市内の宿に到着です。

佐賀の大潮の満潮時間は朝9時前後。藤前干潟での探鳥とは違って、大潮の満潮前後2時間が見どころなので前泊です。

朝6時過ぎにはホテル前に集合、即出発。

ホテルの朝食は6時半からなので、3日間とも朝食はコンビニのパンでした。

佐賀駅近くの宿から30分弱、今年もまた来たよ大授搦!!(ラムサール条約に登録されている湿地名は東よか干潟です。)5か月ぶりの訪問です。

まだ干潟が広がっていて、満潮時間の2時間ほど前。鳥たちはまだ遠くの水際です。

それでも、この時間でも、藤前干潟の庄内川河口の導流堤脇の鳥たちよりも近いですが・・・

潮が満ちてくると鳥たちが岸近くに移動してきます。

そして干潟が無くなると、潮に浸からない堤防下や、水際の柵に集まってきます。

ここ大授搦では、春の藤前干潟では観察する機会の少ない赤い夏羽のオオメダイチドリやオオハシシギ、コオバシギを見ることが出来ます。(右端2羽コオバシギ)

二日目にはツクシガモの群れの近くにアカツクシガモの姿も。

 そして、あの〇〇シギの情報も。

そして最終日の日曜日、早朝から干潟に人が集まって来ています。

皆のいるとこから20m先、自分たちがいる堤防の上から約80m先にあのシギがいます。寝ている時は識別がかなり困難です。一度確認できても目をそらすと分からなくなります。

80m先を1200mmでノートリミング。プロミナーで見つけた後でないと解りません。
赤丸の中の手前1羽はトウネンです。

この写真では解らないので、近くにいったスタッフが人の群れの外れに行くと、目の前に来たらしいです。

それがこれ。トウネンの後ろのヘラシギです!

ここ大授搦では3年ぶりに確認されたそうです。(その時も偶然ここに来てました。)

 
庄内川左岸からの観察と同じで、大授搦でも日が昇り始めると陽炎が出てきます。

9時を過ぎて陽炎が目立ち始めてユラユラな写真ばかりで、これ↑が唯一比較的まともな写真でした。

本当は5月の大型連休に大授搦に来ると、野鳥の数も種類も多いと思いますが、5月の潮の良い時は藤前干潟での愛鳥週間イベントや調査(カウント)が重なって無理なので、毎年春は今頃にここへお邪魔してます。秋の渡りは9月に行くと暑いし、春と同じでイベントやカウントが重なってしまい10月にお邪魔してます。

この干潟のすぐ隣には佐賀国際空港があるものの、名古屋から空路が無くて少々不便ではありますが、今では国内でシギ・チドリを最もたくさん見られる素敵な場所です。

でも、大授搦は諫早の埋め立てが始まるまでは、藤前干潟よりもシギ・チドリの飛来数が少ない所でした。諫早のシギ・チドリがすべて大授搦に移動した訳ではありませんが、諫早の干潟の偉大さを改めて感じます。

藤前干潟の鳥たちも昭和40年代まではシギ・チドリが極めて少ない場所でしたが、木曽岬や名港4区、5区の埋め立てが始まってから藤前への飛来数が増えてきました。そして藤前の保全が決まる前に、諫早のギロチン(閉め切り)のショッキングな映像がニュース等で広まり一般市民の方にも埋め立て反対の機運が高まり、藤前干潟は保全の方向へ動いていったと思っています。

そして、その藤前干潟ではここ数日でチュウシャクシギやオオソリハシシギの飛来数が増えてきました。もう少ししたらトウネンの群れの飛来も確認できるはずです。

藤前でもトウネンの群れと一緒にもしかしたらヘラシギが来るかもしれません(過去には近辺で確認されたことがあります)。

トウネンがいたらぜひ1羽ずつ識別してみてください。(寝ているとかなり難しいです。)

このブログでも度々お伝えしているように、藤前干潟ではシギ・チドリの飛来数が減っていますが、大授搦でもピーク時に比べるとシギ・チドリの飛来数が減っているとのお話を大授搦の鳥の飛来数を調べている地元の方にお聞きしました。

希少種であるヘラシギを見る機会も減っているとの話もあり、今回、ヘラシギを見られたことは地元の方にとっても非常に嬉しいことだったようです。

また、とても豊かに見える有明海の干潟や海の生きもの(下の番外編で紹介しています)の中にも、実は激減している生きものがいるそうです。

大授搦と藤前干潟。干潟も鳥の飛来数も規模が違うので、並べて語ることはおこがましいかもしれませんが、渡り鳥たちにとって、特に長い距離を渡るシギ・チドリにとってどちらも大切な干潟です。

どちらの干潟も、渡り鳥が飛来し続ける場所であるよう願います。

 

今回の大授搦(だいじゅがらみ)で観察できた主な野鳥 カワウ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、ヘラサギ、クロツラヘラサギ、アカツクシガモ、ツクシガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、シマアジ、ハシビロガモ、ホシハジロ、ミサゴ、トビ、ハヤブサ、ミヤコドリ、シロチドリ、メダイチドリ、オオメダイチドリ、ムナグロ、ダイゼン、キョウジョシギ、ヨーロッパトウネン、トウネン、ヒバリシギ、ウズラシギ、ハマシギ、サルハマシギ、コオバシギ、オバシギ、ミユビシギ、ヘラシギ、エリマキシギ、オオハシシギ、コアオアシシギ、アオアシシギ、ソリハシシギ、キアシシギ、イソシギ、オグロシギ、オオソリハシシギ、ダイシャクシギ、ホウロクシギ、チュウシャクシギ、セグロカモメ、ユリカモメ、ズグロカモメ、クロハラアジサシ、コアジサシ他 

 

【以下、番外編】佐賀で出会った干潟の生きもの・海の生きもの

シオマネキ。ここではヤマトオサガニと同じ環境に生息しています。

そしてトビハゼ(手前右1匹)とムツゴロウ。

ムツゴロウは有明海で代表的な種類です。藤前干潟でも見られるトビハゼと違い、植物食で泥の表面に付着している珪藻類を食べています。もう少しすると繁殖期だそうで、繁殖期には背びれを立てて威嚇し合ったりして活発に干潟を動き回ったり、飛び上がったりします。

そしてトビハゼやムツゴロウと同じくハゼ科の仲間ワラスボです↑(干潟よか公園に展示されていた迫力ある模型です)。上向きに開く大きな口が特徴で泥の中に生息しています。
佐賀県では「有明海のエイリアン」と呼ばれていますが、アオサギにも食べられていて見かけと違って弱いです。

ワラスボは刺身や煮つけの他、干物がお土産屋さんでも売られています。

そして藤前干潟でも観察できるアナジャコ。有明では「まじゃく」と言われています。天ぷらは、とてもおいしかったです↑。

アゲマキ。以前は藤前干潟(庄内川河口)にも生息していたそうですが、現在は絶滅となっています(貝殻だけは今も干潟の泥の中からみつかります)。有明海沿岸の干潟でも少なくなり、現在では輸入や養殖が主のようです。焼いて食べると美味しいです。

干潟に住む代表的なシタビラメの仲間、クチゾコです。クツゾコが訛ってクチゾコと呼ばれるようになったそうです。

写真は干潟の幸定食です。写真ご飯のヨコ小皿の右側は地元ではワケノシンノスと呼ばれるイシワケイソギンチャクの酢味噌和えです。ワケノシンノスとは「若い人の尻の穴」と言う意味だそうです(驚)。

そして有明海では無いですが、佐賀県は唐津市呼子のイカが有名です。
佐賀市内でも居酒屋さんに行くと活き作りが食べられます。げその天ぷらもフワフワなくらいやわらかくておいしかったです。

そして一番おいしかったのがサバの刺身、一匹捌いてもらいました。

今回では一番高額な贅沢な一品でした。

以上が佐賀県の干潟の生きものと、海の生きものです。

ワケノシンノス(イシワケイソギンチャクの酢味噌和え)は是非こちらに来たときは一度ご賞味ください。
個人的には、一回食べたら二回目は無いと思いますが。

 

おしまい

 

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