中共全人代最終日後、温家宝首相が「最後」の記者会見を行った。
「人民主義者、庶民的、温爺さん」と親しまれている温家宝首相だが、その内容は守旧派にとっては攻撃的であったという。
氏の民主化行程は広東省の「鳥炊村の民主選挙がモデル」と述べたそうだ。
中共政府の独裁が如何に強いものであっても、人民の改革意識が強ければいつか民主化は成るものと思う。
腐敗と汚職、持ち逃げ
「人民主義者、庶民的、温爺さん」と親しまれている温家宝首相だが、その内容は守旧派にとっては攻撃的であったという。
氏の民主化行程は広東省の「鳥炊村の民主選挙がモデル」と述べたそうだ。
中共政府の独裁が如何に強いものであっても、人民の改革意識が強ければいつか民主化は成るものと思う。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成24(2012)年 3月15日(木曜日)
通巻第3586号
http://www.melma.com/backnumber_45206/
政治改革に失敗すれば、中国はふたたび文革の悲劇に直面する
温家宝首相、最後の記者会見で党内の守旧派をあからさまに攻撃
凄まじい内容の記者会見なのである。
ところが日本のメディアを読む限り、その空気はまるで伝わらない。産経は解説面でくわしく権力闘争の闇を照射したが、日経は小さく温首相会見の要点をまとめているだけ。
読売と朝日が薄重慶市党書記批判と同市副市長だった王立軍の取り調べ厳格化に言及した温首相会見を報じているが、大きな見出しでもない。
対照的に英誌フィナンシャルタイムズ、米紙ヘラルドトリビューンは一面トップ記事。とくにFT紙は、「温首相、守旧派を攻撃(attack)」という語彙を用いている。
何があったか?
全人代最終日(3月14日)に記者会見に応じた温家宝首相の「独演」と「「毒舌」は三時間以上も続いた。
会場には内外記者団がぎっしりとなたtなった。
「政治改革が進まなければ中国は文革の悲劇に再度、見舞われるだろう」と彼は警告した。「とくに党と国家の制度改革」と曖昧な表現が示唆するのは「民主化」のことである。胡耀邦の名前をださなかったが、温の心中には胡耀邦がある。
「四人組を排除し、改革開放に努力してきたと雖も、依然として封建的制度が残存しており、このまま改革を加速しなければ、あの文革の悲劇がやってくる」
この温の発言が意味するところは党幹部の腐敗、汚職、そして貧富の差の拡大が民衆に共産党への怨念を植え付け、やがては鋭角的対立から社会騒擾へ発展する危険性を指摘したのだが、一種の予言とも取れる。
▼しかし「改革」を獅子吼しても党内は失笑するだけ
そして重慶書記が繰り広げた「毛沢東万歳」「革命かを唱え」というアナクロな政治キャンペーンを温家宝首相は明瞭に非難した。「生産と分配が不公平であり、誠意と信頼を欠いており、経済改革はいくぶん進捗したかも知れないが、汚職と腐敗はなくならず、このため政治改革が遅れている」。
「王立軍事件は厳格に取り調べる」とも発言した。
これも薄き来への牽制という解説が多いが、じつは薄き来の失脚があきらかな状況なのに、全人代に薄書記が登壇し、にこにこ笑い、そのうえ会期中に記者会見に応じて「悪い部下を使った」などと責任を転嫁した。
人民大会堂の壇上では徐才厚(上将。軍事委員会副主任。江沢民派)と意図的な握手をして、まだ党内高層部では薄を庇護する勢力があることを見せつけた。
そのことへの牽制球を温発言には含まれた。
「民主化はは、どういう行程か?」との問いに「鳥炊村の民主選挙がモデル」と賞賛し、暗に広東省書記の王洋を擁護したが、具体的な党改革のプログラムや、リーダーシップ改革の内容には触れず、「いずれ歴史が結論を出すだろう」と温家宝は記者会見を結んだ。
とはいえ、党内で温家宝首相の立場は孤立しており、あるいは喧しい「カイカクヤ」と疎んじられ、「いつも五月蠅(うるさ)いことをほざくジィさん」としか認識されていない。これも悲劇である。だから悲劇は倍加する。
通巻第3586号
http://www.melma.com/backnumber_45206/
政治改革に失敗すれば、中国はふたたび文革の悲劇に直面する
温家宝首相、最後の記者会見で党内の守旧派をあからさまに攻撃
凄まじい内容の記者会見なのである。
ところが日本のメディアを読む限り、その空気はまるで伝わらない。産経は解説面でくわしく権力闘争の闇を照射したが、日経は小さく温首相会見の要点をまとめているだけ。
読売と朝日が薄重慶市党書記批判と同市副市長だった王立軍の取り調べ厳格化に言及した温首相会見を報じているが、大きな見出しでもない。
対照的に英誌フィナンシャルタイムズ、米紙ヘラルドトリビューンは一面トップ記事。とくにFT紙は、「温首相、守旧派を攻撃(attack)」という語彙を用いている。
何があったか?
全人代最終日(3月14日)に記者会見に応じた温家宝首相の「独演」と「「毒舌」は三時間以上も続いた。
会場には内外記者団がぎっしりと
「政治改革が進まなければ中国は文革の悲劇に再度、見舞われるだろう」と彼は警告した。「とくに党と国家の制度改革」と曖昧な表現が示唆するのは「民主化」のことである。胡耀邦の名前をださなかったが、温の心中には胡耀邦がある。
「四人組を排除し、改革開放に努力してきたと雖も、依然として封建的制度が残存しており、このまま改革を加速しなければ、あの文革の悲劇がやってくる」
この温の発言が意味するところは党幹部の腐敗、汚職、そして貧富の差の拡大が民衆に共産党への怨念を植え付け、やがては鋭角的対立から社会騒擾へ発展する危険性を指摘したのだが、一種の予言とも取れる。
▼しかし「改革」を獅子吼しても党内は失笑するだけ
そして重慶書記が繰り広げた「毛沢東万歳」「革命かを唱え」というアナクロな政治キャンペーンを温家宝首相は明瞭に非難した。「生産と分配が不公平であり、誠意と信頼を欠いており、経済改革はいくぶん進捗したかも知れないが、汚職と腐敗はなくならず、このため政治改革が遅れている」。
「王立軍事件は厳格に取り調べる」とも発言した。
これも薄き来への牽制という解説が多いが、じつは薄き来の失脚があきらかな状況なのに、全人代に薄書記が登壇し、にこにこ笑い、そのうえ会期中に記者会見に応じて「悪い部下を使った」などと責任を転嫁した。
人民大会堂の壇上では徐才厚(上将。軍事委員会副主任。江沢民派)と意図的な握手をして、まだ党内高層部では薄を庇護する勢力があることを見せつけた。
そのことへの牽制球を温発言には含まれた。
「民主化はは、どういう行程か?」との問いに「鳥炊村の民主選挙がモデル」と賞賛し、暗に広東省書記の王洋を擁護したが、具体的な党改革のプログラムや、リーダーシップ改革の内容には触れず、「いずれ歴史が結論を出すだろう」と温家宝は記者会見を結んだ。
とはいえ、党内で温家宝首相の立場は孤立しており、あるいは喧しい「カイカクヤ」と疎んじられ、「いつも五月蠅(うるさ)いことをほざくジィさん」としか認識されていない。これも悲劇である。だから悲劇は倍加する。
全人代閉幕 温首相が“最後”の会見 政治体制改革に改めて意欲 2012.3.14 21:32
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120314/chn12031421330003-n1.htm
中国の第11期全国人民代表大会(全人代=国会)第5回会議は14日、北京の人民大会堂で刑事訴訟法改正案などを採択して閉幕した。来年3月で退任する温家宝首相は閉幕後の“最後”の記者会見で、改めて政治体制改革に強い意欲を示した。
温首相は「永遠に人民とともに歩む」と宣言し、任期中に発生した経済や社会の問題の責任は自分にあるとの考えを示した。その上で、「成し遂げていない仕事がある」と述べ、志した改革の停滞に遺憾の意を示した。
経済発展に伴い、中国国内では汚職や貧富の格差、党・政府に対する不満が膨らんでいる。現状では経済的成果を失うとの危機感を持つ温首相は「文化大革命の誤りや封建的な影響は完全には払拭されていない」などと述べ、政治改革の必要性を強調した。
さらに、次世代指導者の一人と目されてきた薄煕来氏が党委書記を務める重慶市の王立軍副市長が米総領事館に駆け込んだ事件について、「真剣に事件の教訓をくみ取らなければならない」と述べ、薄氏を牽(けん)制(せい)した。
全人代では来年度予算案や最高人民法院(最高裁)、最高人民検察院(最高検)の活動報告も承認されたが、腐敗問題が改善されていない現状を受け、いずれも反対や棄権などの批判票が20%前後に上った。(北京 川越一)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120314/chn12031421330003-n1.htm
中国の第11期全国人民代表大会(全人代=国会)第5回会議は14日、北京の人民大会堂で刑事訴訟法改正案などを採択して閉幕した。来年3月で退任する温家宝首相は閉幕後の“最後”の記者会見で、改めて政治体制改革に強い意欲を示した。
温首相は「永遠に人民とともに歩む」と宣言し、任期中に発生した経済や社会の問題の責任は自分にあるとの考えを示した。その上で、「成し遂げていない仕事がある」と述べ、志した改革の停滞に遺憾の意を示した。
経済発展に伴い、中国国内では汚職や貧富の格差、党・政府に対する不満が膨らんでいる。現状では経済的成果を失うとの危機感を持つ温首相は「文化大革命の誤りや封建的な影響は完全には払拭されていない」などと述べ、政治改革の必要性を強調した。
さらに、次世代指導者の一人と目されてきた薄煕来氏が党委書記を務める重慶市の王立軍副市長が米総領事館に駆け込んだ事件について、「真剣に事件の教訓をくみ取らなければならない」と述べ、薄氏を牽(けん)制(せい)した。
全人代では来年度予算案や最高人民法院(最高裁)、最高人民検察院(最高検)の活動報告も承認されたが、腐敗問題が改善されていない現状を受け、いずれも反対や棄権などの批判票が20%前後に上った。(北京 川越一)
腐敗と汚職、持ち逃げ
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成24(2012)年 3月14日(水曜日)
通巻第3584号 <3月13日発行>
http://www.melma.com/backnumber_45206/
どんなことにも驚いたりはしませんが。しかし、これは驚愕の事実!
中国国会議員の57%は外国籍パスポートを所有、財界人は77%です
博訊新聞網(3月12日付け)が次の衝撃の報道をしている。
全人代委員のうち、57・47%が外国パスポートを所有している。政治協商会議のメンバーは76・77%だという。
博訊新聞は、この数字さえ『控えめ』であり、党高官のうち、局長以上の85%が外国パスポートを保有していると伝えた。
江沢民の『三個代表論』以後、ブルジョアジー、実業家、財界人にも党籍を認め始めた中国共産党は、党の高官が海外に不動産、預金を持つことはいまや常識、子供を欧米へ留学させている。
党高官のうち3000名は既に逃亡し、公式発表で1000億ドルが海外へ持ち出された。公式発表の三倍が常識の中国であるからに、およそ3000億ドル以上が外貨準備から消えているという推測がなりたつ。
同紙は2010年推計で、海外へ逃亡したカネは2378億人民元(およそ3兆円)と推計した。
冒頭の数字は中国共産党紀律委員会のデータとされ、また全人代議員のポストは、1500万人民元(およそ二億円)で『買える』(中国では高官のポストを買うのは常識)。
政協メンバーは交際費(買収を含め)が2500万元(3億3000万円)が相場なそうな。
通巻第3584号 <3月13日発行>
http://www.melma.com/backnumber_45206/
どんなことにも驚いたりはしませんが。しかし、これは驚愕の事実!
中国国会議員の57%は外国籍パスポートを所有、財界人は77%です
博訊新聞網(3月12日付け)が次の衝撃の報道をしている。
全人代委員のうち、57・47%が外国パスポートを所有している。政治協商会議のメンバーは76・77%だという。
博訊新聞は、この数字さえ『控えめ』であり、党高官のうち、局長以上の85%が外国パスポートを保有していると伝えた。
江沢民の『三個代表論』以後、ブルジョアジー、実業家、財界人にも党籍を認め始めた中国共産党は、党の高官が海外に不動産、預金を持つことはいまや常識、子供を欧米へ留学させている。
党高官のうち3000名は既に逃亡し、公式発表で1000億ドルが海外へ持ち出された。公式発表の三倍が常識の中国であるからに、およそ3000億ドル以上が外貨準備から消えているという推測がなりたつ。
同紙は2010年推計で、海外へ逃亡したカネは2378億人民元(およそ3兆円)と推計した。
冒頭の数字は中国共産党紀律委員会のデータとされ、また全人代議員のポストは、1500万人民元(およそ二億円)で『買える』(中国では高官のポストを買うのは常識)。
政協メンバーは交際費(買収を含め)が2500万元(3億3000万円)が相場なそうな。