七月、関電や県広報で節電要請のビラが入っていた。
当方の住居は標高360mの丘陵地帯の団地で平地よりも2,3度低く風通しも良いので、もともとエアコンもなく、特に気にしていなかった。何もしなくても昨年同時期よりも電力消費は少なかった。
関電のHPを見ると、「節電のご協力のお礼」が書かれていた。
計画停電やフイの停電がなかったのはありがたかったが、一般消費者や企業の節電努力の結果だろうか。
武田教授のHPより「電力はなぜ足りたか」
http://takedanet.com/2012/09/post_b6f3.html
【参考】関電のHPにある「今夏の需給状況について」より
14~15時最大電力の比較(平成22年度との比較)
昨年の原発事故で、原発の安全性(廃棄物処理も含めて)が脆弱なものであることがわかり、今はともかくも将来的には縮小されるべきではないだろうか。
原発推進の動機として地球温暖化CO2削減などが謳われたが、それも根拠がなかった。
(L・鳩山がCO2削減25%をぶち上げ世界から冷笑を買ったが、2012年1月撤回された)
事故から1年以上経ったが、関東地方では放射能汚染物質が日常的に見られるという。
放射能汚染物質による内部被曝後遺症はこれから徐々に出てくる。
(少しぐらい浴びた方が元気になるという説もあるが・・・子供はどうなのか)
などがその理由になる。
日常的に見られる「黒い物質」とは・・・
http://www.youtube.com/watch?v=msoteVTiguY&feature=player_embedded
当方の住居は標高360mの丘陵地帯の団地で平地よりも2,3度低く風通しも良いので、もともとエアコンもなく、特に気にしていなかった。何もしなくても昨年同時期よりも電力消費は少なかった。
関電のHPを見ると、「節電のご協力のお礼」が書かれていた。
計画停電やフイの停電がなかったのはありがたかったが、一般消費者や企業の節電努力の結果だろうか。
武田教授のHPより「電力はなぜ足りたか」
http://takedanet.com/2012/09/post_b6f3.html
この夏の電力危機を乗り切った理由として、関電は次のように説明しています。(単位はすべて万キロワット)
大飯原発再開前の発電計画 2542
大飯原発再開後の発電実績 2988
予想された8月の最大消費 2982
関西地区の最大消費(8月) 2682
【関電の説明】大飯原発を再開しなければ関電が供給できる電力は2542万キロワットでしたが、大飯原発を再開できたので2988万キロワットを生産できました。一方、これまでの実績から猛暑の8月に予想された消費量は2982万キロワットだったのに対して、皆さんが協力してくれて2682万キロワットに留まったので、2988の生産能力に対して、2682を消費したので安定した電力供給ができました。
この説明を聞いて、多くの人が納得するでしょう。それは、「ああ、そうか。原発を稼働させて、自分たちも節電したから、何とか乗り切ったのだな」と思うからです。原発の再稼働も正しく、努力も報われたと感じるのですから、自己満足も得られ、とてもいい気分になるからです。政府や大阪市への信頼感も出るでしょう。
でもこれは「優れた頭脳の働きをズルに使う」という模範的(詐欺的)な回答です。これは学校教育の失敗が原因です。つまり、もっとも大切なことを回答せず、形式的な回答をすることによって、本当に必要なことを隠すという高級な手口で、これで学校では100点がもらえるところに問題があります。
この回答のどこが「詐欺的」であるかというと、「なぜ、大飯原発を再開しなければならなかったのか?」という疑問に何も答えていないからです。真に原発の危険性を心配している人が知りたいのは、このような数値ではなく、次の数字なのです。
関西電力が製造・調達ができる最大電力量は以下の8つを合計したものです。
1)8月に稼働した火力発電所の最大発電能力
2)稼働しなかったが設備としては存在する火力の最大発電量
3)火力・原子力以外の発電量の内、8月に稼働したもの(水力など)
4)他電力から融通を受けることができる最大電力量
5)企業の自家発電の稼働を要請することによって補填する最大電力量
6)個人の太陽光発電など分散電源
7)原発の電力量
・・・・・・・・・
もし関電が「良心的な企業」であったとします。多くの人は電力会社は隠すのが当然だと思っていますが、独占的販売権を持っているのですから、そのかわり「正直である」というのは必要なことです。
関電「皆さんができれば原発を再稼働させたくないとお考えのことは良く知っています。そこで原発が再稼働しない状態で、関電社員一丸となり、また関係会社にもご協力を得て、「原発を再稼働しない場合の最大調達量」を計算しました。」
関電「その結果、上記の1」から6)を合計すると、3500万キロワットになります。
猛暑の時の最大消費量は3000万キロワットになりますから、この夏は原発無しに乗り切ることができますし、皆様も特別な節電は必要ありません。でも調達できると考えられる3500万キロワットの内、他の電力会社からの融通、自家発のご協力などは不確定です。また発電所のトラブルも考えられます。その場合はギリギリになりますから、その時は節電をお願いします。」
つまり、関電の説明は「原発を動かすために、他の電気を得る方法をサボれば」という仮定が入っていたのです。それに計画より増加した400万キロワットのなかで実は200万キロワットは原発以外ですから、ここもトリックが入っています。
大飯原発の再開問題というのは、「原発の再稼働に反対する人がいなければ、再開すればいつもの年のように過ぎる」のは当たり前です。でも「原発の再稼働を心配している人がいるから、検討する」というものだったのですが、実は「原発を動かさないでも大丈夫か?」ということを「誰も考えなかった」のです。
トリックというのは恐ろしいものです.特に頭の良い人が集団でズルをしようとするとこのようになるという典型的なことですが、関電の幹部の方にも良心的で国民のことを考えている方が一人ぐらいはおられるでしょうから、ぜひ、1)から6)を示してください。
また、これで終わりではなく、来年がありますから、次の2つを追加しなければなりません。
1)大急ぎで火力発電所を建設する敷地も持っている場合の発電量と建設期間(突貫でやれば、3年.発電量は1000万キロワット程度と推定される)
2)自家発電、他電力の融通枠を緊急に増やすことによって調整できる電力枠(おそらく400万キロワットぐらい)
これで原発無しで4000万キロワットレベルに達しますから、関電管内の電力不足は3年後には解消すると考えられます。またこの時の電気代は現在より少し安くなると考えられます。このことについてはすでに整理しましたが、また機会を見て整理します。
(平成24年9月8日) 武田邦彦
大飯原発再開前の発電計画 2542
大飯原発再開後の発電実績 2988
予想された8月の最大消費 2982
関西地区の最大消費(8月) 2682
【関電の説明】大飯原発を再開しなければ関電が供給できる電力は2542万キロワットでしたが、大飯原発を再開できたので2988万キロワットを生産できました。一方、これまでの実績から猛暑の8月に予想された消費量は2982万キロワットだったのに対して、皆さんが協力してくれて2682万キロワットに留まったので、2988の生産能力に対して、2682を消費したので安定した電力供給ができました。
この説明を聞いて、多くの人が納得するでしょう。それは、「ああ、そうか。原発を稼働させて、自分たちも節電したから、何とか乗り切ったのだな」と思うからです。原発の再稼働も正しく、努力も報われたと感じるのですから、自己満足も得られ、とてもいい気分になるからです。政府や大阪市への信頼感も出るでしょう。
でもこれは「優れた頭脳の働きをズルに使う」という模範的(詐欺的)な回答です。これは学校教育の失敗が原因です。つまり、もっとも大切なことを回答せず、形式的な回答をすることによって、本当に必要なことを隠すという高級な手口で、これで学校では100点がもらえるところに問題があります。
この回答のどこが「詐欺的」であるかというと、「なぜ、大飯原発を再開しなければならなかったのか?」という疑問に何も答えていないからです。真に原発の危険性を心配している人が知りたいのは、このような数値ではなく、次の数字なのです。
関西電力が製造・調達ができる最大電力量は以下の8つを合計したものです。
1)8月に稼働した火力発電所の最大発電能力
2)稼働しなかったが設備としては存在する火力の最大発電量
3)火力・原子力以外の発電量の内、8月に稼働したもの(水力など)
4)他電力から融通を受けることができる最大電力量
5)企業の自家発電の稼働を要請することによって補填する最大電力量
6)個人の太陽光発電など分散電源
7)原発の電力量
・・・・・・・・・
もし関電が「良心的な企業」であったとします。多くの人は電力会社は隠すのが当然だと思っていますが、独占的販売権を持っているのですから、そのかわり「正直である」というのは必要なことです。
関電「皆さんができれば原発を再稼働させたくないとお考えのことは良く知っています。そこで原発が再稼働しない状態で、関電社員一丸となり、また関係会社にもご協力を得て、「原発を再稼働しない場合の最大調達量」を計算しました。」
関電「その結果、上記の1」から6)を合計すると、3500万キロワットになります。
猛暑の時の最大消費量は3000万キロワットになりますから、この夏は原発無しに乗り切ることができますし、皆様も特別な節電は必要ありません。でも調達できると考えられる3500万キロワットの内、他の電力会社からの融通、自家発のご協力などは不確定です。また発電所のトラブルも考えられます。その場合はギリギリになりますから、その時は節電をお願いします。」
つまり、関電の説明は「原発を動かすために、他の電気を得る方法をサボれば」という仮定が入っていたのです。それに計画より増加した400万キロワットのなかで実は200万キロワットは原発以外ですから、ここもトリックが入っています。
大飯原発の再開問題というのは、「原発の再稼働に反対する人がいなければ、再開すればいつもの年のように過ぎる」のは当たり前です。でも「原発の再稼働を心配している人がいるから、検討する」というものだったのですが、実は「原発を動かさないでも大丈夫か?」ということを「誰も考えなかった」のです。
トリックというのは恐ろしいものです.特に頭の良い人が集団でズルをしようとするとこのようになるという典型的なことですが、関電の幹部の方にも良心的で国民のことを考えている方が一人ぐらいはおられるでしょうから、ぜひ、1)から6)を示してください。
また、これで終わりではなく、来年がありますから、次の2つを追加しなければなりません。
1)大急ぎで火力発電所を建設する敷地も持っている場合の発電量と建設期間(突貫でやれば、3年.発電量は1000万キロワット程度と推定される)
2)自家発電、他電力の融通枠を緊急に増やすことによって調整できる電力枠(おそらく400万キロワットぐらい)
これで原発無しで4000万キロワットレベルに達しますから、関電管内の電力不足は3年後には解消すると考えられます。またこの時の電気代は現在より少し安くなると考えられます。このことについてはすでに整理しましたが、また機会を見て整理します。
(平成24年9月8日) 武田邦彦
【参考】関電のHPにある「今夏の需給状況について」より
14~15時最大電力の比較(平成22年度との比較)
昨年の原発事故で、原発の安全性(廃棄物処理も含めて)が脆弱なものであることがわかり、今はともかくも将来的には縮小されるべきではないだろうか。
原発推進の動機として地球温暖化CO2削減などが謳われたが、それも根拠がなかった。
(L・鳩山がCO2削減25%をぶち上げ世界から冷笑を買ったが、2012年1月撤回された)
事故から1年以上経ったが、関東地方では放射能汚染物質が日常的に見られるという。
放射能汚染物質による内部被曝後遺症はこれから徐々に出てくる。
(少しぐらい浴びた方が元気になるという説もあるが・・・子供はどうなのか)
などがその理由になる。
日常的に見られる「黒い物質」とは・・・
http://www.youtube.com/watch?v=msoteVTiguY&feature=player_embedded